むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • アップルTVでカフェの雰囲気

    最近は、合剤がたくさんあります。合剤というのは、通常だと2−3種類の飲み薬に相当する内容が一錠中に含まれるものです。例えば血圧の薬。2種類の血圧の薬が一つになっていると、2錠飲んでいる人は1錠にすることができます。糖尿病薬もあります。1つで2つぶんの薬を含んでいます。こういう錠剤を組み合わせると、たくさんの錠剤を飲んでいる場合も2−3錠にすることができます。また、糖尿病薬で週1回でいい製剤もあり、驚くことに毎日飲まなくてもちゃんと効きます。もちろん食事療法や運動療法は大事ですが、こんな便利な薬でコントロールできる時代なのです。

    話は変わりますが、テレビが面白くないとき、どうしますか?消す、という人は潔くて素晴らしいですが、興味ない番組だけど音がないと寂しいからダラダラとつけているという場合も多いのではないでしょうか?私はアップルTVという小さな端末をテレビにつけています。とても便利です。手元のiPadやiPhoneからテレビに映し出すミラーリング機能もありますので、小さな画面を自宅のテレビで楽しめば、YouTubeなども迫力が出ます。

    たまたま昨日知り合いの先生がSNSに書き込んでいたのですが、YouTubeでカフェ音楽やカフェの雑踏などを検索するとたくさん出てきます。オシャレな喫茶店風の音楽が流れてきたり、カフェでのお客さんたちのガヤガヤしたノイズだけを延々流し続けるものがあります。これは結構いいです。何も見たい番組がないときにテレビでカフェの雰囲気を流すと、自宅がカフェのようになります。仕事がはかどりますよ。アップルTVはそういう使い方があったかと目からウロコでした。

  • 毎日読書

    私たちクリニックで働く医師の仕事といえば、患者さんとのお話とパソコン作業(電子カルテにデータ入力)の繰り返しです。一日中やっています。しかし、それだけで一日を終えてしまえば進歩はありません。今の実力でストップしてしまいます。それを打破してさらなる高みに進むには、日々の勉強しかありません。大きな病院で働いていれば、いろいろ教えてくれる専門医が周りにたくさんいますが、私たちのように一人で開業していると誰にも聞きようがありません。最近はネットの発達で、いざとなったらすぐその場で検索できる環境にあるのが、心の支えです。

    ネットもいいですが、やはり大切なのは読書です。読書といっても小説などではなく、専門書です。私たちは学生時代から大量の活字を読むのが仕事でしたから、読むのは早いし、大事なところ以外は読み飛ばします。新聞を読むのは大体2−3分です。雑誌もあっという間に読みます。しかし、今とり組んでいる漢方の解説書は半年がかりで読んでいます。大分の織部先生という重鎮の先生の著書です。今度熊本に講演に来ていただくのですが、その際私が座長をするため、基礎知識として著書を読んでいるのです。あまりに役に立つ情報が満載のため、忘れないようにノートを取りながら読んでいます。そのせいで半年たってもまだ読み終わりません。

    このように、じっくり読んで自分のものとすると、一生の宝となります。大抵は1冊の本から役に立つ情報が1文あればいい方です。その、たった1文から臨床の幅が広がります。そういったキラリと光る1文との出会いを求めて毎日夕食後は寝るまで本を読んで勉強しています。

    下江津湖。手前のフェンスが修復されて新しくなりました。

  • 統合医学会

    猟奇的殺人事件がワイドショーで話題ですが、テレビ報道はちょっとしつこいと思いませんか?新聞や週刊誌なら見たくない人は見ないで済みますが、テレビでこれだけ報道されると見たくなくても目に入ります。あんな事件をテレビで見て気持ちいいはずありません。朝っぱらから鬱々とした気分になることと思います。気分が落ちると免疫能も落ちてしまいます。要注意です。

    それはさておき、今日は統合医学会が熊本で開催されました。驚くべきことに特別講演が3つもあり、それぞれが超一流の話でした。なかでも日本人で最もノーベル賞に近いと言われている前田浩先生の講演は素晴らしかったです。会の話題は最先端のがん治療です。最近は免疫チェックポイント阻害剤オプジーボが話題ですが、国の財政を破綻させるくらい値段が高く、一人当たりの治療費が数千万円です。一方、今日の学会の話題のひとつでガンになる前に癌になりそうかどうかを診断することができるmRNA検査をされている愛知医科大の福沢教授のお話は興味深かったです。私も座長としてお手伝いしました。

    メッセンジャーRNA(mRNA)はDNAと違って、その時々で発現量が異なります。そこで、癌遺伝子が活性化されているかどうかを通常の遺伝子診断(DNA)で見るよりダイナミックに検査できるとのことです。一例を提示されましたが、ヘビースモーカーで、肺がんの遺伝子マーカーが高くなっていたため、検査翌日から禁煙して、運動も心がけていたら、その癌遺伝子が消失したそうです。こんな検査で癌になる前に対処できるのなら、国の財政も心配しないでいいと明るい気分になりました。

  • 一休み

    祝日の金曜日、忙しい1週間の途中で一休みです。しかし、訪問診療は休日なんて関係ないので、朝から通常通り2つの高齢者施設に訪問に出かけました。訪問診療から帰ってきたら、クリニック内でまだ仕事です。月始めは開業医にとってはレセプト提出の準備があり、先月1ヶ月分の診療報酬の書類をひたすらチェックしました。A4のコピー用紙で積み上げると何センチにもなる量です。一枚一枚、先月受診された患者さんの検査内容や処方内容が書かれており、自分の診療が適切だったか、見逃したことはないか、振り返りながらチェックしました。今月は比較的スムーズにチェックが終わりました。その後は、今月漢方の講演を頼まれているため、その講演用のスライド作りをしました。切り口を変えることで、新鮮で楽しく聴いていただけるように、そして、明日からの診療に役立つ情報を盛り込んで、と工夫を重ねます。

    受験勉強も漢方の勉強も同じです。丸暗記すればとりあえず使えるのですが、応用が利きません。応用を利かすには、背景を勉強し、基礎理論を学び知識を深めないといけません。今年の私の漢方講義はそのような応用を効かせるために必要な基礎知識を盛り込むことをテーマにしています。

    スライドが7−8割できあがたところで、気分転換にクリニックの草取りをしました。クリニックの向かいには県立大のグラウンドがあり、近所の人たちが大勢ウォーキングに来られます。草取りしていると、患者さんたちから次々と声をかけられました。みなさんお元気です。暖かい秋の休日、運動日和です。結局、夕方までクリニック内で日頃できない仕事をして、自分なりに充実した休日でした。

  • 訪問鍼灸

    先日、「ほねつぎ」という鍼灸マッサージの店舗から挨拶に来られました。私が訪問診療している患者さんが訪問鍼灸を受けるとの事で、同意書を持って来られました。鍼灸の同意書とは主治医が鍼灸治療の必要性を認めるとサインした場合に限って、保険が適用されるのです。

    当院でも鍼治療は行なっているので、その効果や有効性はよくわかっているのですが、訪問診療先で鍼治療はしたくても時間がありません。そこで、今回のように訪問ができる鍼灸院にお願いできれば患者さんのメリットも大きいと思います。

    私が開業を計画した時、一番に思ったのは通院できないお年寄りにも訪問診療をして、できればその際に10分でもいいから鍼をしてあげたいという事でした。これは、開業してからもずっと画策していたのですがいまだに実現できていませんでした。しかし今回の様にコラボする事で実現すれば、結果的には良かったと思っています。