むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鉄欠乏とうつ・パニック障害

    先日の学会で国立菊池病院の木村院長先生とお会いして新しい知見を得ました。驚いたことに、若い女性のうつやパニック障害は鉄欠乏と関連しており、鉄補充を中心とした食事療法で改善するということです。当院でも、若い女性のうつやパニック障害は毎日のように診療しています。ほとんどは抗うつ剤や安定剤などと漢方を組み合わせて治療しています。問題は、治療はうまくいっても、抗うつ剤などをやめるタイミングが難しいのです。

    そんな中で、鉄欠乏かどうかを採血で確認し、しっかり鉄を補充することで抗うつ剤は切ることができるということです。このことを最初に広く提唱したのは広島の藤川徳美先生という方です。興味のある方はアマゾンで検索して見てください。

    https://www.amazon.co.jp/うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった-光文社新書-藤川-徳美/dp/4334039987/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1510235723&sr=8-1

    この話を聞き、早速当院のうつやパニック障害の患者さんの採血データを調べてみると、確かに潜在性鉄欠乏があります。通常私たちが検査する貧血検査ではわからないので、見逃されていたのです。当院でも早速鉄剤の補給を始めました。これらの患者さんたちが抗うつ剤から卒業できる日が近いと確信しています。