むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冷え症には附子(ぶし)

    先日、近所に食パン屋さんがオープンしたので、1本(2斤分)を買ってきました。焼かずに手でちぎって食べたら美味しいという案内だったのでその通りに食べたところ、本当に美味しい。ほんのりと甘いので、何もつける必要がありません。いたまないうちにと思って3日で全部食べたところ、なんと2キロも太ってしまいました。パン以外は通常通りの食事をしているので、原因はパンしか考えられません。医学的には、太った原因はパンのカロリーだけが問題ではありません。パンは小麦の炭水化物ですから食べれば血糖が急上昇します。その上がった血糖を下げるため膵臓からインスリンが出ます。インスリンは血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓の中に取り込み、血糖を下げますが、組織中に取り込んだブドウ糖はエネルギーとして使わなければ脂肪として貯えられるのです。炭水化物、おそろしや。

    毎週末はジムに行って走っています。今日は祝日で、訪問診療は通常通りありましたが、時間に余裕があったので、ジムで汗を流しました。夏が過ぎて、歩いて通勤するように心がけているのですが、荷物が多過ぎたり夕方用があったりで、なかなか徒歩通勤できる日が確保できません。本来なら毎日徒歩通勤すればわざわざジムに行く必要ないくらいの運動になります。言い訳になりますが、夜7時からほとんど毎日のようにWEB講演会があるので、それに参加して勉強するためには歩いて帰っていては間に合わないというのもあります。時間が欲しい!

    雨が上がってだんだん冷えてきました。冷え性には漢方が一番です。西洋薬で冷え症を治そうとしたらビタミン剤くらいしか思いつきませんが、漢方ではいろいろな処方があります。その人の体質に合った冷え性治療薬。胃腸の具合や冷える場所(手足の先か身体全体か、お腹か背中かなど)を聞きながら最適な薬を考えます。附子というトリカブトを解毒処理した生薬が冷えを治すには必要です。何g使うかなども処方する漢方医の経験や勉強がものをいいます。

  • 「いい夫婦の日11/22」と「感謝の日11/23」

    今日は11月22日の語呂合わせで「いい夫婦」の日だそうです。結婚して夫婦が仲良くないのは人生を無駄にしているようなものだと思います。家庭でのストレスは体調も悪くするし、仕事にも悪影響を及ぼします。もちろん子育てにも影響します。もし、夫婦で仲が悪い場合、きっと相手が悪いと思っていることでしょう。しかし、相手の悪いところを変えようと思ってもそう簡単にはできません。実は、自分も悪いのだと考えてみたことはありますか?自分が不機嫌そうな顔をしているから相手も愛想悪くなるし、帰りが遅くなるのです。それがわかれば解決方法はただ一つ、自分がニコニコしていることです。相手は変えられませんが自分は心がけひとつで変えることができます。いつもニコニコしていると、相手の顔もニコニコするものです。人は鏡なのです。

    うちは銀婚を迎えましたが、ほとんど喧嘩をした覚えがありません。いくつになっても相手をリスペクトし、大切にしています。頭ごなしに命令したり、どなったりしたことはありません。これからもいい夫婦でありたいと思っています。話は変わって、私たちの体の中の細胞にはエネルギー工場のミトコンドリアという器官があります。ここで、化学反応してATPというエネルギーを産生します。実は、このミトコンドリアは100%母親から子供へ遺伝します。体を作る設計図の部分は父母半分ずつ遺伝子を受け継ぐのですが、ミトコンドリアだけは母系遺伝なのです。日本をはじめとする家系の仕組みは男性側で引き継がれることが多いのですが、体の中は女性の側で引き継がれているのです。とても不思議な話です。

    明日は11月23日で勤労感謝の日です。どうして勤労感謝の日みたいな名前の日が月曜ではなくきちんと11月23日にこだわっているかというと、古くは新嘗祭(にいなめさい)といって天皇が収穫物を備えて感謝する日だったそうです。神道色を払拭するため今の形になったとのこと。アメリカの感謝祭(サンクスギビングデイ)にもにた感謝する日なのです。アメリカではこのサンクスギビングの翌日がブラックフライデーのバーゲンセールでこの日からがクリスマスシーズン入りとなります。

  • ゆっくり週末をすごしました

    先週末はWEB学会だったので一日パソコンの前で過ごしましたがこの週末は特に予定もなく久しぶりにゆっくりできました。気分がゆっくりだから、珍しく朝寝坊して7時半に起きました(いつもなら日曜でも5時起き)。これだけ寝ると疲れもすっかり取れて体調も抜群です。近所に先日高級食パン屋さんがオープンしたので早速買いに行きました。1本2斤分のサイズのみの販売でしたが、行列ができており飛ぶように売れていました。食べてみたらおいしい!どれだけでも入ってしまう。やばいです。店の案内を見たら実家の近くにあるパン屋さんと同じチェーン店でした。このところ忙しくてNetflixやAmazonPrimeのドラマを見る暇がなかったのですが、今日はゆっくりコーヒーなど飲みながらドラマ三昧でした。

