むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冬に悪化しやすい症状

    冬の寒い時期によく見られる症状がいつくもあります。例えば、高血圧。寒いと一段と上がり、頭痛がしたりします。寒い時期は薬を変えて降圧力の強い薬を処方することもしばしばあります。次に冷え性やしもやけ。これは西洋薬ではほとんど太刀打ちできないため、漢方の独壇場です。いろんな処方がありますが、かなり良くなりますので、諦める必要はありません。次に、頻尿。特に夜間3回以上トイレに起きると睡眠不足で昼間きつい思いをします。漢方では八味地黄丸が有名です。体質改善的に効くので、長期に飲んだ方が効果的です。頻尿は西洋薬でも過活動膀胱の治療薬が効くことが多く、男性の場合、それに前立腺肥大の薬を併用するとさらに効果的です。

    乾燥肌も冬にひどくなります。暖房で空気が乾燥しているのが原因ではないかと思います。市販の保湿剤もいいですが、病院ではヘパリン軟膏(ヒルドイド)をよく使います。しっとりする効果が強いので一度使うと皆さんリピートされます。漢方では、体の内側から皮膚を潤す処方があります。こちらの方が外用剤より根本治療になると思います。また当院前の凌雲堂薬局では漢方入浴剤を作っています。やかんなどで煎じたものをお風呂に入れます。これも、大変評判がいいですよ。実は、私が何十回となく試作してレシピを検討したものです。

    さて、今日もコロナの後遺症の患者さんが来られました。隔離解除になったけど体調がすぐれず、病院を受診していいのかどうか躊躇していた、と言われていました。当院では、コロナの検査(抗原検査やPCR)はやっていませんので、急性期はきちんと検査のできる施設を受診していただきたいのですが、隔離期間が明けても体調がすぐれないような方は、遠慮なく受診してください。咳が長引くとか、食欲がない、頭痛が続くなど対応可能です。ほとんどのケースで漢方を使っています。

  • コロナ後遺症もワクチン後遺症も診ています

    当院では、コロナ感染(COVID-19)後遺症外来をやっています、とブログやほかの媒体にも案内しているところです。毎日、そのような患者さんが来られますが、その患者さんから聞いたところによると、ネット検索でそのような外来をやっている(と検索でヒットする)のは熊本市内では当院だけみたいです。福岡など県外でやっているところは見つかるものの、このご時世ですから県外の人の受診は難しいようです。ついでですが、コロナに感染して後遺症に困っている人だけでなく、ワクチンの後遺症で困っている場合も遠慮なくご相談ください。腕が腫れた、熱が下がらない、倦怠感、頭痛、動悸などなど人それぞれ、さまざまな後遺症でみなさん悩んでいます。たくさん診察してわかるのは、もともと持病(例えば頭痛や心疾患)などがあると、その部分に後遺症が出やすいようです。

    後遺症を何か決まった処方で治せるわけではありません。お一人お一人の症状を聞き、体質を見極めながら処方を考えます。将棋と同じで3の手4の手と先の方まで考え、一番確率高く治せそうな処方を出すのですが、一発でうまくいかなくとも、その先の先まで考えていますので、時間をかけてもなんとか元気になってもらえるよう頑張ります。

    ところで、血圧の薬や糖尿病の薬を拒む人が結構おられます。食事と運動を頑張るのでちょっと薬はまって欲しいと言われます。それで本当に頑張ってうまくいく人は何十人にひとりです。ほとんど口だけなので、あまり期待してません。私のお勧めは、主治医が薬を飲んだ方がいいといえば素直に飲んで、その上で食事や運動を努力して、データが良くなったから薬をそろそろやめましょうと言ってもらえるようにするべきだと思います。それが健康を維持する秘訣です。

  • 捨てる勇気を持つ

    日中暖かい日差しが春を感じますが、空気が冷たいですね。夜、夜空に満月を眺めながら犬の散歩をすると凍えました。ところで、クッキーや煎餅などの頂き物をすると、ブリキのカンカンに入っていることがよくあります。あれって、捨てるか何かに再利用するか、迷いますね。小さな子供がいれば玩具箱にして整理整頓のアイテムとして使えるかもしれません。職場でも、買い置きした文房具などを入れておくのに重宝する場合があります。しかし、使うあてもなくいつか役に立つかもしれないからととっておくと、物置が空き缶だらけになってしまいます。使わないなら捨てないといけません。まだ使えるとか、もったいないと考えると先に進みません。断捨離の勧めです。

