むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 私が鍼治療を続ける理由

    朝起きて自宅の周りを見たら全く雪はなかったので、ホッとしました。ところが、いつものように出勤してみてびっくり。クリニックの周りは白く雪化粧していました。やはりクリニックのあたりは標高が高くて寒いんですね。それでも道路は積雪がなく普通に通れました。それにしても寒い一日でした。去年ジャパネットなどでしきりにCMしていた電熱線入りダウンがついに役立つときが来ました。満タンにチャージしたバッテリーをベストのUSBにつなぐと背中や首元がポカポカします。その上から通常の防寒をすると寒さ知らずです。もう一つ、私の寒さ対策は寝るまえに5分だけ布団乾燥機をかけることです。5分でも布団はポカポカになって天国です。あー暖かいー。幸せな気分で眠れます。

    仕事から帰って、WEB講演会に2つ参加しました。運良く開始時間が1時間ズレていたので、いつものようにパソコンを並べて見たりせず、順に参加できました。一つは小池先生の分子栄養学の講座。私達がいかに鉄欠乏、ビタミン不足に陥っているか。そのせいで体調不良、メンタル不安定などの状態を来たしているか解説されました。ためになる話でした。2つ目の講演は昨今の医薬品不足の背景についてジャーナリストが徹底取材して解説してくれました。この医薬品不足は最近毎日頭を悩ませていますが、私が思っていたより何倍も複雑でとんでもない闇でした。問題の根底は自由経済による民間製薬会社(特にジェネリックメーカー)と厚労省が薬価を統制している社会主義的経済のギャップが修正不可能なレベルまで悪化したものと考えます。講演でも言われていましたが、今の医薬品不足は今後3年以上解消される見通しはないとのこと。咳止めも去痰剤も解熱剤も血圧の薬も利尿剤も漢方薬も何も手に入らないでどう医療をすればいいのか。欠品(出荷調整を含む)しているのは4000品目(全体の3割以上)にも登るそうです。信じられない状態です。

    まあ、愚痴ってもなにもかわらないのでこれ以上書きませんが、多くの患者さんの処方で今まで通りとはいきませんのでそれはご了承ください。私が鍼治療をほそぼそと続けているのはそれで収益をあげようと思っているわけではありません。半分は趣味、東洋医学に対する興味が尽きないからなのですが、あと半分の理由は災害時に電気も水も薬も手に入らないとき、私が避難所を回って何ができるだろうかと思ったときに、鍼さえあれば何でもできると思ったからです。じっさい、国境なき医師団など海外の災害現場で活躍している医療チームでは鍼灸が大活躍しています。私も、そう言う事態にそなえて鍼の腕を落とさないように日々努力しているのが本音です。なので、医薬品がまったく入ってこなくなっても鍼だけでやっていける!と密かに思っています。