むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 強迫性障害

    強迫性障害という病態があります。不合理とわかっていてもやめられない困った症状がある人のことを指します。例えば、手を洗っても洗っても洗い足りず、石鹸を一日で使い果たすくらい手を洗い続ける人。また、外出するときに鍵をかけたか、電気を消したが、ガスの元栓を止めたか、何度確認しても納得せずに確認行為を繰り返し続けた挙句遅刻してしまう。いろんなパタンがあります。

    先日当院に来た患者さんはちょっと変わっていました。台風の進路を確認せずには気がすまない、何度もなんども進路が変わっていないか、レーダーなどの情報を見続けるとのことでした。おりしも、九州に台風直撃かというニュースで最接近まであと二日という時点で来院されました。このタイミングで間に合うかな、と思いながら、強迫性障害に使う薬剤を急いできかせるために2剤併用しました。その結果、先週末の台風でも進路を確認しても焦ることなく冷静に対応できたとお喜びの声をいただきました。台風直撃のたった二日前に来院されたのによくきいたと思います。

    このように、過度の確認行為などで日常生活に支障をきたし、自分でもなぜそこまでと不合理性に気がついていてもやめられないという場合、薬で治ることもあります。今回の症例のように、うまくいけば無駄に神経をすり減らさず、快適な生活ができるようになります。

  • アレルギーの季節です

    秋はアレルギーの季節です。春の花粉症もありますが、秋の花粉症もあります。また、気温が下がってきて風邪も引きやすいので、注意が必要です。喘息もこの季節増えてきます。アレルギー体質の人にとっては油断できません。

    台風が近づいていますが、不思議なもので、喘息や片頭痛は台風の接近で悪化します。予測がつくのでそぶんいいかもしれませんが、もしそういう体質なら準備したほうがいいと思います。喘息の場合、最近は吸入治療薬がよく効きますから、日頃サボり気味でも、この季節はきちんと吸入しておくことをお勧めします。

    片頭痛の場合、五苓散がよく効きます。気圧が下がってきたら早めに飲んでおくと頭痛が予防できるか、軽くて済みます。ただ、片頭痛は起こってしまうととても辛いので、トリプタン製剤を早めに使うことも大切です。台風が近づいていますので、くれぐれもご注意ください。

  • 適応障害と抑うつ

    私たちのような心療内科を標榜するクリニックにくる患者さんは抑うつ状態の方が多く、昔から精神科で扱うような難しいうつ病とは病態を異にします。多くの場合、いわゆる適応障害に伴う抑うつ状態です。適応障害というのは会社などの環境にうまく適応できずに気分が落ち込み、不眠、頭痛、吐き気などがあるといった状態です。原因としては、大きく分けて職場環境要因と自分自身の要因の2つに分けることができると思います。

    職場環境による適応障害は、過重労働によるものが多いと思われます。震災後むちゃくちゃ多忙、残業が多い、同僚が辞めたぶんのしわ寄せ、などが多いですが、理解のない上司、取引先からの無茶な要求などもあります。一方、自分自身の要因としては、要領が悪い、何度もミスをする、指示されたことを正しく理解できない、仕事がはかどらない、疑問点を同僚や上司に相談するのが苦手、などなど様々考えられます。

    こういう状態で抑うつ状態になった患者さんに、「◯ケ月の静養を要す」と診断書を書いて休ませるべきかどうか、いつも考えます。当然、過重労働が原因となっている場合、休養が最も大切です。しかし、自分の要領が悪いとか、コミニュケーション能力が十分でないことが原因で職場でうまくいっていない場合、果たして自宅療養が治療になるのでしょうか。もちろん、すごく落ち込んできついときは休みを取るべきです。しかし、まだ元気が残っていて、仕事にも行けるような場合、強制的に休みを取るのではなく、上司や同僚に相談したり、自分の問題点を解決する工夫をしながら少しでも勤務を続けたほうがいいのではないかと思っています。もし会社を辞めて転職しても、自分の方に問題があればなんら解決になりませんから、また上司から睨まれてうつになる、という繰り返しが予想されるのです。患者さんにとって何かベストか、というのは本当に個別対応であり、パタン化できないと思います。

    台風前の真っ赤な夕日・クリニックの駐車場にて

     

  • 好きこそ物の上手なれ

    好きこそ物の上手なれという諺があります。好きなことをやった方が集中力も出るし、時間を忘れて没頭するので、当然上達します。そういう自分の好きなことをやって伸ばせる仕事につけた人はラッキーです。当院の職員さんたちにも、入職してきた日に得意なことを聞きました。もちろん、それをいかせられれば一番いいと思ったからです。得意なことを自分から言ってくれるといいのですが、こっそり隠していることもあります。へーそんなことができるんだ、と驚かされたりするわけですが、それは勿体無いと思います。自分の可能性を最大限に発揮するには、得意なこと、好きなことをアピールした方がいいと思います。

    一方、外来患者さんの中には職場が変わってからストレスで仕事に行けなくなった、という方が来られます。例えば、接客がしたくて入社したのに事務方に配置換えになったとか、そういう場合です。時に、こういう人事で自分も気づかなかった才能を発揮したり、そこでの出会いが人生を変えるという場合もありますから、不本意ながらの人事異動も天の神様からすると何かしらの必然があるのかもしれません。しばらくは、その分野を極めて自分のスキルの幅を広げようと努力するべきでしょう。何事も、一生懸命働けば、無駄になることはないと思います。

    しかしながら、鬱みたいになってしまっては、勤務の継続が難しい場合もあります。もう辞めてやる!と心を決めて来院される場合もありますが、心の状態が通常でない時にあまり重要な決断はしない方がいいと思います。そういう場合は、しばらくの休みを取って心と体を休め、じっくり考えた方がいいとアドバイスしています。

  • 逆流性食道炎

    逆流性食道炎は胸焼けの原因として広くしられています。胃カメラをすると、かなり多くの人が逆流性食道炎を指摘されます。それを治療するのか経過を見るかは、それぞれ意見があります。私は、自覚症状のない検査でたまたま見つかった逆流性食道炎は経過観察でいいのではないかと思っています。もちろん、消化器内科を専門とする先生の意見を聞くと、治療したほうがいいと言われるかもしれません。

    逆流性食道炎の治療には昔はガスターのようなH2ブロッカーが使われていましたが、最近はプロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれる胃酸を抑える働きの強い薬剤が多用されています。作用が強いので、胸焼けの改善する作用も相当強く、長年の胸焼けも治療できる時代です。しかし、最近BMJという医学雑誌に掲載されたデータによるとPPIを長年使った人はH2ブロッカーに比べて死亡率が25%増加するというデータが掲載されました。そうなると、うかつにPPIを長期投与できません。参考サイト:

    http://gigazine.net/news/20170706-ppi-risk/

    私は、症状の強い時期だけPPIにしてあとはH2ブロッカーに変えることが多いのですが、患者さんがやっぱり前の方が良かったとPPIを希望されることが多いです。そもそも、逆流性食道炎は姿勢が悪い、食べ過ぎ、タバコ、食べてすぐ横になるなどの生活習慣が影響していることがわかっています。そういう生活習慣を正さず、よく効く薬を使って治してたとえ症状は取れても早死にするというわけですから、やはり基本は生活習慣の改善であることは否定できません。