むらかみ内科クリニック

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  • 旅行に漢方を持って行くなら

    以前日本東洋医学会でアンケート調査がありました。「漢方専門医に聞きました。旅行に漢方を持って行くなら、何を?」というものです。そうです。私たち漢方の専門家は旅行に行くときも漢方薬を持って行きます。海外に行く時などは、あらゆる場面を想定しながら漢方薬を準備します。普通の人なら、鎮痛剤、胃薬、下痢止め、という感じで買い揃えられるでしょう。まさか漢方が旅行中の急病に対応できるなんて、と思うかもしれません。しかし、私たちはほとんどの急性疾患に漢方で対応します。

    今の季節、風邪や胃腸炎が多いですから、そういったものに対してだけでも常備しておくといいかもしれません。通常の風邪なら葛根湯ですが、私の場合は麻黄附子細辛湯です。インフルエンザなら麻黄湯もいいと思います。一方胃腸炎では黄連解毒湯や半夏瀉心湯が便利です。ムカムカしたり、お腹の調子がおかしいと思ったらすぐに1包飲みます。ほとんどの場合それだけで治ります。腹痛の場合は芍薬甘草湯です。

    次に旅行中にあるのは筋肉痛です。わたしは歩きすぎた時などの筋肉痛は指圧で治しますから薬はいりません。転んだり捻挫したりしていたいときは治打撲一方がよく効きます。あとは二日酔いに五苓散です。このように、いろんな場面を想定して漢方を揃えて行くと、旅行でもバックは漢方でいっぱいになります。私の元同僚の漢方友達は、歩く薬箱みたいでした。