むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 逆流性食道炎

    逆流性食道炎は胸焼けの原因として広くしられています。胃カメラをすると、かなり多くの人が逆流性食道炎を指摘されます。それを治療するのか経過を見るかは、それぞれ意見があります。私は、自覚症状のない検査でたまたま見つかった逆流性食道炎は経過観察でいいのではないかと思っています。もちろん、消化器内科を専門とする先生の意見を聞くと、治療したほうがいいと言われるかもしれません。

    逆流性食道炎の治療には昔はガスターのようなH2ブロッカーが使われていましたが、最近はプロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれる胃酸を抑える働きの強い薬剤が多用されています。作用が強いので、胸焼けの改善する作用も相当強く、長年の胸焼けも治療できる時代です。しかし、最近BMJという医学雑誌に掲載されたデータによるとPPIを長年使った人はH2ブロッカーに比べて死亡率が25%増加するというデータが掲載されました。そうなると、うかつにPPIを長期投与できません。参考サイト:

    http://gigazine.net/news/20170706-ppi-risk/

    私は、症状の強い時期だけPPIにしてあとはH2ブロッカーに変えることが多いのですが、患者さんがやっぱり前の方が良かったとPPIを希望されることが多いです。そもそも、逆流性食道炎は姿勢が悪い、食べ過ぎ、タバコ、食べてすぐ横になるなどの生活習慣が影響していることがわかっています。そういう生活習慣を正さず、よく効く薬を使って治してたとえ症状は取れても早死にするというわけですから、やはり基本は生活習慣の改善であることは否定できません。