むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 冷え性とビタミン

    今まで日曜の夜は「鉄腕ダッシュ」と「イッテQ」を見るのが習慣でしたが、最近はぱったり見ることがなくなりました。考えると、TOKIOの山口くんが脱退してから面白くなくなったような気がします。イッテQの方はベッキーを切った頃からからだんだん面白くなくなった気がします。最近は、民放はスポンサーの顔色を伺いながらイメージダウンのない番組作りを優先し、面白くてもリスクが有る場合リスクを取らないという風潮だそうです。思い返すと、昔のTV番組は無茶苦茶やっていました。元気が出るTVとか志村けんの番組など本当にバカバカしくて面白かった思い出があります。こういうバカが許されない時代というのは、とても堅苦しくて味気ない気がします。やんちゃは世の中のスパイスです。

    話は変わって、日曜朝は「元気の時間」という健康番組があります。冷えと温活の話でした。出演していたのは帯山中央病院の渡辺先生でした。渡辺先生は東京にもクリニックを持っているので、最近ではよくTVで見かけます。私は渡辺先生とは古くからの漢方仲間です。冷え性というのは西洋医学ではなかなか治す方法がないと言われています。私はずっとそう信じて漢方で冷え性を治療していました。しかし、最近西洋医学でも治す方法はあると気が付きました。

    熱エネルギーを作るには適度の炭水化物を食べる必要があります。そして、それを代謝するのにビタミンB1、B2,B3,B6、鉄などが必要です。また、末梢の血管を拡張し、循環を良くするためにEPA(エイコサペンタエン酸)、ビタミンC, ビタミンEなどを十分摂取する必要があります。このような治療で冷えはずいぶん改善するのですが、残念ながら保険適応の範囲では治療効果は出ません。保険で認められる量の何倍ものメガビタミン(大量のビタミン)摂取が必要です。

  • 待ち時間対策について

    土曜日は平日来れない患者さんでいっぱいになります。平日より多少待ち時間が長くなることがありますが、ご了承ください。最近は、平日でも100人近い患者さんにご来院いただいているので、それくらいの人数はスムーズに対応できるようにシステムづくりに取り組んでいます。血圧の薬などを定期的にもらうだけという場合、治療がうまく行っているか、副作用がないかなどをすばやくチェックして処方箋をお渡ししています。処方に追加や変更なくいつもの通りの薬でいい場合、クイック診察も行っています。ご希望の方は受付にお伝え下さい。この度、待合室に自動血圧計を導入しましたので、血圧手帳を持参していない場合、できるだけ待合時間中に血圧をお測りください。通常の治療以外に相談事がある場合は、処方がいつもどおりでも時間がかかりますので、クイック診察には該当しません。

    漢方や心療内科も標榜している関係で、なかには非常に長いお話をされる患者さんもおられます。深刻な悩みなので、短時間に切り上げることも出来ません。できるだけしっかりとお話を聞きたいと思っています。そのためにあとの患者さんには待ち時間が増えてしまい、申し訳なく思います。その対策としては、心療内科の新患さんには順番を前後してお待ちいただくことをご了承いただいています。その間に再診の患者さんを優先的に診察しています。

    通常心療内科はどの病院も1ヶ月待ちです。しかし、患者さんにとって見れば、ストレスや不安でいても立ってもいられない、いますぐ見てほしいという人が大勢いらっしゃいます。当院でも、私の時間が取れる限り対応したいと思っていますが、全部が全部対応できるとは限りません。特に、躁うつ病や統合失調症、小中学生の不登校などは心療内科の域を超えていますので、精神科の受診をおすすめしています。

  • ビタミンDの飲み方

    私は先週からじんま疹に苦しんでいて、抗ヒスタミン剤やステロイドまで使ってやっと収束してきました。まだ夜に寝ているとあちこちをかきむしっており、完全には治っていません。そんな折、昨日から突然花粉症を発症しました。診療中も鼻がぐすぐすして辛いです。じんま疹も花粉症もアレルギー反応です。アレルギーというのは花粉などのアレルギーを起こす原因物質に対する体の過剰反応です。

