むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 2種類の狭心症

    今日は狭心症のお話です。

    寒い日には胸が締め付けられるような痛みに襲われる方もいるかと思いますが、これは狭心症の可能性があります。その狭心症には大きく分けて二つの種類があります。まず第一に労作性狭心症です。階段や坂道をある程度登ると胸が痛くなります。だいたいいつも同じあたりまで行くと胸が苦しくなり、しばらく休むとまた歩けるようになる、そんな症状です。第二に、安静時狭心症です。じっとしていても起こる狭心症です。食後にテレビを見ていたら胸が苦しくなったりします。時には寝ていて胸が苦しくなって目がさめるという場合もあります。典型的な症例では朝の4時から5時ごろという早朝に胸がいたくなることが多いようです。

    労作性狭心症の原因は動脈硬化です、コレステロールが血管壁につくことで血管が狭くなっています。糖尿病の場合も動脈硬化が進みますので、労作性狭心症を起こします。血圧、血糖、コレステロールなどの総合的な管理が需要です。

    一方安静時狭心症の場合、自律神経の影響で心臓を取り巻く血管が攣縮(れんしゅく)します。キューと縮むのです。その結果胸が痛みますが、攣縮が取れると痛みも治ります。通常の狭心症と同じくニトログリセリン製剤が有効です。

    狭心症が疑われる場合、心電図をとりますが、病院に来ている時にいたみが落ち着いていれば心電図も正常のことがしばしばです。そのような場合、運動負荷心電図をとります。ベルトコンベアの上を歩いて息が切れるくらいまで運動しながら心電図をとるのです。安静時狭心症の場合は自宅での24時間の心電図を記録するホルター心電図という検査があります。

    胸が痛いと言っても、胸膜炎、肋間神経痛、心身症、不整脈などいろいろな理由で症状が出ている場合があります。狭心症と決めつけないことが大切です。