むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鹿角霊芝が入荷しました

    霊芝というとサルノコシカケですが、がん患者さんや難治性の病気で苦しんでおられる方に広く使われている生薬です。通常は輸入物のサルノコシカケを刻んだものが流通しています。一方、鹿角霊芝というのはしいたけでいうならドンコです。まだ傘が開いていない状態のものを言います。見かけが鹿の角に似ているから鹿角という形容詞が付いています。漢方では本物の鹿の角を鹿茸(ろくじょう)と言って扱うので、紛らわしいのですが、それとは全く違います。鹿の角は動物生薬で独特の生臭みがあるそうですが、鹿角霊芝にはそのような嫌な臭みなどありません。高級なしいたけ(松茸のような)スープを少し苦くした感じの煎じ薬になります。他のメーカー(中国製)とは味わいがかなり違っています。国産で無農薬、しかも熊本の地下水で栽培された上質な霊芝ですので安全性に優れています。もし興味がある方は、当院向かいの調剤薬局(凌雲堂)にお尋ねください。

    最近は、がん患者さんからの要望もあり、中医学で抗がん作用の証明されている生薬(煎じ薬)も処方しています。抗がん作用のある処方だけではなく、霊芝や人参、附子といった免疫や体力を高める生薬をブレンドすることでがんと闘う体をサポートします。通常の西洋医学的な治療(抗がん剤や手術)に併用することもオススメです。ガンの種類や進行度(ステージ)に応じたオーダーメイドの処方を行います。なお、このような特殊な煎じ薬の処方は保険が効かない部分がありますので、その点はご了承ください。

    もう一つは、鍼治療の補助としてシール型の鍼があります。腰痛や肩こりにもいいですが、自律神経の治療その他色々使えます。このシール型の鍼(パイオネックス)はネット通販で購入することもできますが、当院の針治療の際には正確にツボの位置に貼って差し上げます。張り替え用に買って帰りたい場合は、原価で何枚でも小分けいたしますので、ご相談ください。

    パレアのロビーにて

  • 東洋医学研究会

    昨日は、夏風邪に葛根湯を使わないと書きましたが、その日の外来でインフルエンザがでました。気温が高いのにさむけが強いと言います。こんな時は葛根湯や麻黄湯で体を温めます。温まると汗が出て、熱が下がるのです。結局、書いたその日に麻黄湯を処方することになりました。やはり、例外というのはどこにでもあるものです。

    さて、今日は熊本大学の東洋医学研究会というサークルの新入生歓迎コンパでした。このサークルは20年ほど前に私が熊本大学に作ったので、今はご意見番のように新歓コンパや追い出しコンパに招待されます。医学部の学生さんたちは現役一年生なら18、9歳です。自分の子供と同じ年頃です。一方、6年生は24、5歳です。このくらいになると随分貫禄が出てきます。1年生にとって4年生以上の先輩とは口を聞くのも緊張するものでした。しかし、今の世代は随分違います。みんな和気藹々としています。私が学生だった頃は先輩から飲めない焼酎を飲まされることは日常茶飯でしたが、今はみんな自分のペースでウーロン茶やカルアミルクのようなドリンクを飲んでいます。時代は変わりました。

    この学生さんたちも、卒業してすぐに漢方使うことはありません。今は研修医制度が厳しく、大学や救急病院などをローテーションで回りながらノルマを果たさないと研修を終えられません。その間はほとんど漢方に接することはないと思います。しかし、願わくは学生時代にこういうサークルで勉強した漢方を生かした臨床をしてもらいたものです。西洋医学は言うなれば左手です。右手の漢方が使えると臨床の幅は2倍以上に広がるのです。

    うちの玄関に咲いたクレマチス。もう今年の花は終わりましたがすごく綺麗でした。

  • 人生の最期をプロデュース

    私達訪問診療をしているドクターは人生の最期をプロデュースするのも大事な仕事だと思います。日頃は1日1日を快適に健やかに過ごせるように、訪問するたびに何かしてあげられることはないかと考えます。その一方で、高齢で次第に体力が落ちたり、病気が進行したりすると、治療して治らないような状態になります。そういう時は、治療の方向から緩和の方向へと大きく舵を切って行きます。