    消化管の粘膜が弱っていると食べ物からのアレルギー物質が体内に入りやすくなります。腸内細菌をいい状態に保つことが大切です。小麦(特に強力粉:パンやパスタに多い)に含まれるグルテンは腸管でアレルギー(炎症)を起こす原因として有名です。肺や腸の粘膜を強化するためにはビタミンAとDが必要です。日頃栄養に気をつけていても、その人の体質によって必要量は10倍以上個人差があると思われます。足りないのなら、サプリを使ってしっかり入れる必要があります。私は、昨日からビタミンDを毎日1万単位飲み始めました。

    ここに、ビタミンDを飲むときの注意点を書いておきます。私の私見ですので今後勉強が進むに連れ意見が変わるかもしれませんのでその点はご容赦ください。まず、ビタミンDは消化管からカルシウムの吸収を促進します。それが骨に行けばいいのですが、血液中に増えたカルシウムの多くは腎臓から捨てられます。その際“腎結石を起こす”ので要注意です。ビタミンDはカルシウム製剤や牛乳などと一緒に取らないことが大切です。また、体内に増えたカルシウムを骨の方に持っていくためにはビタミンK2が必要となります。毎日納豆を食べたらビタミンKは十分補えますが、納豆を食べていない日にビタミンDを飲む場合、必ずビタミンK2を同時に摂取してください。

  • 花粉症の季節が始まりました

    いよいよ花粉症の季節です。毎年悩まされている皆さん、しばらくは大変ですね。耳鼻科の前を通ると駐車場は車でいっぱいです。交通整理のおじさんが立っているところもあります。大混雑だと思います。もちろん花粉症は耳鼻科ですが、当院でも花粉症の治療は行っています。毎年内服薬でなんとかしのいでいるという方は、どうぞご来院ください。耳鼻科ほどは混まないと思います。私は、花粉症ではなかったのですが、今日は昼から鼻水くしゃみがどんどん出てきました。ついに花粉症になってしまったのかもしれません。

    私は20年以上前に大学院時代ラットを使った動物実験でひどいアレルギー性鼻炎になったのですが、当時耳鼻科で調べてもらった杉、ひのきなどの花粉には反応がなく、ラットのアレルギーでした。ネズミのいる動物実験施設に入った途端くしゃみが出はじめ、鼻水も滝のようでした。毎日抗ヒスタミン剤を飲みましたが、埒(らち)が明かないので耳鼻科に行って鼻粘膜を焼いてもらいました。いまならレーザーでしょう。それ以降、すっかり調子よく過ごしていました。

    数年前、山をランニングするトレイルランをやっていたとき、山道を走るのって気持ちい~と思っていたら、くしゃみ鼻水が止まらなくなって、山の木(杉かひのきかわからない)にアレルギーが有るに違いないとは思っていました。今年、熊本の花粉は例年以上と予測されていますので、ついに来たか、というところです。実はビタミンDが花粉症などのアレルギーに効くという情報があるので、自分自身で確かめたいと思います。

     

  • 漢方の次

    世は卒業シーズンです。私の関係する熊本大学医学部の東洋医学研究会というサークルも、今日は追いコンでした。みんな漢方好きで大学の勉強以外に独自に東洋医学を学んだ人たちです。将来が楽しみです。

    贈る言葉を求められましたので、一言挨拶をしたのですが、「漢方の次」の話をしました。西洋医学でどうしようもない難しい症例を漢方で考えれば案外簡単に解決することは日々経験します。私みたいに開業していると、漢方で治せることは大きなメリットです。診断がつかないような難病でも、漢方的な理論で考えれば治療方針は立ちますからなんとか患者さんのためにしてあげられます。ところが、最近、私のところに来る患者さんの多くは当院受診前に他のクリニックでハイレベルの漢方治療を受けています。その治療でうまく治らなかったから来ました、という症例には漢方では打つ手がありません。

    そこで私が次の手として実践しているのが分子栄養学です。症状や採血データから不足している栄養を想定します。大抵の場合、ビタミンA,B,C,D,E,Kと電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄)などです。日頃の食生活の偏りから栄養が不足して病気になっている人が大勢います。現代版栄養失調です。これらの診療では、たいてい保険薬でなく市販のサプリ(例えばDHCのビタミン剤)を使うため、クリニックの経営としては全く利益になりませんが、患者さんのためにそのほうがいいと思えば、どんどん推奨しています。「漢方の次」は「分子栄養学」です。