    クリニックの待合に和田秀樹さんの書いた「70歳が老化の分かれ道」という本を置きました。私も読みましたが、面白かったです。70過ぎたら血圧やコレステロールはあまり下げないでもいいというのはちょっと言い過ぎな気がしましたが、そのほかはほとんど賛成できました。その本に書いてあるのですが、70過ぎたら、嫌な人との人間関係を我慢せず捨てましょう、と書いてあります。人間関係の断捨離です。確かにそれもありだと思います。会社だと嫌な上司や同僚がいても一緒に仕事しないわけにもいきませんが、年とってから自分とあわない人と我慢して付き合う必要はない気がします。

    そこでキーワードは「捨てる勇気」です。いつか使えるかもと思ってとっておくカンカンも使うあてがなければ捨てる。人間関係も自分が快適に過ごせることを優先して整理する。これこそシニアライフのキーワードではないかと思います。

  • 動悸の患者さんが増えています

    いつも同じ行動を繰り返すと脳への刺激が少なくなり、ボケやすくなると本に書いてありました。確かにそうかもしれません。そういう私も、いつも朝同じ時間に起きて同じ時間に仕事に行き、毎日似たような弁当を食べます。夜も同じようなものばかり食べています。週末、おなじみの店や温泉にばかり行き、あまりそのほかのところに出かけることが少ないように思います。同じ店で同じメニューから選べば間違いないという安心感があるからそうさせるわけです。冒険していつもと違うところに行くと、結局美味しくなくてがっかり、なんてこともあります。しかし、脳にとってはがっかりも刺激なので、新しいことにチャレンジし続けた方がいいようです。我ながら、反省です。

    ところで、今週は動悸を主訴に来院される新患さんが非常に多くなっています。季節的に動悸を起こすのかとも思いましたが、原因はよくわからないです。人によっては、お子さんの受験とか、年明けてから職場の配置換えがあったとか、動悸の背景として納得いくような話もあるのですが、多くの場合、何もないようです。毎日何人も動悸で来院されるので、その背景についてしばらく注意して観察する必要がありそうです。

    動悸といえば、まず不整脈を起こすような心疾患を考えます。心電図や心エコーで異常がないか確かめます。また、採血で甲状腺ホルモンに異常がないかを確かめる場合もあります。しかし、多くの場合、何も異常がないので、その際はストレスや更年期、自律神経失調などが考えられます。そういう場合、漢方を使って治療してみることが多いです。また、心臓神経症という病名があり、神経症のために動悸がする場合、安定剤も効果的なのですが、できるだけ安定剤は避けて治療する方法を考えています。

  • ネット銀行に移行します

    クリニックの銀行取り引きはこれまで全て地元地銀のH銀行を使っていました。土地建物のローンもそこから借りているので、おのずとそうなったわけです。開業当初は個人事業主で取引も個人名義の口座で事業用の通帳を別に作って管理していたのですが、法人となってからはそういうわけにもいかず、法人名義の口座を開設して、現在に至ります。すると、インターネットバンキングが個人用とは異なり、ビジネスネットバンキングという名前の「手数料も高く、使い勝手がとんでもなく悪いもの」しか使えなくなりました。毎月、スタッフへの給与振り込みと各取引業者への支払いを合わせると50件近い振り込みをしないといけません。しかも、スタッフが入職したり退職したり、あるいは新しい取引(振込)先ができたらそれを登録するためにわざわざ銀行まで書類をもらいに行き、それに取引先の口座番号を書いて、自分の住所氏名電話誕生日などの情報をいちいち書いて印鑑も押して、提出しないといけませんでした。なんのためのインターネットバンキングかと、腹立たしくも諦めて従っていました。

    私個人はメインでSBIネット銀行を使っており、ATMで降ろしたり、買い物をして振り込んだりしても手数料は月20回まで無料なので、全く手数料がかかることはなかったのですが、クリニックの場合、手数料だけでも毎月2万円近い!以前、SBIネット銀行で法人口座を作ろうとして調べた時は、会社の登記簿など書類を揃えるのが相当大変で諦めていました。ところが、先日もう一度調べたら、えらく簡単になっていました。印鑑も登録しないでいいし登記簿もいらない。事業内容を作文して、ホームページなど必要な情報をネットで送っただけで完了。1週間で開設できました(祝)。これからはH銀行の大半の預金をSBIに移してしまおうと思います。初期段階で10件の振込は無料で、なんと1ヶ月5000円程度の手数料で済みそうです。嬉しい!コロナ禍で患者さんが減って暇だったのでこんな取り組みができました。

    こう考えると、いまだにネットバンキングするのに振込先を3枚複写の紙に書いて提出させている地銀なんて時期潰れるだろうと思います。あ、それともう一つネット銀行がすごいのは暗証番号も携帯の指紋認証なんです。そして、ATMカードがなくても携帯のアプリがあればコンビニATMでお金を下ろしたりできます。世の中デジタル化がそこまで進んでいるのに、地銀の遅れているのは目も当てられません。

    もう梅が咲き始めています。春ですね〜