むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 炭水化物ダイエット

    糖尿病や癌治療の画期的な方法として炭水化物ダイエットがあります。ダイエットとはいえ、体重を減らすことだけが目的ではなく、健康的な食事のメソッドです。この数年一世を風靡してからというもの、賛否両論ありますが、私はとても大切だと思っています。自分でも、炭水化物の摂取はできるだけ控えています。以前は米を3合炊いて2週間持つくらいのペースで食べていましたが、最近は、外食した際に出てくるものを食べるだけで、家でご飯を炊いたりパンを買ったりすることはほとんどなくなりました。

    炭水化物を取らないと、血糖が上がりません。その結果、血糖を下げるホルモンであるインスリンがあまりでなくて済みます。インスリンが出ないと血糖は下がりませんから、お腹が空いた感じも軽く、仕事中にお腹がぐーぐー鳴ることも減ります。がん細胞は解糖系というエネルギー産生系で生きており、糖が大好きです。糖尿病の人は癌になる確率が1.4から2倍ほど高いと言われています。糖質を制限するとがん細胞は育ちません。つまり、糖質制限が癌治療になるのです。糖質をとると、ブドウ糖ががん細胞の栄養になるばかりでなく、血糖を下げるために分泌されるインスリンががん細胞の成長ホルモンとなり大きく育ててしまいます。したがって、いかに糖質を制限するかがカギとなります。

    ここでいう糖質(炭水化物)とは甘い砂糖だけでなく、炭水化物全般です。ご飯、パン、麺類(うどん、ラーメン、パスタなど)、お菓子、甘味料の入った飲料、全部ダメです。すぐに吸収されて血糖を上げるお菓子、清涼飲料水、甘い果物などが最も悪く、うどんやおかゆのように消化の良いものも注意が必要です。玄米や全粒粉のパンやパスタはゆっくりと血糖が上がるため、比較的良い炭水化物です。また、肉や魚、野菜は食べ放題です。チーズやヨーグルトもいいです。どこまで厳密にするかは体調にもよると思いますが、無理のない範囲で努力すればいいと思います。

    江津湖