むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 言葉の力

    言葉には力があります。患者さんと話をするときも、言葉選びにはとても気を使います。話しながら患者さんの反応を見て、こちらの意図したレベルの反応があるかどうかを考えます。例えば「心不全です」と説明するとき、あまりに心配しすぎて調子が悪くなる人がいるかと思えば、実は本当に悪い状態なの全く聞く耳を持たない人もいます。そこで、どのくらい悪いかを説明するときも「ちょっと悪い」とか「かなり進んでいる」とか表現するわけですが、その受け止め方が人それぞれなので難しいのです。大抵は深刻に受け止めがちなので、あまり大げさに言わないように気をつけています。

    私の外来では、もう一つ意識していることがあります。あまり大きな声で患者さんと接しないようにしているのです。通常は医者と患者というロールプレイをしているような話しかたをする人が多いと思いますが、私はそうならないようにしています。できるだけ普通の会話レベルの声のトーンにしています。相手に威圧感を与えないように、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。

    心の悩みを持つ人の場合、悩みを打ち明けるには勇気がいると思います。気分が落ち込んでいる、仕事や家庭がうまくいっていない、などといった話はこちらが元気よく「どうしました?」と聞いても答えにくいと思うのです。

    下江津湖の広木公園。最近は小さなテントを持参してピクニックする人が多いですね。