むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • みねばりの櫛のパワー

    漢方を専門にしていると、患者さんの「気」を意識します。気が多いか少ないか、気がきちんと流れているか、というのを見極めながら処方を決めるのです。気の流れといえば、気功は中国では東洋医学の一分野として普通に扱われています。太極拳も気の流れを意識した運動です。熊本東方医学研修会という勉強会があり、去年から私が主催して漢方の勉強会をやっていますが、私がひきつぐ前は気功でもヨガでも患者さんの役に立つならなんでも勉強しようという会でした。

    そのつながりで、気功の達人の坂本先生という方と出会い、その方が亡くなる最後の数年主治医をさせていただいた関係ででいろいろ教えていただきました。その坂本先生の妹さん(木村先生)も気功の達人で福岡に在住でしたが、実は、その木村先生も最近なくなったと聞き、とても残念です。坂本先生は水道町で気功の体操教室を長年されており、門下生もたくさんおられます。そのうちの一人は時々私に会いにきてくれるのですが、坂本先生から受け継いだ気功体操をボランディアで教えておられて、うれしい限りです。私は漢方薬で気を動かしますが、当然体操や気功で動かすこともできます。うまく行けばそれで人は元気になるし、痛みもとれます。

    私も気功体操はちょっと習ったのですが、人に教えたりして見せるほどの技術はありません。その坂本先生の形見で頂いたのが木曽のみねばりというツゲのような硬い木でできた櫛です。坂本先生は、これで髪の毛を整えてもいいのだけれども、痛いところをこの櫛で軽くこするとすごいパワーがあるよ、といわれていました。たしかにその天然木で作った櫛のパワーはすごいと感じた私は、台湾の夜市で見つけたくすの木の櫛とか楽天でみつけた木曽のみねばりの櫛なども手に入れてパワー比べをしてみたのですが、坂本先生の形見の櫛が一番でした。先生は、旅行中にふと手に取ったらあまりのパワーに驚いていくつか買ってきたと言われていたので、どれでもいいわけではないのでしょう。

    今日は木村先生の訃報を聞いて、不思議な思い出話を書きました。