むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 秋の体調変化に注意

    寒暖の差が大きいので、風邪の患者さんがチラホラ見られるようになりました。幸いコロナの患者さんはほとんどいなくなったので、安心して風邪の診療ができます。秋のアレルギーや喘息も増えてきました。毎年この季節体調を壊すという人は注意しましょう。喘息やアレルギー性鼻炎はいい薬がいろいろあるので、早めに使うとシーズン中快適に過ごせます。

    秋は、気温が下がってくることで血圧も上がりやすい季節です。夏の間はとても安定していた血圧が急に上がり始めたりします。朝に血圧が上がると脳卒中のリスクとなります。家庭で測って最近血圧が高くなったと気がついたら早めにご相談ください、夏と冬では薬を変えてコントロールすることがあります。どうせ薬を飲むならきちんと目標を達成する強さの薬を選んでもらいましょう。血圧の薬は山のようにありますが、循環器が専門でないとどの薬がどのくらい強いかわかりません。結果、中途半端な強さの薬をいくつも組み合わせてしまったりします。私は処方時のポリシーとしてできるだけ合剤を使うことでシンプルな処方を心がけています。ときには10以上の薬が合剤をつかえば半分以下で済む場合もあります。

    気温が下がってくると汗をかきません。汗と言っても目に見える汗だけでなく、不感蒸泄という肌からいきなり蒸発する水分も含みます。こういった水分の蒸発が減ることで、体内に余分な水分が残り、むくみやすくなります。手足がむくむだけでなく、心不全が悪化して息切れしたりするようになります。冬の血圧が上がる原因の一つとして循環血液量の増加(水余り)が関連します。このような病態は、利尿剤をうまく使って体内の水分量を調節します。

  • 秋分の日

    秋分の日でした。朝はかなり涼しかったですね。私は祝日に関係なく訪問診療でした。定期的に老人ホームなどを回って診察しています。今日訪問した先のお年寄りは、朝寒かったからと、居室のエアコンで暖房を入れており、私が訪れた昼の2時頃は汗がでるような暑さでした。スタッフも驚いて窓を開けて換気していましたが、高齢者の暑さに鈍感なのは危険です。熱中症になってもおかしくないです。別の訪問診療しているお年寄りは、まだ1ヶ月位前の猛暑の日に寒気がするからといってすごい厚着をしてこたつに入っていたと聞きました。体温調節がおかしくなっているのだろうと思いますが、こんな時、温めてあげるべきか、やめさせるべきか悩ましいです。本人は寒がっているので、無理に冷やすのもどうかという気がします。

    また別の方は、エアコンが嫌いだからと言ってベッドサイドに扇風機をずっとかけている人がいます。熱風を扇風機で吹き付けると、あっという間に乾燥します。洗濯物など扇風機をかけると乾くのが相当早くなります。では、熱風をお年寄りにかけつづけるとどうなるか?当然脱水になります。これも要注意です。まだ昼間は暑いので油断できません。

    とはいえ、秋分の日です。だんだん冬の準備に入ります。関東では台風接近のニュースですが、こちら九州でも強い北風が吹いています。台風に向かって吹き込んでいるようです。秋雨前線が台風で活発化するため、今週は雨に注意です。さて、コロナも一段落して楽しい4連休だったことと思います。来たる第3波に向けて準備が必要ですが、今しばらくはリフレシュして心と体を健全に保つことが大切でしょう。

  • アロマはすごい

    マスクを一日中して顔に湿疹が出たという人が結構います。私も、気がついたら鼻の頭が赤くなっていました。さて、こういうときはアロマオイルの出番です。アロマオイルは、肌につけてはいけないものが多いのですが、いくつかは肌につけていいものがあります。その代表がティーツリー、ラベンダ、ローズウッドの3つです。いずれも抗菌作用が強く、化膿したような皮膚病変に塗ると著効します。今回、私は自宅にティーツリーがなかったので、ローウッドを塗ってみました。あっというまに腫れは取れて1日でだいぶ治りました。先日は擦り傷にアロエがすごいと書きましたが、エッセンシャルオイル(アロマ)もすごい効果です。

    当院で診察室に入るとほのかにアロマの香りがすると思います。これは、手指消毒用のアルコールに抗菌作用のあるアロマを混ぜているからです。ブレンドの具合はその時どきで気分によって変えています。リラックスする香りだったり気分がリフレッシュする香りだったり、いろいろ作ります。漢方好きの私にとってはアロマの配合も漢方みたいなものです。とても面白いです。

