むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿治療の新時代

    診療が終わって、WEB講演をしました。診察室からパソコンに向かってしゃべるので、会場への移動もなく楽ちんです。今日話題にしたのは、「糖尿病治療でカロリー計算する時代は終わった」という話。糖尿病ガイドラインなどには書いてない、最新の話題。最近は、学会やガイドラインよりも患者さんのほうが勉強して最先端を行っている場合が多いです。なかでも糖尿病は、学会などが炭水化物ダイエットをあまり積極的に推奨しない中、患者さんたちは独自に勉強して取り組んでいます。しっかり取り組めば薬はどんどん減らせます。当院でも、炭水化物制限食を勧めています。

    いちばん、頑張って欲しいのは妊娠糖尿病の患者さん。妊娠中は薬を飲めないので、インスリンの注射を導入されることが多いです。しかし、当院では妊婦さんにもしっかり炭水化物制限をしてもらい、その代わり肉、魚、野菜はカロリーをさほど気にせずしっかりとってもらうようにしています。おかげで、インスリンを使わなくても出産までいける場合が結構あります。

    同じ炭水化物でも食べ方によって血糖の上がり方が異なります。例えば、キャベツなどのサラダを茶碗いっぱい食べてからご飯を食べる方法(いわゆるベジファースト)だと、血糖の上がりはかなり抑えられます。また、同じご飯でも冷やして食べると血糖の上がりは少なくなります。他にも舞茸をご飯と一緒に食べると血糖はあまり上がりません。このように、カロリーは同じでも、食べ方を変えるだけで血糖上昇は抑えられるのです。何のための計算だったのでしょう。これからは何をどのようにして食べるか科学的に考えて食べる時代です。たーだ食品交換表を見ながら電卓でしめて何カロリーと計算しても、食べ方で血糖上昇の仕方が変わるので意味はありません。これは朗報です。食べかたを工夫すれば、ある程度ちゃんと食べても糖尿病は悪化しないということだからです。