むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • インフルエンザの予防には

    昨日に続いてインフルエンザの予防に関する話題です。今年はワクチンが不足しています。当院も今シーズンのワクチンはもう入ってきませんので、予約を打ち切りました。実際にはインフルエンザの予防はワクチン以外にもいろいんな対策ができます。

    例えば、緑茶です。アメリカの栄養学専門誌「ジャーナル オブ ニュートリューション」で発表された情報によれば、1日2杯緑茶を飲むとインフルエンザの発症率が38%、1日3~5杯の緑茶を飲めば同発症率が46%減少するという結果が出ています。http://www.ooigawachaen.co.jp/blog/2014/11/27/147

    おそらく通常のワクチンに比べて劇的な予防効果です。カテキンが効くのだと思います。私は健軍商店街で買った粉末緑茶をかなり濃く作って毎日何倍も飲んでいます。

    他にも、ヨーグルトで感染が減るというデータがありましたが、きちんとした臨床データがなかったのと、食品のヨーグルトに薬効があると宣伝すると薬事法違反になるので、最近下火になってきています。今年はワクチン不足で皆さん予防接種のできるところを探されていますが、基本はバランス良い食事と十分な睡眠、保温、加湿です。ワクチンがないことで落胆せず、まずは体調管理をしっかりしましょう。

  • 抗インフルエンザ薬と検査キット

    タミフルの出現以降、インフルエンザの治療は激変しました。ご存知の通り、熱があればインフルエンザのキットで検査して、陽性なら抗ウイルス薬を投与し、陰性なら通常の風邪薬という感じです。これが理論通りにうまくいけば、インフルエンザによる学級閉鎖などは激減するはずでした。しかし、私が医者になった20数年前と今では、何ら変わっていません。診断も治療も新しくなり、時代は変わった気がするのですが、学級閉鎖など集団発生(流行)は依然として毎年毎年出ています。ワクチンの研究もしているはずですが、インフルエンザの流行が抑えられたという事実はありません。(これが理由で学校での集団接種は中止され、現在の任意接種になりました)

    なぜかということを考えると、みんなが検査キットや治療薬を絶対のものと信じすぎているような気がします。検査キットは感度というものがあり、陽性のものを陽性であると診断できる確率は70−80%です。つまり、本当はインフルエンザなのにインフルエンザでないと誤って診断される確率が20−30%はあるということです。その人たちが、自分は検査したけど陰性だったたという結果のみを信じて学校に行けば、感染源となります。本気で感染拡大を予防するには、検査結果は問わず、症状がある人全てを欠席にすべきです。むしろ検査することが害になっているのです。

    また、抗ウイルス薬は漢方薬の麻黄湯などと効果に差がないことが明らかになっています。抗ウイルス薬を使うとまるでインフルエンザウイルスが排除されたような気になるかもしれませんが、全くそういうわけではありません。データでは、治療しないで経過を見た場合に比べて「たった数時間解熱するのが早い」だけです。欧米ではすでに抗インフルエンザ薬の使用はスタンダードではなくなっています。実際は、20年前と比べて何も進歩していないのに、進歩していると思い込んでいる日本人だけが世界中でも非常に特殊な状況に置かれているという事実を学んでほしいと思います。

    *ただ、当院でも熱があればインフルエンザの検査をするし、抗ウイルス薬の投与をしています。なぜなら、社会全体(学校や職場)がそれを求めているからです。

    クリニックの駐車場でみた朝日

  • 冷えの予防には首を温める

    寒い日が続きます。私は、ついにマフラーを出して来ました。自転車通勤なので、やたら寒いのですが、自分的には車で通院するより暖かいのです。車に乗ると、暖房が効き始めるのに10分くらいかかります。その10分で職場に着いてしまうので、車通勤はずっと寒いのです。自転車だと、体が温まるまで乗って3分もかかりません。10分もすると汗ばんで来ます。最初の5分か10分だけマフラーをしてぬくぬくとしていると、快適そのものです。

