むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 気分を安定させるサプリ

    わたしは、診察中に栄養の話を良くします。糖尿病や高血圧の食事療法はもちろんですが、職場のストレスで気分が落ちたとか、運転していたら急に不安に襲われて息苦しくなった、みたいな患者さんにも、どのような食事やサプリメントを取ったらいいかというお話をします。あたりまえですが、食事は体を作る材料で、気分をつかさどる脳も食べた栄養から代謝してできた神経伝達物質を介していろいろ思考したりします。栄養がないと何も進みません。薬を飲むと強制的にからだは反応するように出来ていますが、それはその時だけなので、薬が切れるとまた元に戻ってしまいます。そこで、栄養療法を併用すると、薬が切れてもいい状態を維持できると期待できるのです。

    最近良く聞かれるのは、気分を上げる、あるいは気分を安定させるサプリを教えてほしいというもの。診察中にはこういう物をとったりいですよとお話するのですが、聞き慣れない言葉(サプリの名前)もあると思います。メモすれば大丈夫でしょうが、ただでさえ不安や緊張で頭が回っていないときに診察室で言われたサプリの成分名など診察室を出た瞬間忘れているのではないかと思います。そこで、私が患者さんにいつも話している内容を書いておきます。

    まず、気分を安定させる脳内の物質はセロトニンといいます。不安を和らげ、幸せをもたらしてくれるホルモンです。セロトニンのサプリはなく、セロトニンの材料のトリプトファンというアミノ酸(サプリ)があります。卵や肉魚にたくさん含まれています。トリプトファンをセロトニンに変換するときに、ビタミンB6,ナイアシン(ビタミンB3)、亜鉛、鉄などを必要とします。セロトニンが増えてくると、その代謝物であるメラトニンが増えてきます。メラトニンは睡眠物質なので眠りが良くなります。iHerb.comというビタミン通販サイトで「トリプトファン」や「ビタミンB50」「ナイアシンアミド」という商品を検索してみてください。

    雨上がりの江津湖水源

  • ワクチン予約第5期開始です。お早めに!

    未明からの激しい雷雨で目が覚めましたが、梅雨といえば、このくらいの大雨が降って当然です。今までがあまりに少雨だったので、逆に心配していました。日中もかなり降ったので、往診の際は大変、と思ったら、昼過ぎには小ぶりになり午後はやんでくれました。良かったです。おかげで午後の診療はノンストップの忙しさでした。待ち時間が少々長くなり、すいませんでした。コロナワクチンは今週から年齢制限が外れてすべての方が対象となっています。本日(7月10日)からコロナワクチンの第5期予約受付が始まります。ご希望の方はこの週末に手続をしてください。あっという間に予約枠は全部埋まってしまいます。https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/Detail.aspx?c_id=5&id=35808

    ニュースによると、今回の予約まではワクチンがあるようですが、その後の入荷は未定だそうです。そこで、今後の予約は日本各地で一時中止や延期となっているようです。熊本市にも来るか来ないかわからないみたいなので、基礎疾患がある方は早めに申し込んでください。逆に、若くて体力がある人はお年寄りに譲ってあげていいのではないかと思います。

    うちの自宅は熊本地震で屋根が壊れて雨漏りしていました。すぐ大工さんに直してもらったのですが、最初の工事では治らず、もう一度みてもらって、やっと雨漏りしないようになりました。それから5回目の梅雨ですが、昨夜みたいな大雨が降るたびにまた雨漏りしていないか、と気がきではありません。そして、雨漏りしていないのを確かめると「大工さんありがとう、ちゃんと治っています」と心のなかでお礼を言います。雨漏りしないというのは、家の中がカビないということで、健康を保つ上でとても大切なことです。

  • 考えてばかりでなく、まず動こう

    何かにつけ、自分が悪かった、あそこであんなふうにしなければ良かった、と反省ばかりする人がいます。反省しすぎて自己嫌悪に陥り、自分はだめだとなり、仕事に行くのも怖くなる。仕事に行く前から失敗したらどうしようとか、前にやっちゃった失敗を思い出して仕事に行けない。上司や同僚が話していると、それが自分のことを言っている気がして、不安、緊張、落ち込みなどひどくなる。こういう人が結構います。反省するのがその人の個性だとすれば、それは、成長する人だと考えたらいいでしょう。

    しかし、些細なこともあれこれ考えすぎて物事が先に進まなかったり、勇気がなくて進められなくなっては、反省した意味がありません。PDCAと言って、P(プラン、計画)、D(Do:実行)、C(チェック)A(Act:改善)をぐるぐる回す方法があります。CとAばかりやって実行(D)が伴わないのはだめです。最近はじっくりPDCAをやっていては時代に追いつかないのでPを省略してとにかくD(なにはともあれまず直感でうごく)を最初に持ってくる方法があります。

