むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 新陳代謝にはビタミンとタンパク質

    先日、熊延鉄道は南熊本駅から延岡まで走っていたと書きましたが、まちがいでした。今日来られた患者さんに教えて頂きました。延岡まで線路を作る予定だったらしいのですが、実際は砥用までしか出来なかったらしいです。それでも、山みちけわしいところをよく作ったものです。また、当時は辛島町から南熊本駅まで市電が走っていました。今は市電が撤去され、だだっ広い道になっています。また、尾ノ上の比企病院前の五差路のうち一本は健軍自衛隊(昔の三菱の飛行機工場)にむけて引き込み線が走っていたそうです。今は埋めて道路になっているので、複雑な道路になってしまっています。こう考えると、自動車世界の現在より昔のほうが電車や市電が整備されていたんだと驚かされます。

    ヨーロッパはむかしの建物がたくさん残っています。石でできた建造物が多いのと、地震が少ないためだと思われます。一方、日本の建物は木と紙でできているため、古民家でもせいぜい100年です。最近は建材もベニアを多用するため30−40年がせいぜいでしょう。コンクリートは頑丈ですが、やはり40年程度しか持ちません。戦後建てられたコンクリートの建物は軒並み建て替え時期を迎えています。

    一方、人の体は病気をしなければ120年程度はもつようです。寿命のマックスがそのくらいだと言われています。しかし、体はいったん作られた臓器が何十年もそのままというわけではありません。常に新陳代謝して新しい材料に置き換わっています。材料はもっぱらタンパク質とミネラル(カルシウム、リンなど)です。また、新陳代謝に必要な酵素をきちんと働かせる補酵素としてビタミンが必要です。したがって、体を健康に保つには、タンパク質、ビタミン、ミネラルを不足なく取ることです。炭水化物は構成成分ではありませんから嗜好として食べる程度でいいと思われます。また、体の構成成分をさびさせるのは、タバコ、ストレスのような活性酸素と過剰な糖質です。それを避けることが重要となります。

  • 7割超のメタボを治す方法

    ためしてガッテンネタです。今回のテーマはメタボ!実はメタボリックシンドロームという言葉が広まったのは2005年でした。メタボの診断基準が提唱された年です。その前にはメタボは別の呼び方をされていました。心筋梗塞など死に至る恐ろしい循環器疾患を引き起こしやすい条件を調べたところ、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常(コレステロールや中性脂肪が高い)の4つに関連が大きいことがわかりました。そこで、この4つの疾患が合わさることを死の4重奏と呼びました。これを今はメタボリック症候群と言っています。

    近年メタボといえば肥満を指しますが、実際のメタボリック症候群の診断基準は腹囲だけでなく、血圧や血糖などのデータが必要です。今回のガッテンでは、1日50gずつ、週に300gのペースで痩せる方法でした。1日50g痩せるためには100カロリーの運動あるいは食事制限を3つ実践するようにとのことです。100カロリーがどのくらいになるかは、NHKのホームペーからダウンロードできるそうです。運動や食事にたとえて具体的にわかりやすいものでした。

    番組ではこのやり方で、3週間頑張った結果、体重変化は少ないのものの内臓脂肪や脂肪肝が劇的に改善しました。結局、何かを食べればと痩せるという単純なものではなく日々のちょっとした制限の積み重ねが改善につながります。100カロリーを3つ節約することは慣れれば簡単でしょう。目標は現体重の3%減です。70キロの人なら約2キロのダイエットで脂肪肝などは改善するそうです。日立の職員さんがこの方法を実践したところ、メタボ職員数が7割以上減ったそうです。やるしかないでしょう。

  • 八月病?

    5月は五月病と言って4月に新しい職場や部署に移ってなんとか頑張ったけどもう無理、という患者さんたちがゴールデンウィーク明けごろから大勢来院されます。そういう傾向は6月も続きましたが、夏に入り少し落ち着いていました。そして今、ちょうどお盆休み明けで状況は5月の連休明けと同じです。5ー6月ごろはなんとか乗り切ったけど、いよいよ限界という患者さんたちが、今になって大勢来院されています。いわば8月病です。

    来られる患者さんの職業やストレスの原因はそれぞれ違いますが、皆さんに似た傾向があります。それは、ストレスを溜め込んでしまう性格です。苦手な上司や同僚とうまくいかず、パワハラに近い状況でもひたすら耐えてしまいます。文句や愚痴を言ったり、上司の指示を適当に聞き流すことなく真剣にとらえてしまいます。真面目な性格です。

    このように真面目で反論せずストレスを溜め込んでしまう性格の人には適した漢方があります。抑肝散加陳皮半夏です。今月は相当数処方しています。こういう漢方を飲むことでため込んでいたストレスが軽くなったり、ストレスにより引き起こされた頭痛や吐き気なども軽くなることが期待されます。このように、当院では漢方を併用することで安定剤や抗うつ薬を最小限にする治療法を模索しています。

  • 砂糖中毒

    台風が接近しています。今回は直撃は逃れていますが、九州の西へ進むルートのため、熊本は台風の東側に入る時間帯があります。被害には十分注意が必要です。携帯の充電、予備バッテリーの充電、パンなどの食料、飲料水、乾電池、懐中電灯など準備はいいですか?連続2つの台風が来ますから、今週はしっかり備えましょう。

    夜に世界仰天ニュースという番組を見ていたら、砂糖中毒の話題でした。甘いものはコカインにも勝る依存症になるということでした。甘いもの中毒になってしまうとなかなか抜け出せません。実際は甘いものだけでなくパンや麺など炭水化物全体が問題で、特に小麦製品に注意が必要だと言っていました。東京の溝口先生の出演でした。私が日頃患者さんに説明している炭水化物ダイエットの第一人者です。

    甘いものを食べ続けてしまうのは砂糖の中毒性も問題ですが、栄養の偏りも問題です。鉄欠乏の人が砂を食べたり金属をなめたり氷を食べ続けるという話をよく聞きますが、鉄をきちんと補うとこういう変な行動が止まります。砂糖中毒の場合、ビタミンB1が消費されて脚気のようになります。まずはビタミンB1をきちんと補充し、タンパク質(肉や卵)をしっかりに取ることで砂糖や炭水化物に対する異常な執着が薄れて来ます。

  • 台風敏感体質の頭痛

    今年は次から次へと台風が発生しては日本へ接近します。毎週のように来るので目が離せません。今日もだんだん風が強くなってきました。頭痛持ちの患者さんの中にはこのような台風を敏感に感じ取って頭痛がすると訴える方がいます。そのような体質の場合、今年はこたえるのではないかと思います。このような場合、イブとかロキソニンを使いすぎると体に悪いのはご承知の通りです。何か頭痛予防を考えないといけません。

    私がこんな患者さんによく処方するのは漢方です。漢方は体質に応じて使い分けますが、台風の際に頭痛がする人は当帰芍薬散、五苓散、苓桂朮甘湯などを使います。生理前に頭痛がするという人も同じ体質です。こういう漢方をあらかじめ飲んでおくと頭痛を予防できるか軽くて済みます。それでも頭痛がするときはデパケンやプロプラノロールを使います。片頭痛予防には非常に効果的です。

    喘息体質の人は台風接近で喘息を起こします。その際は、麻杏甘石湯や五虎湯が効果的です。不思議なのは、こういう台風敏感体質の方は台風がフィリピンより南にあっても反応するところです。かなり微妙な気圧の変化を敏感に察知するのですね。