むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 血糖をあげない食事

    普段私は弁当を持参しています。小さなタッパーの弁当箱に冷食のブロッコリーと唐揚げを3つずつくらい入れてます。出勤前にレンジでチンすればすぐに完成です。タンパク質中心で、炭水化物は入れません。この昼食だと、午後の診療は全く眠くなりません。しかし、今日は昼に美味しいお弁当を頂いたのでそれを食べました。もちろんごはんも入っていました。頂いたものはきちんと食べます。お腹いっぱいになりました。そして、やっぱり眠くなりました。

    ごはんやパン、麺などは血糖が上がりますが、糖尿病でない人はその後急速に血糖が下がります。この血糖の変動が体に負担となります。できるだけ血糖の変動が少ない食事が大切です。同じ1膳のごはんをご飯を食べても血糖の変化は様々です。例えば、まずキャベツをボウル1杯食べてからご飯を食べれば血糖の上がりは抑えられます。ごはんにバターを混ぜてパダーごはんにしても血糖の上がりは抑えられます。舞茸を一緒に食べると血糖は驚くほど抑えられます。また、ごはんも白米でなく玄米だと消化に時間がかかり血糖が上がりません。

    つまり、大事なのはカロリーではなく、食べ方です。そして、食材としては、炭水化物でカロリーを取らず、蛋白と脂質(できればオリーブオイルや魚の油)でカロリーを取りましょう。そうすれば眠くならず、健康的な生活ができます。断食をすると体脂肪が燃えてケトン体が出てきますが、ケトン体は脳でエネルギーとなり、ブドウ糖より頭が冴えます。断食中に物事を悟る人がいますが、そういった効果かもしれません。

  • 知っているのとやってみるのは大きく違う

    私は韓国料理が好きで、しょっちゅう店に食べに行きます。それだけでは飽き足らず、家庭でもチゲなどを作って食べます。一方、最近ではスパイスカレーにもハマっており、楽天でインド料理屋さんからスパイスセットを買いました。スパイスカレーのレシピを本で調べると、チゲとかなり共通しています。そこで、チゲ鍋を半分食べて残りにターメリック、クミン、コリアンダーの3種のスパイスを足してみました。すると、見事な味変です。さっきまで韓国料理と思っていたのが、あっという間に本格的なスープカレーになりました。これは驚きです。初めチゲにじゃがいもなどを使っていれば、もっとカレーになったと思います。

    韓国ドラマを見ていると、よくインスタントラーメンを食べるシーンがあります。韓国料理でラーメンは定番です。日本でも辛ラーメンなどは有名ですね。そのラーメンを作るシーンを見ると、たまにインスタント麺を半分に割って鍋に入れたりしています。日本人はふつう割ったりしません。以前行ったことのある韓国料理屋さんで鍋料理を食べたシメに麺を頼んだら、なんとインスタント麺を席に持ってきてバリバリと割って投入していました。これは初めて見たときはカルチャーショックでした。

    しかし、割ってまずくなるわけでもなく、ちょっと短い麺もありますが、大した問題ではないことに気付かされます。そこまでは知っていたこと。そこで、実践ですが、家にあったインスタントラーメンを半分に割って、半分だけ作って食べてみました。何の問題もない!1食たべると食べすぎなら、ハーフというのはありだとわかりました。簡単にできる食べ過ぎ防止。割ってはいけないという思い込みを捨て、やってみることは大事です。頭であれこれ考える前に行動してみる!これはいろいろな人が成功の秘訣だといいます。

  • 治療よりも予防が大事

    認知症は生活習慣病の一つと考えられます。血圧、コレステロールなどのコントロール、血糖の管理、日頃の食生活、頭を使う生活、手先を動かす生活など総合的なものです。血圧やコレステロールの管理は脳梗塞の予防、脳の虚血(血流低下、酸素不足)を予防するために必須です。糖尿病も血管を悪くするのできちんと治療しないといけません。食生活では、脳のアミロイド蛋白の蓄積が認知症に関わっており、それを悪化させるのが精製した糖分です。脳から除去してくれるものとして知られているのがカレー粉の成分クルクミンです。毎日カレーを食べると脳に良いようです。また、シークワーサー(特に青い時期につんだもの)果汁も良いそうです。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸ですが、糖質を制限しながらココナッツ油をとると血中のケトン体を増やします。ケトン体は脳のエネルギーとして有効なので、頭の回転が良くなるようです。卵の黄身に含まれる卵黄レシチンも頭にいい成分です。このように、食べたほうがいいもの、避けたほうがいいものとありますが、生活習慣として何十年も取り組まないと意味はありません。マイブームのように1−2ヶ月頑張っても効果は一過性です。とにかくいいと言われることを続けることです。

