むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 予防医療セミナーの準備中

    健康に関する話題をネットで見ていると、「この食材が体にいい!」という情報をよく目にします。でも、それを過信して特定の食材だけを摂りすぎるのは、かえって逆効果になることがあります。

    たとえば、イソフラボン。過剰摂取が体に悪いというニュースもネットで見かけました。ビタミンCβカロテンのような「体に良さそう」な栄養素でさえ、摂りすぎると体に負担がかかることがあります。

    今日のネットニュースでは、「1日30品目を摂ろう」という昔ながらの健康指針も、実はそれほど意味がないという内容が出ていました。むしろ、たくさんの食材を摂ることによってカロリーオーバーになり、健康に悪影響を及ぼすことがあるとのこと。

    そもそも、「30品目」というのは科学的根拠に基づいた数ではなく、「いろいろまんべんなく食べましょう」という目安として便宜的に使われただけ。しかも、毎日摂る必要はなく、1週間単位でバランスよく摂れれば十分です。

    また、一日30品目を意識した野菜ジュースも「健康的」と思われがちですが、実は体に良くないと言われています。食物繊維は除かれており、甘い果糖が多く含まれているため、糖尿病や中性脂肪が高い人にはおすすめできません


    今度の予防医学セミナーでは、ミトコンドリアの機能を高める方法についてお話しする予定です。その中でも重要になるのが、抗酸化物質の働きです。

    体の中では、活性酸素過酸化水素といった“ラジカル”と呼ばれる不安定な分子が、トランプのババ抜きのように電子を次々に渡しながら連鎖的に体の中を駆け回ります。

    それらを無害化するには、βカロテン、フラボノイド、カタラーゼ、ビタミンC、ビタミンE、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)など、さまざまな抗酸化物質が一連の反応の中で段階的に働きます

    つまり、どれか一つだけを大量に摂っても、その次の段階で処理が止まってしまうのです。

    では、どうしたら良いのかというと――
    カテキンもフラボノイドもビタミンCも、できるだけ多様な抗酸化成分をバランスよく摂ることが大切になります。

    特に、サプリメントで補おうとすると、一つの成分を大量に摂ってしまうことになりがちです。そうではなく、理屈を理解したうえで、マルチなアプローチが必要です。そうしないと、かえって体に害を及ぼす可能性もあるのです。

    少し難しい話にはなりますが、セミナーではできるだけ分かりやすく、図なども使って説明できればと思っています。