むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症予防の食品

    昨日のブログで認知症予防に有効とされているビタミンやミネラルなどサプリ系のお話を書きました。もう一つ忘れてはいけないのがオイルです。脳は非常に油成分に富んだ臓器なので、水溶性成分より脂溶性成分やそのキャリアとなるオイルそのものが重要な働きをします。認知症に良いとされているのは、亜麻仁油、荏胡麻(えごま)油、オリーブオイル、EPA(魚の油:エイコサペンタエン酸)、バター、ココナッツオイルなどです。オイルに関する健康情報は刻々と変わり、この前までいいと言っていたのが悪いと言われるようになったりして定説がまだ信用出来ないところがあります。便乗したブームもありますから、注意して見る必要があります。個人的に信頼しているのはオリーブオイルです。味噌汁にも納豆にもかけて食べます。ココナッツ油は野菜炒めなどに使っていますが、認知症に効かせるためには中鎖脂肪酸をケトン体にして脳でエネルギーにするという理論があり、それを期待するにはきちんとしたルールで摂取する必要があります。なんとなく野菜炒めに入れても不十分と思われます。EPA(魚油)がいいのは今更解説するまでもないと思います。昔、バターは健康に悪く植物性のマーガリンの方がいいと言われていましたが、今や常識は完全にくつがえされ、アメリカではマーガリンをつかった食品(ドーナツなど)は法律で規制されています。バター風味のマーガリンもだめです。本物のバターを食べましょう。

    ところで、オリーブオイルは一瓶で380円位から2000円位まであるのをご存じですか?ほとんどのものはエクストラバージン(一番搾り)と書いてありますが、偽物が横行しています。エクストラバージンは緑色に濁っていますが、緑に着色してあるオイルがあります。また、ガラス容器に入ったものはいいのですが、プラスチック容器に入っているのは劣悪品です。安いオイルはそれだけの品質ですから納得いく価格でできるだけいいものを買いましょう。オリーブオイルはほとんどがスペイン産ですね。

    スペイン産といえば、イベリコ豚が人気です。イベリコ豚はどんぐりを食べて育つため独特のナッツのような香りがして美味しいと言われていましたが、いまやファミレスや食べ放題のしゃぶしゃぶ屋さんなどでふんだんに出回っています。全部にせものらしいです。放牧してどんぐりで育てた本物のイベリコ豚が食べ放題で食べられるはずありません。オリーブオイルも同じです。ちゃんとしたいいものは高い。ためしに1500円位のオリーブオイルを舐めてみてください。それだけでサラダを食べているような芳醇な香りと味がしますよ。

  • 葉酸の話にがってん

    夕方、仕事から帰ってTVをつけたらちょうどNHKでためしてガッテンが始まりました。今日のテーマは葉酸です。葉酸はほうれん草やブロッコリーなど青物野菜に多く含まれるビタミンです。通常は欠乏すると貧血になると知られています。番組では、オタマジャクシがカエルになる際に、ほうれん草を餌にやったらたくさんカエルになったが、葉酸が足りないとオタマジャクシからカエルになれる数が少なかったとのことでした。葉酸は成長に重要な働きがあるそうです。その後、脳の萎縮(アルツハイマーなど)の予防にも葉酸が大切だと言っていました。知りませんでした。昨日のブログにも書いたように、最近私はビタミンの勉強に精を出しているので、今日のがってんには釘付けになりました。

    TVがおわって、ネットでいろんな論文を調べました。アメリカでは葉酸と認知症関連の論文はたくさんあり、今ではほとんど常識のようです。なぜかというと、アメリカではすでに20年ほど前から法律で小麦やシリアル、パン、パスタなどには一定量の葉酸を配合しないといけない決まりになっているそうで、すでに葉酸を意識して取らなくても十分取れる社会なのだそうです。ためしてがってんでは、日本のある町が葉酸を取ろうと取り組んでいましたが、野菜をたくさん食べようというものです。アメリカではそんな努力をする必要ないというのがすごいです。アメリカの栄養学の先生が、その町の取り組みを褒めていましたが、きっとお世辞でしょう。

    番組では葉酸は野菜で取るものであって、サプリは妊婦以外は気をつけて取るように行っていました。なんとも日本らしい発想です。アメリカと真逆の考え方です。調べた論文に葉酸以外にも認知症を予防できる可能性のあるものが書いてあったので、ご紹介しましょう。1.ビタミンB1 一日あたり50mgでアルツハイマーに有効。2.ビタミンE。一日あたり400-800IU。コエンザイムQ10と併用するとなお良い。脳への酸素供給が改善し、認知症の進行を抑制する。3.ホスファチジルコリン。1日300mg(100mgを3回)で認知症に有効。4。ビタミンB12と葉酸。B12は100-1000μg、葉酸は400-1000μgが推奨量。5.亜鉛1日30-40mgで脳機能改善、認知症予防効果。 ちなみにビタミンB1,B12,葉酸、ビタミンEは凌雲堂にて販売しています。全部で1か月分が三百円ちょっとです。上記推奨量にするには日本の規定よりやや多めに飲む必要がありますが、ちゃんと肉・野菜をとっていれば、それほど多く取らなくてもいいと思われます。以下引用サイトです。英文です(↓をクリックするとサイトに飛びます)