    頭や手を使う習慣も大事です。定年退職して家でボーと過ごすようになってボケてきたという話はよく聞きます。定年したら、趣味に打ち込むことです。手先を細かく動かす作業も頭を使うので、続けたいものです。認知症になってから、慌てて病院に来て、なにか薬をください、と言われても、ほとんど無駄です。認可されている認知症治療薬はありますが、十中八九効きません。何十年もかけて積み重ねた悪い生活習慣をたった一つの薬で治そうというのが甘いです。

    似たようなことが、糖尿病にも言えます。80歳を超えた頃に目がかすむからと眼科に行くと、糖尿が悪いからまずそっちを治してもらえ、と言われる患者さんが多いですが、その年で糖尿病性網膜症を起こしたというのは今始まったことでなく何十年も血糖の高い状態を放っておいた結果です。いまさら血糖管理を厳しくしても網膜症(視力)は戻りません。若いうちからきちんと管理することが大切です。

     

  • 「メガビタミン健康法」発売(藤川先生著)

    藤川理論を勉強している方に朗報です。新刊「メガビタミン健康法」という新刊が出ました。早速購入しました!いま半分読みましたが、内容は今までの「うつけしごはん」とか「すべての不調は自分で治せる」に書いてあったことですが、改めて読んでみるのもいいと思います。基本はタンパク質(プロテイン)、鉄、ビタミンをしっかり取って健康になる(心と体を強くする)メソッドです。読み終わったら、クリニックの待合においておきますので、御覧ください。

    もう一冊いま読みかけているのが、「ハーバード大学医学部で研究してわかった 絶対に失敗しない5つの健康習慣」高橋栄 著です。こちらもとても興味深い内容です。糖質をへらすことの大切さが書いてあります。日本人に限らないと思いますが、米、パン、麺などの炭水化物は中毒性があります。やめられない止まらないです。しかし、タバコや麻薬のような強力な依存ではないので減らすことはさほど難しくはありません。単なる習慣です。当院でも、糖尿病と診断された患者さんに糖質制限のコツを教えて、素直に取り組んでいただけた方は、最小限の薬で効果抜群です。HbA1cが12あった患者さんも2−3ヶ月で7を切るレベルに改善しています。

    クリニックの待合に日経ヘルスという雑誌を並べているのですが、今日手にとって見ていたら、HSP(最近では「繊細さん」と呼ばれている)の記事がありました。いろんなことに繊細で敏感で疲れてしまう人です。気を使いすぎ、音や匂いにも敏感、人見知りなどいろんな特徴があります。最近このような患者さんからの問い合わせもよくあるのですが、あまりに生活に支障をきたすようなら薬を使ってみるのもいいと思います。人一倍繊細な神経を生かした職業(音楽や芸術関係)につくと素晴らしい才能を発揮するので、うまく付き合うことが大切です。

  • 不登校の対応法、親の心得

    モーニングセミナーに参加しました。今回の講師は菊池でカウンセリングルーム「タン♫カルム」を経営されている山口法子さんでした。社会問題となっている不登校の相談を積極的にされているそうです。学校に行こうとすると頭痛や腹痛、めまい、下痢など様々な症状でいけなくなる人が多く、そういう身体症状がある場合心療内科を受診するケースが多いと思います。一方、ゲームなどで夜ふかしをして、朝起きられないようなフクロウ型人間も不登校となります。以前ブログに書きましたが、フクロウ型人間は漢方治療が効くことがあります。久留米大学病院の恵紙先生のフクロウ外来は予約でいっぱいで半年以上の待ちとなっています。

    今回の講演でのポイントをいくつか紹介します。まず、学校に行かない子供の親が必死になってキーキーいうとそれは逆効果です。子供の居場所がなくなってしまいます。学校が昔のように楽しい場所でなくなってしまったのも問題です。当院には、心を病んだ学校の先生が大勢来院されています。先生が病んでいるから生徒も学校が楽しくないのは納得いきます。みんな神経質でピリピリしているのです。そこで、親は、「学校なんていかなくてもいいんだよ、通信制の学校もあるし、フリースクールもあるし、オンラインで勉強して大学受験の資格を取ることもできる」そんなおおらかな気持ちで子供を全面的にささえ、見守ってあげたいものです。

    そして、引きこもりの子供さんのなにか得意なこと、上手なことを褒めてあげることです。しっかり褒めてあげましょう。自己肯定感を上げるのは重要なことです。子供が不登校になると、両親が不仲になるケースが多いそうです。すると子供はますます居場所を失うので、夫婦仲良くしましょう。最後に大事なポイントをあげると、子供の話を否定せずによく聴いてあげること、そして、学校に行けないときは家で休ませてあげること、それが長期にわたるかもしれないという覚悟をもって見守ってあげること。子供に親の理想を押し付けないことが大切です。親が変われば子供も変わる!今日はいい講演を聞かせてもらいました。