むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 長く効く薬

    最近の薬は効き目の長い薬が色々あり、例えば血圧のアムロジピンという薬は1日半は効きます。1回飲み損なっても変動は最小限で済みます。また、新しい糖尿病治療薬には、週1回でいいものがあります。かなり便利です。骨粗しょう症の治療薬には以前から週1回製剤がありましたが、最近はそれが月1回製剤に進化しています。このように一度で長く効く薬というのはこれからの主流になると思います。

    インスリン注射も以前は短時間しか効かなかったため一日3回、4回と打つ必要がありました。ところが、最近主流なのは1回注射すると24時間以上効果を維持し基礎インスリンとしての役割を果たしてくれるものがあります。私も、ほとんどこの1回打ちを処方して、足りない部分は少量の内服薬と組み合わせています。

    漢方薬は1日3回のものが多いのですが、私の処方はできるだけ2回になるようにしています。昼は職場や学校で飲みにくいことが多いからです。漢方を3回でなく2回にしても効くようにするにはちょっとした工夫があります。その答えはクラシエという漢方メーカーの発想にあります。1回あたりの飲む量を増やして3回分を2回に分けて飲むというそれだけのことです。私の漢方処方の多くは2剤を併用していますので、1回あたりの生薬量は多くなり、3回飲まなくても2回で十分になる計算です。

  • 腱鞘炎

    電子カルテに入力するのはキーボードです。毎日毎日患者さんの記録を入力していたら、ついに腱鞘炎になってしまいました。手首から指先にかけて痛い。日頃鍼治療などで患者さんを治療している身としては、ここは自力で治そうと思い仕事が終わってから、自分でハンドマッサージを始めました。どれだけマッサージしても痛みます。指の腱鞘炎の場合、手首よりも肘の方(前腕)の筋肉に圧痛を認める場合があります。そこが重要な治療ポイントとなります。

    そう思って治療ポイントを探すのですが、なかなか反応する場所が見つかりません。仕方ないので、手指の筋肉を一つ一つマッサージしてほぐしていきました。マッサージすること30分、ついに手の痛みは消えました。なかなか手ごわかったです。しかし、その日の痛みをその日のうちに処理できないと、痛みはだんだん固定化していきます。手が痛いというより、頭(脳)が痛みを覚えてしまって染み付くのです。そうなったら治療が難しくなります。

    腰痛でもなんでも同じ理屈だと言われています。そのため、大変不思議ですが最近は抗うつ剤を腰痛治療に使ったりします。慢性の頭痛や肩こりなどにも効果は期待できます。頭に染み付いた痛みを消すことができれば、慢性の痛みは一旦リセットできるようです。

  • 睡眠薬依存症

    睡眠薬は昔からありますが、どの薬も依存症になりやすく、しばらく飲んでいると薬なしに眠れなくなります。血圧やコレステロールの薬は飲み忘れても、睡眠薬は絶対に欠かせないと言う人は大勢います。そして、薬を飲んで一旦は寝ても途中で目が覚めてからが朝まで寝付かないので追加で飲む睡眠薬も欲しいとよく言われます。どの患者さんも睡眠に関しては他の何よりも切実に訴えます。どんな強い薬でもいいから寝れるようにしてください、という感じです。

    マイケルジャクソンが亡くなった時のことを覚えていますか。おかかえ主治医にしつこく不眠を訴え、最終的には強力な麻酔薬を静脈注射して寝せてもらっていた際に事故死してしまいました。切実に不眠を訴える患者とそれに素直に答える主治医との悲しい結末です。

    こういう不眠の患者さんをどうするかは大変な問題です。もちろん、強い睡眠薬を使えば眠れるのでしょうが、一旦依存を作ってしまえばこの先一生その薬が必要になります。若いうちはいいのですが、年取ってからも同じ睡眠薬を飲んでいると、夜トイレに起きた時にふらついて転んで骨折、寝たきりという最期になります。その責任は最初に強い睡眠薬を処方した主治医にあると思うと、安易には処方できないのです。

  • 物忘れの治療

    またまたテレビネタです。たけしの健康番組で認知症(物忘れ)を改善する方法を検証していました。とても簡単でした。タオルで手のひらを刺激する。それだけです。手の神経からものを触った刺激が頭に入り、脳の血流が増加するということで、数日続けるだけで物忘れが改善するということです。なんとも簡単すぎて拍子抜けしそうです。しかし、そんな簡単なことこそ本物のような気がします。

    結局、何か触れば刺激が脳に行くのですから、タオルでなくとも何でもいいと思います。好きなものを触って脳を刺激すればいいということ。家庭菜園で触るなら土や野菜でしょうし、ペットの犬や猫もいいでしょう。手で触って脳を刺激するということです。

    物忘れといえばアルツハイマーが有名ですが、その治療薬としてアリセプトをはじめとする薬剤が存在します。しかし残念がら、このての薬はあまりききません。効いたとしてもごく短期間です。手の刺激がいいのなら自分で手を動かしてもいいし、誰かにハンドマッサージをしてもらってもいいと思います。当院ではハンドマッサージ用にマグネシウムジェルやアロマオイルを使っています。むくみが取れるのといい香りに癒されます。

  • 高齢者の糖尿病

    先週末に東京で糖尿病の勉強会があり、参加してきました。超高齢者の糖尿病をいかに管理するかという話題でした。高齢化社会の中で高齢者が人口の大半を占めるようになると、准高齢者(65歳から74歳)、高齢者(75歳から89歳)などと年齢で分けたりしますが、それより高齢な年代を超高齢者(90歳以上)と言います。今や元気な90歳以上は珍しいことではありません。そういう超高齢者の糖尿病はどういう基準で治療するべきかということは、実際あまり論議されていません。基準を作るのが難しいと思うのです。とても元気な90歳代もいれば、寝たきりの人もいるからです。

    糖尿病の管理は通常ヘモグロビンA1cという検査データで判断します。通常7%以下を目指します。しかし、超高齢者の場合、8.5%以下というかなり穏やかな基準になっているようです。高血糖を管理するというより、治療で下げすぎる方が危険とされているのです。もし、糖尿病を治療中でA1cが6%を切ったような場合は下げすぎです。数字が良好と安心することなく内服薬の調整が必要です。低血糖は認知症のリスクにもなるし、場合によっては寿命に影響します。

    月曜は帯山地区の勉強会に参加しました。こちらは糖尿病患者さんは骨折が多いという話題でした。糖尿病患者さんの骨は糖化現象といって骨の構造タンパクであるコラーゲンが血糖(ブドウ糖)で糖化されて飴状に変化して、しなやかさが損なわれるのです。これはコラーゲンの異常なので、骨密度とは関係ない骨折を誘発します。いずれも、血糖をきちんとコントロールすることがいかに大切かということです。

    日の出前の皇居の桜田門前。東京といえば皇居ランです。私はいつも桜田門を起点に走ります。前半が登り、後半が下りの走りやすいコース(1周5キロ)となります。