むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • NO(一酸化窒素)とH2(水素)の時代

    医学部で基礎の勉強のなかでも一生役に立つのが薬理です。薬の知識です。私は薬理が大好きで、学生時代に第2薬理という研究室に入り浸って循環器薬理の研究をしていました。その当時私を指導していただいたのが、子飼のあらき循環器内科の荒木先生と、西教授(現在桜十字熊本東病院)でした。私の恩人です。私が研究したのは心臓の冠動脈の内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)に関するものです。その当時、NOが血管拡張物質として発見され、ノーベル賞をとった時代でした。このNOの研究はその後世界中でどんどん進んで現在も花盛りです。

    今日、帰宅してWEB講演会に参加しましたが、肺高血圧の話題でした。肺高血圧の治療にはNOを用います。私はこの肺高血圧治療に近いことをアメリカ留学中に研究していたので、やっと治療法が確立して来たことを嬉しく思いました。NOは狭心症の治療薬ニトログリセリンの作用機序にも関係しています。また、バイアグラとして別方面でも有効性が確認されています。

    一酸化窒素(NO)の研究も面白いですが、これから注目すべきは水素ガス(H2)だと思います。H2は水素自動車(トヨタのMIRAI)が話題ですが、燃えれば水になります。このH2を吸入することで、疲労回復、がんの治療、アンチエイジングなどの効果が報告されています。酸素を吸入させる治療とは反対で、H2には体の酸化を予防する働きがあります。私も自宅に水素発生器をもっています。自分はいつもメガビタミンで元気にしているので水素吸入の効果はよくわかりませんが、理屈を考えればいいものだと思っています。

     

    地蔵峠付近から阿蘇盆地を見下ろす風景