    Top 5 Dementia Fighting Vitamins and Minerals

    三宮神社

  • 薬の上中下

    くすりに上中下があると聞いたことがありますか?上薬、中薬、下薬といいます。これは2000以上前の中国の話です。漢方の古典に書いてあります。上薬は体に優しく、長期に飲むことで体質が改善される生薬です。中薬は病気を治療する効果がありますが、あまり長期に使うものではありません。下薬は治療効果が高い代わりに副作用もあるため長期投与は向いていません。生薬の例を挙げるなら人参や霊芝は上薬です。柴胡は中薬です。附子や大黄は下薬です。私達漢方専門医はこれらの薬をうまく組み合わせて治療します。上薬を長期間使いながら体質を改善しますが、一方で中薬や下薬を使って今困っている症状をとりあえず治していきます。ただ、その薬が上薬か下薬かを意識しながら、常に次の一手を考えます。

    西洋薬の大半は下薬だと思います。抗がん剤や解熱鎮痛剤などその典型です。中薬に相当するのが血圧の薬や胃薬などでしょう。西洋薬で上薬はすくないですがビタミン剤などでしょうか。わたしは漢方をほとんどの患者さんに処方するため、西洋薬に関してもいつもこの薬は上薬か、下薬かを考えます。抗うつ剤や抗不安薬にも上中下があると思っています。これは、西洋医学しか使わない先生には理解できないかもしれませんが、経験豊かな臨床医は肌で体感して、私達と共通の認識があると思います。

    このような肌感覚で薬の上中下を考えながら使っています。下薬がだめだというわけでなく、下薬はすごく効く代わりに使いこなしに注意が必要です。最近私が力を入れているのはビタミン剤による治療です。ビタミンは上薬ですから、安全性が高く長期投与ができます。うつやパニックもこういう上薬で治療できたらいいなと思って取り組んでいます。

    朝日をバックにに光るシクラメン

  • 塩分はむくみの原因

    昨日の夕食の話です。冷凍庫に塩鮭の大きな切身を発見したので、晩御飯に食べました。焼いて食べても良かったのですが、ちょうど酒粕があったので、粕汁(石狩鍋風)にしてみました。塩ジャケの切り身があまりに大きいので味噌汁のお椀に入り切らず、どんぶりで食べました。おいしかったのですが、鮭の塩加減が強くなんとも濃い味付けになってしまいました。塩加減以外は美味しかったので、バクバクとどんぶりに2杯の粕汁を食べました。最近私は糖質制限をしているので、たべたのはそれだけです。さすがに2杯目の汁を飲み干すことはできませんでした。粕汁が好きとはいえ、塩辛すぎました。

    食べ終わってしばらくしたら、猛烈にのどが渇いてきました。ビールでも飲もうかと思いましたが、結局水道のつめたい水をコップに何倍も飲んで喉を潤しました。そして、朝起きてびっくりしました。顔がむくんでいる!まぶたが重い!ひどい二日酔いをしたみたいな顔です。間違いなく、塩分過剰摂取の結果です。体に水分を入れるときに水だけだとすぐに利尿されて出ていくのですが、塩分があると飲んだ水分は体内にとどまります。血管内には過剰な血液がたまり血圧が上がります。そして、過剰な水分は血管外に染み出してむくみとなります。

    むくみを取るには塩分を体から出すしかありません。運動して腎血流を上げること、汗をかくこと、野菜や果物を食べることなどです。野菜や果物には塩分のナトリウムと反対の働きをするカリウムがたくさん含まれています。カリウムを摂ることで塩分が排泄されるのです。その原理で具沢山の味噌汁は塩分が多い割には体にいいと言われています。しかし、インスタント味噌汁をお湯に溶くだけ、というのはいただけません。カリウムの量が少ないことも問題だからです。

  • 症状確定

    今日は雪が積もって銀世界でした。クリニック周辺は少し標高が高いので、自宅のある付近よりたくさん雪が積もっていました。こう寒いと,風邪の患者さんもたくさん来院されます。こんどの週末はセンター試験とのことで、受験生をお持ちの家庭ではぴりぴりしています。この大事なときにインフルエンザにかかるなんて一大事、という感じです。あわてて病院でインフルエンザの検査をしてみると、タイミングがはやすぎて陰性と出る可能性があります。その場合、1)通常の風邪薬をもらって帰る、2)翌日もう一度検査をしに病院へ行く、という選択がありますが、センター試験まであと2日となると、そんな悠長なことはやっていられません。

    わたしたちクリニックで毎日何十人もの風邪の患者さんを見ている立場からすると、インフルエンザの検査キットを100%信用するのは間違いです。状況(家族にインフルエンザ確定がいるなど)と所見(のどの腫れ具合や熱の出かた、倦怠感の度合いなど)を総合的に考えれば、インフルエンザには一定のパタンがありますから、検査結果が怪しい場合は「症状確定」として、検査結果はともかく、臨床的にはインフルエンザの可能性が高いと診断し、インフルエンザの薬を処方します。翌日きつい体で検査に来てもらうのは決して利益にならないし、そのぶん治療開始が遅れます。また、ほかの患者さんにうつしてしまう可能性もあるからです。

    当院では、6つの老人施設を訪問診療していますが、幸いなことに今のところどこもインフルエンザの集団発生はしていません。高齢の場合、体力(免疫)がおちていてインフルエンザで命を落とす場合もあります。最大限の注意が必要です。板藍根(ばんらんこん)という漢方も風邪予防に有効ですし、霊芝も有効です。ビタミンCも多めにとれば風邪の予防になりますので何か対策をしてはいかがでしょうか?

    クリニックから見た風景です