    最近は研究でもだいぶ様変わりしてきました。昔はまず自分なりに仮説を立てて、それを証明する実験をして、検証する、結果を見て仮説が正しかったかどうか判断する、という流れでした。今は、仮説など必要なく、膨大なデータ(ビッグデータ)を人工知能にドンと入れてやると、答えが出るのです。反省ばかりして実行しない人、計画は建てるけど実行が伴わない人、何も恐れず、直感で動きましょう。反省や計画は後です。これがAI時代の働き方です。なお、ここでいう<直感>とは、病院で言えば「患者さんやその家族の健康と幸せにつながるかどうか」ということです。これは、当院の経営理念その1です。

  • 新薬のメリット

    仕事が終わり、今日も急いで帰宅してWEB講演会に参加しました。なんと3つ同時に開催されるので、うちにあるiPadやChrome bookをならべてそれぞれのパスワードなどを入力して講演会にアクセス。一つはグーフィスという新規便秘治療薬の話。便秘薬などは酸化マグネシウムとかセンノシドのような昔からある下剤を上手にい使えばほとんど困らないし、私の場合、漢方も使います。漢方では軽い下剤からかなり強いものまでピンきりです。そんな中、新規の便秘薬の出番があるのだろうかと思っていましたが、今日の講演を聞いて、たしかに従来の薬の副作用などが改善されており、使う価値があるとわかりました。

    次に、糖尿病の講演会。メトホルミンという相当昔からある治療薬の効果ですが、この薬は古くて新しい。作用機序が謎の点も多いのですが、素晴らしいメリットが沢山あります。私もよく処方しています。糖尿病を早期発見して、少しでも早くから治療介入したほうが予後が良いというお話でした。よく、患者さんからしてみると、糖尿の薬なんか、飲みだしたら一生飲まないといけないから、まだ飲みたくない。食事を気をつけますから、来月まで待ってください、とかよく言われます。しかし、食事や運動などの生活習慣を改善するのは当然として、メトホルミンを少しでも早く始めたほうがずっと将来のためになります。糖尿だけでなく、ガンの抑制作用とかアンチエイジング(老化防止)作用なども知られており、糖尿病でない人もネットで買って飲んだりする程です。

    3つ目の講演会は、パルモディアという脂質異常の治療薬の講演会でした。演者の先生のこの薬に対するラブがひしひしと伝わってきました。この薬を使うとこんなにいいことがあるという実例をたくさん示されました。パルモディアという薬は新しい薬で、従来からあるベザトール(ベザフィブラート)はすでにジェネリックがあるので、値段が随分違うのですが、その差額を払ってもまだ余りあるメリット。私は今まで安いベザフィブラートばかりを処方していましたが、やはり新薬の効果、メリットを知ってしまったからには、高中性脂肪血症や脂肪肝、アルコール性肝障害などに悩む患者さんのためにはパルモディアを使ってあげるべきと思いました。

     

  • マスクが暑くて苦しいです

    暑い毎日ですね。マスクをしていると息がこもって苦しいです。仕事柄、一日マスクをして話をしていると酸欠とこもった熱で頭がボーとしてきます。合間合間にマスクを取って体を冷やします。まるで空冷エンジンみたいです。また、私の場合耳が痛くなります。耳にかけるヒモの長さを調節できる物がありますが、ゆるくしすぎると、鼻が出てしまうのでそれではいけません。また、手でマスクを触って鼻が出ないように引っ張って調整したりすると、手についたウイルスが鼻につくリスクになるので、極力手でマスクに触れないように気をつける必要があります。そこで、あまりゆるゆるの状態には出来ず、耳が痛いのも我慢するしかありません。もしかしたら、耳にかける紐の部分がもっと太くて柔らかいとくい込まないで快適かもしれません。裁縫が得意な方、ぜひそんな快適なマスクを開発してください。

    初診の患者さんには問診票を書いていただきますが、「今日はどうしましたか」という問いに「息苦しい」と答える患者さんが毎日数名おられます。息苦しい、というキーワードはいくつもの病態を考える必要があります。例えば、喘息。あるいは心不全や狭心症、あるいは神経症(ストレス性)、などなど。内科医は自分の専門分野をすぐに考えがちですから、呼吸器のドクターは喘息など肺疾患かどうかに全力を傾けます。循環器のドクターなら心疾患ですし、心療内科医なら神経症を真っ先に考えます。しかし、想定した疾患でなかった場合、いっきに興味を失い、異常ないから他でみてもらように、と投げやりになってしまいがちです。

    当院のように、漢方や心療内科もやっている内科クリニックというのはありとあらゆる患者さんが、最後にたどり着く病院でもあります。いろいろ検査したけど治らなかった、と言って来られます。クリニックの収益はとにかくたくさん検査すればするほど儲かります。当院のように、他院で全部検査したけど治らなかったと言って相談に来られると、これ以上する検査もないので、話を聞いて漢方薬や安定剤を処方するだけです。治療がうまくいっても、検査が少ないので、全く儲けになりません。薄利多売(ぼやき)です。