    昼からはイオンモールのスポーツジムで5km走って汗を流しました。イオンモールにも行きましたが、かなり客足も回復しており、賑わっていました。ユニクロで買い物をしましたが、あのセルフレジは本当にすごいですね。どうしてカゴいっぱいの商品の計算が瞬時にできるのでしょうか?話は変わりますが、今月から私の幼馴染の友人が当クリニックの庭の手入れを定期的にしてくれることになりました。私も自分なりに草取りをしたり、コケとりスプレーをしたり、植木の剪定をしたりと頑張ってきましたが、何しろ時間がなくて大変な思いをしていました。そんな中、植木屋さんをしている友人が救世主のように専属で手入れしてくれるというので喜んでお願いした次第です。

    その友人から聞いた話を書いておきます。天皇陛下が皇居で田植えや稲刈りをしているニュースは毎年見ますが、あの稲の品種をご存じですか?コシヒカリでもヒノヒカリでもササニシキでもありません。実は古代米で緑米ともいうそうです。その古代米の新米が宇城の道の駅「宇城彩館」に売ってあったということで、買ってきてくれました。どんな味なのか楽しみです。

    県庁のイチョウは今が見どころですが、この雨で散ってしまいそうです。

  • 太極をとらえることが大事

    夕方仕事が終わり夜空を見上げたら、まさに皆既月食真っ最中でした。辺縁の月光がうっすらと輝いていました。夕食後もう一度見たらほぼ満月に戻っていました。快晴の夜空での天体ショーを楽しめました。中国では月は陰のシンボルです。漢字でも陰を「阴」と書きます。反対はもちろん陽です。陽のシンボルは太陽なので中国語では「阳」とかきます。簡体字は日本人にとって意味不明ですが、このような理屈があれば見てわかると思います。

    先日、東洋医学会がありましたが、九州各大学が一つの症例に対して漢方的な解釈を考え、競い合う討論会がありました。各大学、問題症例が陰なのか陽なのか、虚なのか実なのかという基本的な理解を、いろんな所見から読み取って発表していました。学生さんたちみんな本を読んで勉強しているわけで、実際の臨床経験が乏しいので机上の空論的なディスカッションも見られましたが、大事な陰陽の解釈などはどの大学も間違っておらず、たいしたものだと思いました。

    学生さんたちは症例検討で患者さんの所見や訴えの細かいところを微に入り細に入り検討していました。それは、勉強をする際にはとても大事なことだと思います。しかし、私たちが臨床をする際には逆にじゃま(ノイズ)になると考えます。大筋を大まかにとらえ、患者さんの困っている訴えにポイントを絞って弁証し治療方針を立てなければ、欲張り過ぎたら失敗します。おそらく漢方治療だけでなく何にでも通用することだと思います。

  • 高尿酸血症について

    聞いた話ですが、コロナが落ち着いた今がチャンスと、飲食店は大賑わいみたいです。特に、去年できなかった忘年会を前倒しで今やっている会社も多いとか。確かに12月になったら次の第6波がくるかも知れず、明日のことはわからないので今楽しもうという魂胆です。やはり、リモートではなく実際にみんなでワイワイやって飲んだり食べたりすることができれば幸わせですね。私は昨日は製薬会社の薬品勉強会でした。通常だと自宅でiPadで参加するのですが、今回はハイブリッド形式で、座長の先生からぜひ会場に来てくれと言われ、行ってみました。そろそろみんな街に出てきているかと思ったら、会場にいたのは発表の先生を除けばたった3−4名でした。やはりまだ出足は鈍いようです。

    その勉強会では、尿酸の治療の話題でした。尿酸が高いという指摘は検診でも多いと思います。ほったらかしにしていると痛風と言って足の指の付け根が歩けないほど痛く腫れ上がることがあります。不思議なことに、同じくらい尿酸が高くてもどうもない人と痛風になる人がいます。その理由はよくわかりませんが、炎症は足の使い過ぎ、タバコやストレスなどで活性酸素が発生する場合、そして、ビタミンCやEといった炎症を抑えるビタミンの不足した場合などが関与しているのではないかと思います。また、女性は滅多に痛風にならないので、女性ホルモンも関係していると思われます。

    尿酸の正常値は7以下なのですが、痛風などの症状がなければ8台までは経過観察、9を越えれば尿酸を下げる治療を開始するというのが最近の流れです。高尿酸血症の治療薬には尿酸の合成を抑制する薬と排泄を促進する薬があります。どちらで治療しても良いのですが、試した薬が効果薄の場合、もう一方の薬に変えるとよく効くことがあります。下がりが悪い時当院では両方の薬を少量ずつ組み合わせることもあります。漢方的な発想です。