むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 睡眠時無呼吸

    睡眠時無呼吸というのがあります。寝るときに舌根が喉の奥に下がってしまうことでいびきをかくのですが、それと同時に呼吸が浅くなってひどい時は数十秒にわたり息が止まってしまいます。本人は寝ているので自覚症状はないのですが、夜間に何度も低酸素状態となっていることから疲れが取れない、心臓や脳に悪影響を及ぼすなどの問題が指摘されています。

    当院でもこの無呼吸の検査ができます。自宅にセンサーを持ち帰っていただき、寝ている間の呼吸状態や酸素飽和度を記録します。無呼吸の状態があまりにひどい場合、無呼吸を治療する機械(CPAP)を寝るときにつけることで、睡眠が改善します。先日は、院内でこの睡眠時無呼吸の検査とCPAPの安全な使い方についての勉強会をしました。(写真はその時の様子。手にしているのがCPAP)

    そんな中、いつものごとく健康番組を見ていたら、とても興味深い話をしていました。なんと、睡眠時無呼吸の人に大きさが1メートルほどもある抱き枕を抱っこして寝てもらうことで、いびきと無呼吸が驚くほど改善していました。要は、横向きに寝ることで舌根沈下を防ぐという理屈なのですが、楽に横向きに長時間寝られる工夫が抱き枕なのです。これだと、CPAPのような機械に頼らないでいいので非常にメリットが大きいと思いました。

     

  • 炭水化物ダイエット

    糖尿病や癌治療の画期的な方法として炭水化物ダイエットがあります。ダイエットとはいえ、体重を減らすことだけが目的ではなく、健康的な食事のメソッドです。この数年一世を風靡してからというもの、賛否両論ありますが、私はとても大切だと思っています。自分でも、炭水化物の摂取はできるだけ控えています。以前は米を3合炊いて2週間持つくらいのペースで食べていましたが、最近は、外食した際に出てくるものを食べるだけで、家でご飯を炊いたりパンを買ったりすることはほとんどなくなりました。

    炭水化物を取らないと、血糖が上がりません。その結果、血糖を下げるホルモンであるインスリンがあまりでなくて済みます。インスリンが出ないと血糖は下がりませんから、お腹が空いた感じも軽く、仕事中にお腹がぐーぐー鳴ることも減ります。がん細胞は解糖系というエネルギー産生系で生きており、糖が大好きです。糖尿病の人は癌になる確率が1.4から2倍ほど高いと言われています。糖質を制限するとがん細胞は育ちません。つまり、糖質制限が癌治療になるのです。糖質をとると、ブドウ糖ががん細胞の栄養になるばかりでなく、血糖を下げるために分泌されるインスリンががん細胞の成長ホルモンとなり大きく育ててしまいます。したがって、いかに糖質を制限するかがカギとなります。

    ここでいう糖質(炭水化物)とは甘い砂糖だけでなく、炭水化物全般です。ご飯、パン、麺類(うどん、ラーメン、パスタなど)、お菓子、甘味料の入った飲料、全部ダメです。すぐに吸収されて血糖を上げるお菓子、清涼飲料水、甘い果物などが最も悪く、うどんやおかゆのように消化の良いものも注意が必要です。玄米や全粒粉のパンやパスタはゆっくりと血糖が上がるため、比較的良い炭水化物です。また、肉や魚、野菜は食べ放題です。チーズやヨーグルトもいいです。どこまで厳密にするかは体調にもよると思いますが、無理のない範囲で努力すればいいと思います。

    江津湖

  • 鉄欠乏とうつ・パニック障害

    先日の学会で国立菊池病院の木村院長先生とお会いして新しい知見を得ました。驚いたことに、若い女性のうつやパニック障害は鉄欠乏と関連しており、鉄補充を中心とした食事療法で改善するということです。当院でも、若い女性のうつやパニック障害は毎日のように診療しています。ほとんどは抗うつ剤や安定剤などと漢方を組み合わせて治療しています。問題は、治療はうまくいっても、抗うつ剤などをやめるタイミングが難しいのです。

