むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 痛風のはなし

    この週末は国立大学入試だったそうです。天気にも恵まれ、よかったですね。うちの子供は今年大学卒業で、肩の荷が下りました。先日東京から帰省してきたので、何年かぶりに会いましたが、立派になっていて嬉しかったです。子供がまた東京に戻ってから、家の中の火が消えたように寂しくなりましたが、今日は天気が良かったので、その時子どもたちが使った布団やシーツを洗濯したり干したりで忙しい一日でした。

    当院では、痛風の患者さんを相当数見ています。発作が出たら歩けないほど痛みますから、まず仕事に行くことは無理です。通常、ロキソニン程度の鎮痛剤では痛みは1−2週間続きます。当院では痛風発作に最適な痛み止めミックスを処方しています。組み合わせにより通常2−3日で歩けるところまで回復します。痛みが取れてきたら尿酸の治療を開始します。尿酸が高いことで痛風発作を起こすのですが、血液中ではなく関節に尿酸結晶が沈着して炎症を起こしているものですから、少し尿酸の薬を飲んで尿酸が下がった!と喜んでいてはいけません。尿酸の正常値は7以下ですが、発作を起こしたことがあるなら、6以下に下げて半年、1年と維持する必要があります。そうでないと、血管外(組織中)の尿酸結晶が抜けません。

    尿酸を下げる薬には体内での尿酸合成を阻害する薬と尿酸の尿中排泄を促す薬があります。人によってどっちのタイプが効くかという体質的な差があるのですが、下がりが悪いときは理屈よりも2剤併用してしっかり下げることが大切だと思います。一方、痛風発作の経験はないけど検診で尿酸が高いと言われた場合、ガイドライン的には尿酸値9くらいまでは経過観察です。大量の肉食やお酒で上がりやすいので、食生活に注意して経過を見ていきましょう。