    例えば進行した癌が見つかった場合、80歳も過ぎていれば治療をしてもしなくても予後に大差はありません。むしろ手術や抗がん剤の方が命を縮めると思われます。しかしそれだけではありません。だんだん食事が入らなくなって痩せてきたり、貧血が進んで意識も朦朧としてくると、死の恐怖と痛みや苦しみから解放されます。次第に枯れるように静かに亡くなっていきます。それを、貧血があるから輸血するとか、食事が入らないからIVH(中心静脈栄養)をするとか、見かけ上の体力回復を図ると、意識がしっかりしてくるので、はたから見ると元気になってよかったよかった、となりますが、当の本人は病気の痛みや苦しみ、恐怖と戦わなくてはいけなくなります。

    戦前の様子を描いたのドラマなどを見ると、家でお年寄りが亡くなる時は子や孫に囲まれて荘厳な最期を迎えますが、今は点滴や酸素マスクにつながって大変な最期を迎えることが多いものです。昔のように点滴や酸素に繋がれずに家族に囲まれて静かに最期を迎えることのできる訪問診療は素晴らしいと思います。ただ、家族が最後の最後にやっぱり救急車を呼んで救急病院に行きます、と言われることがあるのが現状です。自分ならどのような最期にしたいかをよく考えて身内にもベストな選択をしてほしいと思います。

    当院駐車場にて。

  • 多職種連携会議

    熊本市東区の医療福祉関係の多職種連携の会に参加しました。東区だけでも本当にたくさんの医療介護関係の施設があります。いつも前を通って看板だけは知っているところとかありますが、何をしているのか、そこでどんなサービスが受けられるのか、そのサービスを受けるにはどんな条件があるのか、興味は尽きません。そして、そういった施設の責任者達が一斉に集まって自己紹介をしたり、フリートーク、質問の時間などがあり、とても充実した会になりました。

    例えば訪問看護や訪問リハなどのサービスは、私たちクリニックから指示書という書類を書いて初めて受けることができます。しかし、見たことも聞いたこともない訪問看護ステーションなどから手紙一枚で患者さんの指示書を書いてくれと言われてもそう気軽にかけるものでもありません。そこで、今回のような連携の会でお互いの顔を知り、人となりを理解した上で指示書を書いてほしいと言われれば、こちらの気持ちもだいぶ違います。業務がスムーズに運びます。

    また、例えば高齢の患者さんが老老介護をしていて、夫婦のどちらかが入院となった際に残った配偶者を一時的に預かってくれる施設は誰に相談したらいいかとか、そういう実務的な悩みは毎日つきません。介護福祉系のサービスはあるのですが、仕組みが難しくて私達でも良くわからないことばかりです。そこで、知らないと言っては患者さんに不利益になるので、やはり誰に相談したらいいかだけでも知っていることが大切だと思います。

  • 言葉の力

    言葉には力があります。患者さんと話をするときも、言葉選びにはとても気を使います。話しながら患者さんの反応を見て、こちらの意図したレベルの反応があるかどうかを考えます。例えば「心不全です」と説明するとき、あまりに心配しすぎて調子が悪くなる人がいるかと思えば、実は本当に悪い状態なの全く聞く耳を持たない人もいます。そこで、どのくらい悪いかを説明するときも「ちょっと悪い」とか「かなり進んでいる」とか表現するわけですが、その受け止め方が人それぞれなので難しいのです。大抵は深刻に受け止めがちなので、あまり大げさに言わないように気をつけています。

    私の外来では、もう一つ意識していることがあります。あまり大きな声で患者さんと接しないようにしているのです。通常は医者と患者というロールプレイをしているような話しかたをする人が多いと思いますが、私はそうならないようにしています。できるだけ普通の会話レベルの声のトーンにしています。相手に威圧感を与えないように、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。

    心の悩みを持つ人の場合、悩みを打ち明けるには勇気がいると思います。気分が落ち込んでいる、仕事や家庭がうまくいっていない、などといった話はこちらが元気よく「どうしました?」と聞いても答えにくいと思うのです。

    下江津湖の広木公園。最近は小さなテントを持参してピクニックする人が多いですね。