むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • フクロウ体質を治す

    宣伝していないのに最近良く来院されるのが起立性調節障害の患者さん。ほとんど中高生で、朝起きれないというもの。血圧を測ってみると100を切っている人がほとんどです。朝、お母さんがどんなに怒鳴っても起きてこない。その結果、学校に遅刻したり昼から登校というパタンです。これは、本人が怠けているからではなく、本当に体が動かないのです。従って怒っても治りません。

    漢方の世界では、フクロウ体質といい、夜ふかしで朝起きられない生活リズムです。夜、勉強していたり、携帯でいつまでもゲームやYouTubeをやめられず1時2時まで起きているという睡眠障害もいます。まずは、睡眠薬を使ってもいいので夜早く眠れる習慣をつけることが大切です。実は、フクロウ体質を治す漢方治療があり、久留米大学の漢方外来ではフクロウ外来という専門外来があり、何ヶ月待ちの状態です。その担当教授と飲んだことがあるのですが、熊本からも久留米まで患者が来るけど、熊本の患者さんは熊本で見てください、と頼まれました。

    熊本でフクロウ専門外来なんてありません。漢方外来をやっているところも数えるほどしかありません。その中でもフクロウ体質の治療をしますというところは当院ぐらいしかないようです。私も、フクロウ体質にそれほど精通しているわけではないのですが、結構皆さん起きられるようになります。私ではなく漢方のおかげです。

    一度咲き終わったランの枝から新しい花がどんどん咲き始めました。凄い!

  • 家庭血圧を測りましょう

    夕方、仕事帰りに西の空を見たら金星と木星が大接近していました。昨日までは双子星みたいに並んでるな、という程度でしたが、今日はぶつかりそうなくらい接近していて、乱視の私の目にはほとんど1つの星のように見えました!大天体ショー。ワクワクしますね。でも、見えたのは夕方数時間だけで、まもなく西の空に沈んでいきました。さて、昨日の外来は比較的少なめでのんびりした一日でしたが、今日は打って変わって朝から夕方までずっと多く、忙しい一日でした。

    通常、患者さんが多くても、大半は血圧の薬などをぱっと出して終わるような短時間で済む患者さんで、さほど待ち時間は伸びないのですが、今日は不思議と朝から次から次へと難しい相談が連続し、ぱっと薬を出しておしまい、とはいきませんでした。季節柄、転職したとか、卒業したとか、今度引っ越します、みたいな挨拶も長くなります。今年は花粉の飛散が多いので、花粉症の薬や点眼をついでにほしいという患者さんも多かったです。そして、今日もコロナ後遺症の方が結構たくさん来院されました。コロナワクチンで肩や首の痛みがひどく、鍼灸院に行ったら当院を勧められたという方もおられました。皆さん、長いこと苦しんでおられるので、一日も早く元気になっていただきたく、持てるだけのアイディアを処方箋に込めました。昨日書いたとおり漢方は入手困難ですが、手に入る処方を駆使して出しています。

    ところで、血圧の薬を取りに来る患者さんで、診察の時に血圧を測ってもらえませんかという方がおられます。リクエストが有れば測りますが、原則は血圧コントロールは家庭血圧を重視する事になっています。病院で測ると高いという場合が多く、その数値を信じて薬を調節すると、日頃下がりすぎる場合があります。家庭血圧がない場合、待合にある自動血圧計で測っていただくと診察時間の短縮になります。この季節、厚着されているとセーターなど脱がないと測れないので、血圧を測るまでに相当時間をロスします。その時間があればもうひとり診察できますので、ぜひ家庭血圧のメモを持参してください。ご協力よろしくお願いします。

  • 物(薬)が手に入らない時代

    短い2月があっという間に終わり、いよいよ3月です。熊本市内は今日が卒業式だったそうです。3月1日とはずいぶん早いですね。サクラも何も咲いていないです。天気予報では雨ということでしたが、夕方まで天気が持ったので卒業生の皆さんたちは良かったですね。ニュースを見ていたらユニクロは一足先に入社式と言っていました。1ヶ月も前倒しにするのは、4月の就職、入学の時期がアパレル業界の繁忙期なので、その前に社員教育するためです。そういう当院も本日受付に新しい事務員さんを採用しました。たくさん応募いただいた中から、悩みに悩んで決めましたが、実務経験者で人当たりもよく同僚とも仲良くできる人材と期待しています。

    ところで、もうずいぶんコロナの新患を見なくなって久しいです。私の周りでは全くゼロです。発熱患者さんでたまにインフルAが出ますが、インフルでもコロナでもない風邪の方が多いです。そんな中、正月頃にコロナにかかっていまだに咳が止まらず、微熱もあるので学校に行けていないという学生さんが来られました。もう3月ですからまるまる2ヶ月休んでいるということ。しかも5秒に1回位咳をしている。なんてかわいそうなこと。今までいろんな病院に行って検査したり薬をもらったけど治らないということでした。私なら治せる、と安請け合いはできませんが、これまでこのような患者さんを数百名は見てきましたから、治すための処方のアイディアはいくつももっています。問題は、漢方薬がものすごく入手困難で咳を止める処方など手に入らないのです。仕方ないので、あるだけの漢方を駆使して、処方を組んでみました。2週間後、元気な姿で顔を見せてもらいたいです。

