むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 個性を伸ばす大事さ

    犬の散歩をしていてふと思ったこと。公園は放っておくと草がいっぱい生えてきて大変ですが、きれいに刈り込めば芝生のような緑のグランドみたいになります。一方、学校のグランドは草一本生えていません。しかし、学校でグランドの草取りなんてしません。もちろん運動場の周辺には草が生えるでしょうが、トラックの部分などは全く手入れしなくても草が生えていないのはなぜなんでしょう。草が生えない仕組みがあるに違いありません。

    学校の部活(運動部)を見ると、とても気になることがあります。野球もサッカーも、陸上もコーチがとても厳しい。気合を入れろとか、声を出せとか、あっちもこっちもスパルタです。学校教育の延長としてやっているにしては厳しすぎるのではないかと思います。みんながプロ野球やJリーグ、箱根駅伝を目指しているわけではないと思うのです。もっと、和気あいあいスポーツを楽しめる部活にしてはどうかと思うのです。もしトップアスリートを目指すのなら、そういうクラブチームに入ればいいと思います。

    こういった厳しい部活でのスパルタ教育は悪い形で大人の社会にも影響を残していると思います。人それぞれ得意な分野は違うし、能力も異なるのにそういった個性を伸ばせない。人と同じことを同じパフォーマンスでこなすことを要求される。アメリカでは人種も話す言葉も多種多様なので人と同じであることは全く美徳ではなく、個性を伸ばす事を要求されます。これから日本が少子化で外国人労働者を広く受け入れるようになったときにそういう世界に気づいても手遅れになるかもしれません。早急に考え方を変える必要があると思います。

  • 血圧の管理

    月曜に仕事から帰るとだいたいいつも健康番組があっています。今日は血圧の話です。血圧の薬は今ではかなり進化しており、相当の高血圧でも内服薬で目標の140以下(135以下)にすることができる時代です。このことで、高血圧に合併する脳卒中や心不全などがかなり予防することができるようになりました。昔は薬の種類も少なく、治療困難例もありましたが、最近は殆どの症例がなんとかなります。

    そんな、いい時代にあるのに治療がうまくいかない症例があります。それは、薬をちゃんと飲んでもらえない場合です。いい薬を処方しても、ちゃんとのんでくれなければ下がるはずありません。もう一つは、塩分制限ができない場合です。濃い味がどうしてもやめられない場合、治療困難となります。

    血圧の治療中によく聞かれるのが、一度始めたら一生飲み続けないといけないんでしょう?という質問です。それは、そのとおりでもありますが、例外もあります。運動や食事などの生活改善で薬が要らなくなることはたしかにあります。また、薬の強さにやたらこだわる人がいます。強い薬にしないでほしい、と言われますが、弱い薬で降圧目標を達成できなければなんの意味もありません。血圧の管理で大切なのは薬の強さではなく、血圧の数字とその日内変動が全てです。

  • インスリンの話

    ひときわ寒かった冬も終わり、例年より早く桜が開花しました。暖かくいい天気の日曜でした。洗濯をしたり布団を干したり、家のフローリングのワックスがけをしたり、日ごろできなかったことを一気にしました。昼にはクリニック近くのコンビニで弁当を買い、クリニックの向かいにある公園のベンチで一人花見弁当を食べました。外で食べる弁当はおいしい!ひごろ炭水化物ダイエット(糖質制限)をしているのですが、弁当の半分はご飯です。もったいないので全部食べました。たまに食べるのもいいものです。炭水化物を食べたあとは、体を動かしてカロリーを消費します。血糖が上る前に燃やしてしまえば、食べなかったことになります。大事なのは、血糖を上げないこと、インスリンを上げないことです。

    インスリンは血糖を下げるホルモンですが、血液中の糖分を筋肉などの組織中に取り込ませます。それで糖の利用が進めばいいのですが、余ってしまえば身についてしまいます。つまり体重増加です。糖尿病治療薬はほとんどがインスリンを増やす働きがあるため、血糖は下がるのですが太ってしまいます。これでは治療の意味がありません。もう一つ困るのが、インスリンは成長ホルモンのような働きをします。がん細胞もインスリンで大きく育ってしまいます。糖尿病の人はガンが多いことが知られています。薬によりガンが増えるのかどうかはさだかでないのですが、要注意です。

    以前は膵臓(インスリンを分泌する臓器)を休ませるために早めにインスリン注射を導入して治療する方法が一般的でした。しかし、インスリンでガンが増えるかもしれないという話から最近はインスリン導入をできるだけ遅くするのがトレンドです。かわりにSGLT2阻害剤という画期的な治療薬が出てきて、糖尿病の死亡率を明らかに改善するデータが発表されています。今後の糖尿病治療は大きく変わりそうです。

    クリニック前の公園にて

  • 理想と現実

    仕事のストレスで体調を壊して来院される方が後を絶たちません。皆さん、毎日大変な思いでがんばっています。話を伺っていると、一つの傾向が見えてきます。ストレスの特に多い職場があるのです。それは「看護師(介護士)」「保育士」「学校の先生」などです。いずれも、昔小さい子どもたちが大きくなったらなんになりたい?と聞けばベスト3に入るような職業ばかりです。せっかく頑張って理想の職業になっては見たものの、現実は厳しいものです。

    看護師、保育士、教師という職業は免許が絡んだ職業です。せっかくとった免許がありますから、それ以外の職業はあまり考えないと思います。普通の人なら、ある会社で自分にあわないと思ったら他の会社に移ることは比較的簡単です。しかし、看護師や保育士、教師という職業の人達は「職場」を変わっても「職業」を変えることはめったにありません。自分も免許にとらわれているし、親も自分の子が他の職へ転職することをよく思いません。せっかく頑張って免許を取ったのに、というわけです。

    たまに美容師さんも職場のストレスで来院されますが、他の免許に比べて美容師さんのほうがまだいいような気がします。転職しやすいのと、いざとなったら自分で独立しやすいからではないかと思います。転勤も独立もままならない学校の先生が最も厳しい職業のような気がします。これからの日本は少子高齢化で働き手不足がどんどん進みます。これは、逆に考えると働く人にとっては素晴らしい売り手市場です。免許にとわられず広く視野を持てばどんな仕事だってあります。やる気と体力が全てです。

  • くびのセルフ整体

    一日電子カルテでパソコンを見つめていると、くびの骨に負担がかかります。姿勢は猫背になりやすいし、くびは少し顎が上がった感じで上向きになります。こういう姿勢が長時間続くと、だんだん骨の並びがその姿勢に適した感じになってきます。つまり、猫背でパソコンを見つめる姿勢が一番筋力を使わずに楽な形に変形してくるのです。そうすると、仕事が終わって普段の生活に戻ってもいつもの姿勢の方が楽になっていますから、歩く姿勢やキッチンに立って料理する姿勢は逆にきつくなります。

    こういう状態が続くと肩こりから頭痛になったり、鎮痛剤を使っても治りにくい状態になります。今日私はそんな感じでくびの調子が悪いなーと感じていました。日頃患者さんには鍼治療などをしている身ですからこういう時はなんとか自力で治さないといけません。首の骨を後ろから前へじっくり力を込めて押しました。頭はくびを押す力と反対にうしろへ引きます。そうこうしているうちに、首の骨がコキッとなって、一気に軽くなりました。

    これこそセルフ整体です。整体に行くと首の骨をゴキッと入れられます。これはとても恐怖感があり、苦手ですが、自力でするのであれば怖くありません。ゆっくり力を込めて首の骨を矯正します。一旦うまくいくと、ものすごくくびが軽くなります。肩こり、首コリにはセルフ整体です。