むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 世の中は聴診しない診察へと向かっている

    久しぶりにためしてガッテンを見ました。オキシトシン(幸せホルモン)の話をしていました。誰かに手を握ってもらったりハグしてもらったりすると幸せホルモンがでてきます。このホルモンは人を幸せにするだけでなく、不安、痛み、ストレスから開放してくれる素晴らしい働きがあるというものです。医療・介護の世界では手をさすってあげるような治療(癒やしのセラピー)があり、ユマニチュードと呼ばれています。がん患者さんや認知症患者さんにも効果的だと言う報告があります。

    この効果は素晴らしいし、お金もかからないので是非取り入れたいのですが、新型コロナの時代、人と接触する行為は極力避けないといけません。この先コロナが下火になることはあっても完全に消えてしまうという可能性は低いため、人との距離を保つことが習慣化されると思います。そうすると、せっかく素晴らしい効果をもたらすユマニチュードも発展しないかもしれません。

    内科の診察では聴診器を使うことが当たり前ですが、最近では感染拡大予防のために極力聴診しないようにしています。診察が物足りないと感じるかもしれませんが、心不全や喘息など聴診がよほど大切な場合を除いて最小限にしています。医師会からは、風邪の患者さんも聴診しないように指示されています。風邪は肺炎かどうかを見極めるため聴診したいのですが、聴診器にウイルスが付着したり、患者さんに必要以上に接近することで医療者にうつることを極力避けるために致し方ないと思います。

  • お腹が張ってガスが多いとき

    お腹が張ってパンパンになって痛んだり、ガスが多くて学校や職場でつらいという患者さんが結構います。おそらく消化器内科を受診されている事が多いと思います。当院は消化器は標榜していませんが、漢方内科を希望でこのような患者さんが来られることがあります。漢方では、気滞といって、気の滞りがお腹が張ったりガスが溜まる病態と考えます。そこで、気の停滞を流してくれる茯苓飲合半夏厚朴湯や柴芍六君子湯などを用いて治療します。

    この治療でうまく行けばいいのですが、なかなかうまく行かない場合もあります。消化器内科ではビオフェルミンやガスコンなどを使うのですが、ほとんど改善しません。ガスモチン(モサプリド)やアコファイドを出される場合もありますが、これもうまく行かない場合が多いです。ランソプラゾールやタケキャブなどのプロトンポンプ阻害剤と呼ばれる胃薬を飲むと胃酸が極端に減って腸内細菌のバランスが狂うので注意が必要です。このような病態をSIBO(シーボ)と呼びます。腸内細菌のバランスが狂ったと考えるのです。

    多くの患者さんは、狂った腸内細菌を正そうと、納豆やヨーグルトなどの発酵食品をたくさん食べているのを見かけます。実は、これが逆効果になっているようです。お腹が張って仕方ない場合、発酵食品を止めること。そして腸内細菌の餌となるオリゴ糖、小麦製品、牛乳、豆乳などをできるだけとらないことが大切です。もしこのような病態でお困りなら、まず食生活を見直すことが第一です。内服薬に関しては今もらっている薬を急にやめたりせずに、ご相談ください。

  • ビタミンDのすすめ

    週末、いかが過ごされましたか?あまり外出もできないので、室内で退屈していた人も多いことでしょう。私は庭の草取りや家の掃除に精を出しましたが、あとの時間はずっと台湾ドラマを見ました。33話まで見ましたが、残りあと数話です。ついにクライマックスですが、今日はみすぎたので、いいところは来週にとっておきます。先週も書きましたが、これだけ長時間みると、中国語がどんどん聞き取れるようになってきます。不思議ですね。コロナの騒ぎが落ち着いたらぜひ台湾に遊びにいきたいものです。きっと3年以上先になるとは思いますが・・・。

    以前ブログに書きましたが、免疫をあげて感染防御するのにいちばん大切なのはビタミンDです。当院のスタッフには全員にビタミンDサプリを配っています。ビタミンDは脂溶性で体から抜けるスピードは遅いので、一日おきでもいいので飲んでおくといいです。おすすめは1日3000単位から5000単位くらいです。今日、最新のデータをネットで見つけました。ビタミンDの血中濃度が高い人はCOVID-19にかかっても軽症だそうです。逆に、集中治療室に入るような重症の人は血中濃度がかなり低いとのこと。ビタミンDは紫外線(太陽)に当たると体内で合成されますが、アメリカやスペインみたいな雨の少ない(=日照時間が長い)ところでも感染が拡大していることを考えると、太陽に当たるだけでは足りないみたいです。サプリをおすすめします。

    国民全員に10万円が支給されるとの報道ですが、ほしいと手を挙げなければもらえないようです。私はクリニックの経営者でもあり、本来なら10万円を手を上げて貰う立場ではないかもしれません。しかし、手を上げるつもりです。そして、もらったお金は全部飲食に使います。今日は中国人観光客がいなくなって困っていると噂されている勝烈亭でテイクアウトのロースカツ弁当を買いました。10万円あれば、100個買えます!

