むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ストレスは免疫を落とす

    最近、コロナが怖い怖いと言って来院される方が毎日数名います。テレビの見過ぎで不安障害に陥っています。不安が多いと食欲が落ちて、栄養も不足してきます。大切なタンパク質(肉、魚、卵)が十分取れていないと、不安を打ち消してくれるセロトニンという脳内物質の材料(トリプトファン)が不足して、不安が増強されます。また、トリプトファンがセロトニンに代謝されるところに必要なのが、鉄、亜鉛、ビタミンB6, ナイアシン(ビタミンB3) です。これら栄養素が十分にないと、不安はなかなか治りません。抗不安薬は飲めば効くのですが、表面上不安をごまかしているだけで、治ったわけではないので、薬が切れるとまた不安が出てくるのです。したがって、まずは蛋白とビタミン、ミネラルをしっかり取ることが大切です。

    もう一つは、ストレス状態が続くと副腎からコルチゾール(ステロイド)が分泌されます。いわゆるストレスホルモンです。ステロイドは血圧を上げたり、血糖を上げる働きがあり、ストレスに打ち勝つだけの体の反応を引き起こすので、生命活動にとっては理にかなったものです。しかし、問題なのはステロイドは免疫反応を落とし、感染に対して弱くなります。したがって、コロナが怖い怖いと言ってストレスにさらされた状態が続くと、免疫が落ちて、本当に感染してしまう可能性があります。ウイルスと人の戦いで大切なのは、免疫を落とさないことです。自己防衛です。

    そのようにストレスに反応して副腎はコルチゾールを作って対抗するのですが、ストレスが長期にわたると副腎疲労を起こしてコルチゾール等のストレスホルモンができなくなります。そうすると、体はストレスに立ち向かえなくなりひどい倦怠感や体調不良となります。この副腎疲労を回復させてくれる大切な栄養がビタミンCです。今の時代、栄養価の低い野菜から十分量のビタミンCを摂るのは不可能なので、サプリでしっかり摂ることをおすすめします。

    桜は散りはじめましたが、次はツツジが綺麗です