    塗り薬に軟膏とクリームの2種類があるのをご存知ですか?どちらも同じもので日本語と英語の違いと思っているようでしたら、それは間違いです。ぜんぜん違うのです。実は軟膏は脂溶性で油成分です。少しベタつきがあり、濡らしても流れません。一方クリームは水溶性です。ベタつきが少なく油ではないので洗うと流れます。皮膚の表面は油成分が多いため、クリームより軟膏のほうが皮膚に親和性があり、よく効きます。普通の消毒薬は水溶性で油成分の多い皮膚ははじいてしまいますが、アロマオイルは油なので、皮膚に浸透しやすく、抗菌作用も抜群なのです。

  • インフルワクチン予約について

    インフルエンザの予防接種の問い合わせがかなり増えています。ニュースなどで報道されている通り、今年は例年より早めに開始される予定です。今のところ、10月1日から65歳以上の接種が開始されます。65歳以下のかたは11月までお待ちいただくことになります。最近患者さんと話していると、今まで10年くらい打っていないけど、今年は打とうと思う、という人がかなり多いです。残念ながら、ワクチンの製造には時間がかかり、大量生産ができません。去年の5%ー良くて10%増しくらいしか納入されません。薬の卸屋さんは各医療機関が去年使った本数を基準に納入してくるため、うちだけ去年より100本多く入れたいとか言うわがままは聴いてもらえないのです。

    そうすると、例えば去年500人にワクチン接種したとすると、今年は去年よりわずか50人くらいしか多めに打つことができません。おそらく10月に高齢者の予防接種を開始し、11月にはあまり残っていないと思われます。その時、子供を優先するか親に打つか、考えないといけません。当院としては早いもの順です。唯一、きちんと確保するのは当院で訪問診療を請け負っている高齢者の分と当院スタッフの分です。これだけは優先的に確保します。

    本来なら基礎疾患のあるリスクの高い人にまわしたいのですが、今年は希望者が多すぎておそらく皆さんには行き渡りません。実際のところ、いつ何本納入されるかが全くわからないため、あまり大勢を予約受けすることはできません。まずは、今週から65歳以上の方のみ予約受付を開始しました。かかりつけ患者さんを優先します。一度も当院にかかっていない方の予約はいまのところ受け付けません。11月に何本残ったかにより予約枠を広げたいと思います。電話であるいは受診のついでに窓口でご相談ください。

  • 高齢者のかすれ声は老化(日経新聞)

    朝は大雨で昼は蒸し暑くなりました。今これを書いている夜は涼しく快適な気温です。一日の気温変動が大きいので体調を崩さないようにしましょう。昨日は「漢方はタクシー、西洋薬は飛行機」という文章を書きましたが、朝5時に一旦アップして読み返したら納得行かず、5回も書き直しました。結局最終稿は5時半頃完成しました。実はこのブロクは夜に書いて朝5時頃再度読み返してアップしているのですが、毎日推敲を最低3回はします。書いては消し、消しては書き、完成したと思ったらもう一度読んで微妙なニュアンスを訂正したりをくりかえします。相当時間がかかっているようですが、実際はそうでもありません。テーマを決めるまで時間がかかるのですが、書き始めたらものの10分ほどで第一稿が完成します。その後場所と時間を変えて3回位読み返して書き直すわけです。

    今日の日経新聞に「かすれ声は老化」という記事がありました。そのとおりです。よく70過ぎたご婦人から喉の調子がおかしい、私の声はもともとこんなんじゃなかった、と言われます。そして、タレントさんが喉頭がんや声帯ポリープの手術をしたニュースを見ると、自分もそんな病気ではないかと心配して耳鼻科にいき、なにもないと言われて帰ってきます。しかし本人は、なにもないと言われても明らかに声がおかしい、漢方で治らないか、という方が来られます。

    新聞に書いてあるとおり、高齢者のかすれ声は声帯の筋肉の衰えです。一日誰とも話すことなく家でTVをを見て過ごせば、喉の筋肉も使いません。衰えれば声も変わります。新聞では歌を歌ってのどを使いましょうと書いてありました。そう、ノドを使う=リハビリ、筋トレです。治るとわかれば、するかしないかは自分次第ですよ。