    老人ホームで当院から訪問診療をしている気管支拡張症の患者さんは、いつも少し血痰が出ていたのですが、止血剤も入手できない状況です。代わりになる薬もなくしばらく欠品のため処方を止めていたら血痰がひどくなってしまいました。困っていたら、ちょっとだけ薬局に止血剤が入荷したという情報があり、救われました。半導体もない、漢方もない、止血剤もない、豊かな日本と思っていたらこんな物不足の時代が来るなんて、本当に戦時下みたいなものです。

  • 痛風のはなし

    この週末は国立大学入試だったそうです。天気にも恵まれ、よかったですね。うちの子供は今年大学卒業で、肩の荷が下りました。先日東京から帰省してきたので、何年かぶりに会いましたが、立派になっていて嬉しかったです。子供がまた東京に戻ってから、家の中の火が消えたように寂しくなりましたが、今日は天気が良かったので、その時子どもたちが使った布団やシーツを洗濯したり干したりで忙しい一日でした。

    当院では、痛風の患者さんを相当数見ています。発作が出たら歩けないほど痛みますから、まず仕事に行くことは無理です。通常、ロキソニン程度の鎮痛剤では痛みは1−2週間続きます。当院では痛風発作に最適な痛み止めミックスを処方しています。組み合わせにより通常2−3日で歩けるところまで回復します。痛みが取れてきたら尿酸の治療を開始します。尿酸が高いことで痛風発作を起こすのですが、血液中ではなく関節に尿酸結晶が沈着して炎症を起こしているものですから、少し尿酸の薬を飲んで尿酸が下がった!と喜んでいてはいけません。尿酸の正常値は7以下ですが、発作を起こしたことがあるなら、6以下に下げて半年、1年と維持する必要があります。そうでないと、血管外(組織中)の尿酸結晶が抜けません。

    尿酸を下げる薬には体内での尿酸合成を阻害する薬と尿酸の尿中排泄を促す薬があります。人によってどっちのタイプが効くかという体質的な差があるのですが、下がりが悪いときは理屈よりも2剤併用してしっかり下げることが大切だと思います。一方、痛風発作の経験はないけど検診で尿酸が高いと言われた場合、ガイドライン的には尿酸値9くらいまでは経過観察です。大量の肉食やお酒で上がりやすいので、食生活に注意して経過を見ていきましょう。

  • ブレインフォグにDHA

    チャットGPTについて昨日少し書きましたが、このAIは天才ですから、聞けば何でも答えてくれます。私達のパソコンに中にドラえもんがやってきたくらいの衝撃です。ただ、我々ご主人さまがうまく質問して聞き出さなければ、AIのほうが勝手に雰囲気を察してくれるはずはありません。しばらく使ってみてわかったのは、これを使いこなせれば100人力ですが、その質問力が試されるということ。Googleでも、携帯を片手に高校生でも大人でも疑問なことは瞬時に検索すれば解決しますが、それを使えないお年寄りはどんどん時代から取り残されてしまいます。これからはAIにいかにうまく質問して答えを引き出すか、というスキルにかかっているような気がします。

    コロナ後遺症の症状でブレインフォグというのがありますが、「ブレインフォグ」とは、頭がぼんやりとしたり、思考力や記憶力が低下したりして、集中力や判断力が落ちてしまう状態を指します。コロナ前にはテキパキと仕事ができていたのに、コロナ後は集中できずに仕事が遅い、いくつもの仕事を頼まれるとはかどらない、失敗するといった状態です。私は、これはコロナによる脳の炎症に伴って脳神経がダメージを受けたためだと思っています。チャットGPTに聞いてみたら、コロナによる脳の炎症の他にも血栓による脳血流障害やストレスも影響する可能性があると教えてくれました。

    そのブレインフォグをどう治すかというと、私はオメガ3(DHA/EPA)という魚油による治療を行っています。多くの人がこれで症状が取れています。DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経系に欠かせない必須脂肪酸の一つであり、脳の構成要素として重要な役割を果たしています。そのため、DHAを摂取することは、認知機能の改善や脳機能の保護に有効である可能性があります。コロナ後遺症に限らず、認知症の初期段階にも有効です。市販のサプリにもDHAがありますが、残念ながらそれほど効かない印象です。実は医薬品と市販薬では含有量に大きな差があるのです。かなり大量に取らないと効果が出ません。医薬品は高濃度ですから効いているのだと思います。