むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 勉強の喜び

    年に数回ですが、糖尿病や高血圧、高脂血症などを専門とする開業医の勉強会に参加しており、今回で20回目となりました。みんな、診療の忙しい中、いろいろ勉強したりデータをとって研究したりしてお互いにデータを持ち寄って発表しています。今回の発表は、食事中に糖質オフのビールを飲むと血糖は上がるのかという研究でした。発表したドクターご自身が被験者になって実験したデータでした。ほか弁の幕の内弁当を食べて、その前後で30分ごとに5回採血したそうです。弁当だけ食べた時、弁当に糖質ゼロのビールを一緒に飲んだ時、そして、血糖の上昇を抑える糖尿病治療薬を飲んで弁当を食べた時の数パタンでなんどもデータを取ったものです。自分を採血して、大変な研究です。

    結果、糖質オフでも、ビールを飲むと飲まなかった時より血糖が上がったそうです。その血糖の上昇は糖尿病治療薬を飲めば下がるのですが、ベイスンという糖の吸収を抑える薬が最も優れており、それ以外の治療薬はあまり効果がなかったとのことでした。

    糖尿病の治療はヘモグロビンA1cをいかに下げるかにばかり気を取られますが、どの薬を使って下げたかで将来の合併症などの予後が違ってくることがわかってきています。つまり、下げればいいという話でなく、いかにして下げるかが大事なのです。こんな不思議な事実は、勉強し続けないとわかりません。時代はどんどん進んでいるのです。