  • 当院は通常通り診療しています

    非常事態宣言が全国に適応拡大されました。クリニックはこのような場合、社会のインフラとして必要なので休まず診療します。みなさん、薬が切れたらどうしようと心配されていますが、通常通りやっていますので、ご心配なく。昼にいつものように往診にでかけたら、いつも以上に人通りが多く、スーパーや百均などは車があふれていました。みんな買い出しに走っているのでしょうか?東京を見てわかるように、厳しい外出制限がされたとしても食料品店はあいているので、慌てる必要はありません。みんなが必要以上に(冷蔵庫に入れて腐らせるほど)買いだめすると、一時的に品薄になるので、冷静に行動することが求められます。また、スーパーのレジなどに並ぶことで3密状態となります。感染リスクも高まりますので、無駄な買い物は避けましょう。

    当院も、金曜は思いがけず100名をこす患者さんで冬の忙しい時期と同じ位の賑わいでした。幸い、発熱や怪しい感染症疑いみたいな患者さんは一人も来られなかったので、安全に診療できたと思います。冬場の込み合う時期だったら、インフルエンザとか、普通の風邪などの感染症患者さんがたくさん来ます。それでも私やスタッフは誰もうつりませんから、きっとみんな強力な免疫を持っていると思います。

    このインフルエンザの例でもわかるように、日頃ちょっとずつウイルスに暴露されると発病することなく免疫を獲得できます。自然のワクチンみたいなものです。新コロをそんな気持ちでかかってしまうと大変なのですが、万一無症状でたまたま検査したら陽性がでたような場合、超ラッキーです。それで免疫ができれば向かうところ敵なしです。ただ、今の日本での対応だと、隔離されたりして大変ですけどね。

  • ストレスは免疫を落とす

    最近、コロナが怖い怖いと言って来院される方が毎日数名います。テレビの見過ぎで不安障害に陥っています。不安が多いと食欲が落ちて、栄養も不足してきます。大切なタンパク質(肉、魚、卵)が十分取れていないと、不安を打ち消してくれるセロトニンという脳内物質の材料(トリプトファン)が不足して、不安が増強されます。また、トリプトファンがセロトニンに代謝されるところに必要なのが、鉄、亜鉛、ビタミンB6, ナイアシン(ビタミンB3) です。これら栄養素が十分にないと、不安はなかなか治りません。抗不安薬は飲めば効くのですが、表面上不安をごまかしているだけで、治ったわけではないので、薬が切れるとまた不安が出てくるのです。したがって、まずは蛋白とビタミン、ミネラルをしっかり取ることが大切です。

    もう一つは、ストレス状態が続くと副腎からコルチゾール(ステロイド)が分泌されます。いわゆるストレスホルモンです。ステロイドは血圧を上げたり、血糖を上げる働きがあり、ストレスに打ち勝つだけの体の反応を引き起こすので、生命活動にとっては理にかなったものです。しかし、問題なのはステロイドは免疫反応を落とし、感染に対して弱くなります。したがって、コロナが怖い怖いと言ってストレスにさらされた状態が続くと、免疫が落ちて、本当に感染してしまう可能性があります。ウイルスと人の戦いで大切なのは、免疫を落とさないことです。自己防衛です。

    そのようにストレスに反応して副腎はコルチゾールを作って対抗するのですが、ストレスが長期にわたると副腎疲労を起こしてコルチゾール等のストレスホルモンができなくなります。そうすると、体はストレスに立ち向かえなくなりひどい倦怠感や体調不良となります。この副腎疲労を回復させてくれる大切な栄養がビタミンCです。今の時代、栄養価の低い野菜から十分量のビタミンCを摂るのは不可能なので、サプリでしっかり摂ることをおすすめします。

    桜は散りはじめましたが、次はツツジが綺麗です