むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 学習しない犬

    朝からうちの犬が吐いていました。時々こんなことがあるので特に驚きません。原因はわかっています。昨日の夜に散歩した時、草むらから何やらパクッとくわえてきて、バリバリ食べていました。それがなんだったか、さっぱりわかりませんが、きっと食べられないものだったのでしょう。朝から何かわからない砕けた吐物が出てきたので、捨てました。そんなことを何度繰り返しても、犬というのは何も学習しません。次に道端に何かごみが落ちていたら、またそれを食べようとします。お腹の調子が悪くなったことと、その前の日に変なものを食べたことの因果関係がわからないから、仕方ありません。

    一方、人間はというと、有る事無い事関連づけて心配します。昨日寒かったのに外出したから風邪ひいたとか、昨日外食したから血圧が上がったとか、色々あります。確かに寒い日に外出して風邪をひくことはありますが、直接的な因果関係は不明です。しかし、人はこのように因果関係をいろいろ類推することができる動物ですし、その類推の中に科学的根拠があればその類推は正しいことになります。

    しかし、その考える力を発揮しすぎて、思い悩んだあげく病気になる人がいます。考えすぎです。しかもその思考過程は過剰な反応のことが多く、正しいとは限りません。鬱や不安障害などはそんな考えすぎが影響しているようです。考えすぎて病気になっては仕方ありません。考えすぎないようにしましょう。なるようにしかならないという気持ちが大切ではないでしょうか。

     

  • 新人研修

    私の往診先の老人ホームでは、新人研修が始まっています。看護職、介護職、事務職などいろいろあると思いますが、新人研修では専門は関係なしにみんなでいろんな部署を体験します。掃除や厨房も体験します。研修しているうちに同期のみんなのつながりができて、助け合いの精神やコミニュケーションの大切さを学びます。

    また、自分の専門と関係ない職種も体験することで相手の立場になって考えることができるようになります。看護師が、介護士にどういう風に仕事を頼めばいいかとか、事務職が看護職のどこに無駄や非効率的な働き方があるのかとか、体験を通して知ることができます。こういった体験は、その後の専門職に進む時に本当に役にたつと思います。

    当院は職員数も10人足らずでみんなコミニュケーションもよく問題ないと思うのですが、お互いの職種をできる範囲でカバーできればと思っています。例えば。看護師さんも受付の手伝いができたり、受付も問診をとったり電子カルテの入力を手伝ったりという具合です。

    専門職は国家資格でもあり、仕事の範囲には規制がありますが、できる範囲でお互いをカバーできれば仕事はもっとやりやすくなるし、効率的になると思います。

  • 学校心臓検診

    私は熊本市医師会の学校心臓検診の班員をしています。熊本市内にあるたくさんの小中高校の新学期には健康診断があります。小学1、4年生と中1、高1で心電図の検査があります。実は、この何千枚という数の心電図を私たち心臓検診班でチェックしています。一次判定でひっかけた心電図は二次判定にまわり、そこでもう一度専門的な目で判定します。二次判定でも精密検査が必要と判定した場合、生徒さんには医師会ヘルスケアセンターに来院していただき、心臓超音波や運動負荷心電図を行い、問題ないかを調べます。

    こういう検診をするのは、生まれながらの心臓病が小学校に入るくらいまではっきりせず育ってきた場合、何も知らずに体育の授業、特に水泳などをして事故が起こらないようにするのが目的です。毎年検診で数百人が精密検査となりますが、実際にその何パーセントかに先天性の心臓病が見つかっています。早めに手術をしたり、体育の授業の参加を制限することで事故を未然に防ぐことができるのです。

    心電図を大量に見たり、検診で重大な疾患を見逃さないようにするのはとても神経を使いますが、大事な仕事なので毎年一生懸命に頑張っています。今日は、年度も新しくなり、新入生の検診の日程などの打ち合わせがありました。もうすぐ始まります。

  • 自分から動こう

    会社の入社式も終わり、いよいよ仕事が始まったというフレッシュマンの皆さん、ワクワクしていますか。最近は、大学でも会社でも新人研修というのがあり、ガイダンス、オリエンテーションなどなど言葉はありますが、一人前の社員になるために必要なスキルをプログラムに従って教えこむところが多いと思います。

    昔はそんなものはあまり確立していませんでした。先輩について見よう見まねで仕事を覚える、そんな世界でした。医者の世界もそうなんです。私が大学を卒業した頃は、マンツーマンで指導医の先生(たいていは1つか2つ上の先輩)に朝から晩までくっついて回って、採血のやり方から患者さんに病状説明をする方法、倫理や哲学的な考え方までなんでも教えてもらったのですが、決まったプログラムはありませんでした。そこで、自分からこういう勉強をしてこんな医者になりたいという目標を持っていろんな先輩に教えを請いに行きました。一方今は卒後教育プログラムが決まっていてあれこれチェックリストに従ってスキルをクリアするシステムになっています。積極的に動ける部分が少なく、どうしても受け身になってしまいます。医者も会社員も、受け身で働いていると、ブラックな会社だ、と言い出しますが、自分から動いているとどんな残業も自分で必要と思って動いた結果なので、不満はありません。どうせ働くなら積極的に自分から動いた方が心の健康にもいいと思います。

    桜十字病院の庭です。往診に行ったらあまりに綺麗で車から降りて写真を撮りました。

  • むずかしい症例がいっぱい

    心療内科をしているためか、漢方を専門にしているためか、毎日毎日難しい症例がたくさんきます。教科書的に考えてどうやったら治せるのか全くわからないようなものばかりです。

    たいていの患者さんはいろんな病院で検査をして薬ももらったけど治らなかったと言って来院されます。さあ、どうしようという感じです。当然、今までの経過や検査結果、治療の内容などいろいろ聞かないと話は進みません。例えば、体調が悪いと一言に行っても、インフルエンザで体調が悪い人もいれば、職場で上司に怒られて体調を悪くする人もいます。こちらも、いろんな可能性を考えて話を聞きます。患者さんが話しやすいように、あまり時間に追われたようにバタバタしたところは見せず、ゆっくりと構えます。

    そういう中、半年以上困っていた副鼻腔炎が漢方2週間ですっかり調子良くなりましたとか、2週間以上頭痛と倦怠感がひどかったのに漢方を二日ほど飲んだら全く鎮痛剤がいらなくなりましたとか、嬉しい話がたくさんあります。

    ちょうど1週間前にひどい心不全で来院された女性の患者さんがいたのですが、入院を勧めたらご主人が要介護度が高く自分が入院するわけにはいかないと拒否されました。仕方なく考えうるベストの内容で内服治療したら、今日はニコニコ元気に来院されました。笑顔を見てホッとしました。