    そんな中で、鉄欠乏かどうかを採血で確認し、しっかり鉄を補充することで抗うつ剤は切ることができるということです。このことを最初に広く提唱したのは広島の藤川徳美先生という方です。興味のある方はアマゾンで検索して見てください。

    https://www.amazon.co.jp/うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった-光文社新書-藤川-徳美/dp/4334039987/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1510235723&sr=8-1

    この話を聞き、早速当院のうつやパニック障害の患者さんの採血データを調べてみると、確かに潜在性鉄欠乏があります。通常私たちが検査する貧血検査ではわからないので、見逃されていたのです。当院でも早速鉄剤の補給を始めました。これらの患者さんたちが抗うつ剤から卒業できる日が近いと確信しています。

  • 漢方はやっぱりすごい

    私の風邪は大体治りました。もともとアレルギー性鼻炎があり、風邪をひくと最後まで鼻水鼻づまりが続きます。今日、たまたま辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)という漢方薬が手に入ったので一つ飲んでみました。この処方は私はかなりたくさん処方しており、鼻炎や副鼻腔炎の特効薬です。こんなに処方しているのに、自分では飲んだことありませんでした。なぜなら、数日前のブログで書いたように、私たち医師は自分で自分に処方することが禁止されているからです。

    飲んでみてびっくりしました。こんなに効くなんて、神がかっている。たった1回飲んだだけで鼻が軽くなります。本当にすごい処方です。こんな処方が約2千年前に完成していて、印刷技術もない時代に木片に書いて記録されているのです。日本はまだ弥生時代です。土器の時代です。2千年前にこれだけ神がかった処方が完成していたということは、それより遡ること2千年くらいの経験と知識の積み重ねがあったと想像するのは難くないですが、そうすると4千年の歴史です。そう、中国4千年とよく言いますね。

    4千年というと、エジプトのピラミッドと同じくらい遡りますから、おそらくその頃の地球の文明はものすごく栄えていたか、宇宙人みたいな人たちがたくさんいたと思われます。その後一旦文明が衰退して、土器の時代になったのかもしれません。漢方を一袋飲んだだけで、頭の中は4千年のかなたへタイムスリップしてしまいました。

  • ランニングシーズン

    涼しくなり、マラソンやトレイルランなどしている人たちはまさにシーズン入りです。週末にはあちこちで大会が始まっています。この時期に成績を残すには、夏の暑い時期にしっかりと走り込んでいないと体が仕上がっていませんからキツイと思います。ただ、熊本城マラソンなどは2月ですから今からしっかり準備すればまだ間に合います。

    シーズン入りしてランニングの距離を伸ばしたり、ペースをアップしたりしてバテてしまうことがあると思います。そういう時は、無理をせず、徐々に体を慣らした方がいいでしょう。インターバル・トレーニング(ゆっくり走ったりスピードアップしたりを繰り返す)もいい練習です。走った後は、体に溜まった乳酸を分解するためにクエン酸のサプリをとることをお勧めします。また、筋肉が疲労で分解されると練習した意味がありませんから、たんぱく質(アミノ酸)の補給も大切です。アミノ酸サプリもありますが、肉や魚、卵などをしっかり食べることが大切でしょう。

    意外と忘れやすいのが鉄分です。貧血があれば当然鉄分の補給が必要です。長距離を走るとかかとで赤血球が潰されて破壊され、貧血になります。また、汗でミネラルやビタミンを失い、貧血になることもあります。ただ、貧血の数値(ヘモグロビン値)が正常範囲でも、フェリチンという貯蔵鉄が十分にないとスタミナが出ません。なぜなら、鉄は血色素(赤血球)以外にもミトコンドリアの電子伝達系でエネルギー産生に関与しているからです。走ってみてスタミナがないとか、疲れやすい場合、一度フェリチンを測定してみることをお勧めします。

    ちょっと暗くてぶれましたが、JR豊肥線の運転席です。