むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • マスコミ病名あれこれ

    天気予報通り午後からは大雨になりました。湿度が高く体調が悪くなりやすい天気です。このような気圧や湿度の変化で体調を壊すのを気象病と呼んだりします。めまい、頭痛などが多く、発汗、倦怠感などの自律神経失調みたいな症状も出てきます。私は漢方をよく使いますが、代表的な処方は五苓散と苓桂朮甘湯です。どちらもこのような気象病によく効くのですが、どちらがあっているかはその患者さんごとに異なります。気象病という呼び方は医学用語ではなく、マスコミ病名だと思います。

    他にも、マスコミ病名で最近良く耳にするのが、夫源病です。「ふげんびょう」と読むのだと思います。コロナ禍で夫が家にいると、あれこれ小言を奥さんに言う。まるで姑みたいですが、仕事に出てくれれば奥さんは自分のペースで仕事や家事をできるのですが、一日中夫につきあわされることでイライラしたりしてストレス性の体調不良を呈するものです。私は、このような患者さんには抑肝散加陳皮半夏を処方しています。ストレスが軽くなり、体調不良も軽減することが多いです。ただ、漢方では力不足の場合もあるので、そういうときは西洋薬も併用します。

    ついでにもう一つマスコミ病名に「新型うつ」というのがあります。職場では気分が沈む、やる気がでない、ご飯が入らない、朝起きられない、などうつの症状がいろいろあるのですが、週末や夏休み等で仕事がないと旅行に行ったり友達と会食したりして楽しく過ごせる。こういったのを新型のうつと呼んだりしますが、医学的にはうつではありません。したがって、治療も鬱の薬が効きにくく、カウンセリングや職場環境の調整などが必要です。

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