むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 2つの糖尿病のタイプ

    血糖が高いのはみなさん心配だと思います。血糖は膵臓から出るインスリンというホルモンで調整されています。糖尿病にはインスリンが枯渇して血糖が上がってしまうタイプと、インスリンがたくさんあるのにその効きが悪くて血糖が上がるタイプがあります。インスリンがたくさん出ているタイプはインスリン抵抗性といいます。一般的には、インスリンの少ない方は痩せ型で、インスリンが多い方は肥満型と言われていますので、見た目でだいたいどちらのタイプかは分かるのですが、それはあくまで確率の問題です。痩せていてもインスリン抵抗性のタイプの場合もあります。

    したがって、血中インスリン量を測ってみるのが一番確実です。当院では全例ではありませんが、新しく糖尿病治療を始める患者さんの場合一度は血中インスリン量を測ったりします。この結果で患者さんに最も適した治療薬を選べるのです。インスリンが足りない場合、インスリンを増やす薬が使われます。インスリン抵抗性の場合、インスリンに対する反応性を改善させる薬剤を使います。

    古い糖尿病治療薬でインスリンを増やすアマリール(グリメピリド)という薬剤がありますが、最近時々経験するのは、この薬を3mgほど使っている患者さんの場合、2ミリ、1ミリ、0.5ミリと減らしていくと血糖が改善することがあります。理屈からすると反対なのですが、これには理由があります。難しいのでかきませんが、もし大量に糖尿病治療薬を飲んでいるのに血糖コントロールが悪い場合、それを減らして改善することがあるのはおどろきです。ただし自己判断で減薬することはしないでください。まずは専門医に相談してみてください。