    体が冷えやすい部分は首が一番ですから、体を冷やさないためにはマフラーは効果的です。他にも、足首、手首という首があります。足首はちゃんとしたソックスを履けば温まります。最近はオシャレのためか、ショートのソックスで靴の中の部分だけのものがあり、まるで靴下を履いていないように見えるものがあります。あれでは、足が冷えます。手首を温めるには長袖です。私は白衣のコートの下には半袖白衣を着ているので、結構薄着です。たまにヒートテックの長袖を白衣の下に来てみると、本当にあったかいです。

    自転車で通勤していると、中学・高校生は薄着で驚きます。制服のままコートも着ず、手袋もせず自転車通学している姿をよく見かけます。インフルエンザが出て大騒ぎする学校が、きちんと保温という風邪予防の基本を指導していないのが不思議です。制服の上にダウンのコートなどを着るのは校則違反なのでしょうか?そんなこと、あるかもしれないのが学校の不思議です。体を冷やすと免疫が落ちますから、きちんと暖かい格好をさせるのがいちばんの風邪予防だと思います。

    三ノ宮神社の神殿裏にある樹齢400年のクスノキです。しばらく幹を触っていると、ズンズンと気のパワーが体にみなぎってきます。

  • 旅行に漢方を持って行くなら

    以前日本東洋医学会でアンケート調査がありました。「漢方専門医に聞きました。旅行に漢方を持って行くなら、何を?」というものです。そうです。私たち漢方の専門家は旅行に行くときも漢方薬を持って行きます。海外に行く時などは、あらゆる場面を想定しながら漢方薬を準備します。普通の人なら、鎮痛剤、胃薬、下痢止め、という感じで買い揃えられるでしょう。まさか漢方が旅行中の急病に対応できるなんて、と思うかもしれません。しかし、私たちはほとんどの急性疾患に漢方で対応します。

    今の季節、風邪や胃腸炎が多いですから、そういったものに対してだけでも常備しておくといいかもしれません。通常の風邪なら葛根湯ですが、私の場合は麻黄附子細辛湯です。インフルエンザなら麻黄湯もいいと思います。一方胃腸炎では黄連解毒湯や半夏瀉心湯が便利です。ムカムカしたり、お腹の調子がおかしいと思ったらすぐに1包飲みます。ほとんどの場合それだけで治ります。腹痛の場合は芍薬甘草湯です。

    次に旅行中にあるのは筋肉痛です。わたしは歩きすぎた時などの筋肉痛は指圧で治しますから薬はいりません。転んだり捻挫したりしていたいときは治打撲一方がよく効きます。あとは二日酔いに五苓散です。このように、いろんな場面を想定して漢方を揃えて行くと、旅行でもバックは漢方でいっぱいになります。私の元同僚の漢方友達は、歩く薬箱みたいでした。

  • 勉強の喜び

    年に数回ですが、糖尿病や高血圧、高脂血症などを専門とする開業医の勉強会に参加しており、今回で20回目となりました。みんな、診療の忙しい中、いろいろ勉強したりデータをとって研究したりしてお互いにデータを持ち寄って発表しています。今回の発表は、食事中に糖質オフのビールを飲むと血糖は上がるのかという研究でした。発表したドクターご自身が被験者になって実験したデータでした。ほか弁の幕の内弁当を食べて、その前後で30分ごとに5回採血したそうです。弁当だけ食べた時、弁当に糖質ゼロのビールを一緒に飲んだ時、そして、血糖の上昇を抑える糖尿病治療薬を飲んで弁当を食べた時の数パタンでなんどもデータを取ったものです。自分を採血して、大変な研究です。

    結果、糖質オフでも、ビールを飲むと飲まなかった時より血糖が上がったそうです。その血糖の上昇は糖尿病治療薬を飲めば下がるのですが、ベイスンという糖の吸収を抑える薬が最も優れており、それ以外の治療薬はあまり効果がなかったとのことでした。

    糖尿病の治療はヘモグロビンA1cをいかに下げるかにばかり気を取られますが、どの薬を使って下げたかで将来の合併症などの予後が違ってくることがわかってきています。つまり、下げればいいという話でなく、いかにして下げるかが大事なのです。こんな不思議な事実は、勉強し続けないとわかりません。時代はどんどん進んでいるのです。