むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 物(薬)が手に入らない時代

    短い2月があっという間に終わり、いよいよ3月です。熊本市内は今日が卒業式だったそうです。3月1日とはずいぶん早いですね。サクラも何も咲いていないです。天気予報では雨ということでしたが、夕方まで天気が持ったので卒業生の皆さんたちは良かったですね。ニュースを見ていたらユニクロは一足先に入社式と言っていました。1ヶ月も前倒しにするのは、4月の就職、入学の時期がアパレル業界の繁忙期なので、その前に社員教育するためです。そういう当院も本日受付に新しい事務員さんを採用しました。たくさん応募いただいた中から、悩みに悩んで決めましたが、実務経験者で人当たりもよく同僚とも仲良くできる人材と期待しています。

    ところで、もうずいぶんコロナの新患を見なくなって久しいです。私の周りでは全くゼロです。発熱患者さんでたまにインフルAが出ますが、インフルでもコロナでもない風邪の方が多いです。そんな中、正月頃にコロナにかかっていまだに咳が止まらず、微熱もあるので学校に行けていないという学生さんが来られました。もう3月ですからまるまる2ヶ月休んでいるということ。しかも5秒に1回位咳をしている。なんてかわいそうなこと。今までいろんな病院に行って検査したり薬をもらったけど治らないということでした。私なら治せる、と安請け合いはできませんが、これまでこのような患者さんを数百名は見てきましたから、治すための処方のアイディアはいくつももっています。問題は、漢方薬がものすごく入手困難で咳を止める処方など手に入らないのです。仕方ないので、あるだけの漢方を駆使して、処方を組んでみました。2週間後、元気な姿で顔を見せてもらいたいです。

    老人ホームで当院から訪問診療をしている気管支拡張症の患者さんは、いつも少し血痰が出ていたのですが、止血剤も入手できない状況です。代わりになる薬もなくしばらく欠品のため処方を止めていたら血痰がひどくなってしまいました。困っていたら、ちょっとだけ薬局に止血剤が入荷したという情報があり、救われました。半導体もない、漢方もない、止血剤もない、豊かな日本と思っていたらこんな物不足の時代が来るなんて、本当に戦時下みたいなものです。