むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • プロセス(課程)を楽しむこと

    昨日のブログで掃除の話を書きました。掃除をすると部屋もきれいになるし、気分が良くなります。そんなことを今朝も思っていたら、ちょうど音声コンテンツアプリのVoicyで「結果を楽しむ」だけではなく「過程を楽しむ」ことが大切だと言う話を聞きました(鴨頭嘉人のチャンネル)。掃除で例えれば、片付いた部屋をみて喜ぶだけではなく、掃除そのものを楽しむということです。もしそれが実現できれば素晴らしいことです。掃除を嫌なことだと思いながらするより、楽しみながらするほうがいかに人生が豊かになることでしょう。

    同じことをダイエットに当てはめれば、日々の運動や食事制限は辛いばかりで何も楽しくないかもしれません。しかし、運動するのも気持ちいい江津湖畔をウォーキングするとか阿蘇まで車で行き、空気の良いところをジョギングするとか、楽しみ方はいくらでもあります。食事制限にしても、少量しか食べないなら少し高価な食材にしてプチ贅沢することもできます。質素にしすぎず、ダイエット食を楽しむと言うことです。

    似たようなことですが、私がガン患者さんにアドバイスすることがあります。ガンを治療する日々は辛く大変だと思います。多くの患者さんは「いつかきっとガンを克服して元通りの元気な体に戻りたい。そのために今つらい日々を我慢している」という人が多いです。しかし、私は今を楽しむようにといいます。今日、吐き気もなく、いい天気の日に散歩もできて、週末は孫の誕生日を祝うことができたのであれば、元通りの元気な姿でなくても十分今に感謝して楽しいと感じるべきです。時間は逆戻りしません。昔の元気な姿ではなくても今が一番と思って過ごすことが、結果的に豊かで実り多い人生と言えると思うのです。

     

  • 掃除と健康

    皆さん、掃除は好きですか?私は結構好きです。朝も早く出勤して、クリニックの玄関周りの掃除をします。夏はダンゴムシやムカデなんかも自動ドアの隙間から建物内に入ってくるので、朝イチで隅々までチェックします。ゴミ箱のゴミを捨てたり、床のモップがけも日課にしています。出したものは片付ける。捨てていいものはすぐに捨てる。目の前に積んである仕事はすぐにかたづける。何でも間髪おかずにすることです。最近はコロナワクチンの事務局からわけのわからない通達のFAXやメールがどんどんきます。読んでも意味がわからない役所の文書には困りますが、とりあえず、読んだらさっと捨てます。

    体も、つねに掃除しておかないと病気になります。食べたら歯を磨く。肺を汚すタバコの煙には近寄らない。血管をつまらせるコレステロールには注意する。消化管は便秘しないように野菜などの繊維質をたくさん食べる。体に蓄えてしまった内臓脂肪もゴミです。掃除して取り除かないと病気になります。

    昨日話題にした認知症の中でもアルツハイマー病は脳にベータアミロイドという蛋白が蓄積して脳の機能を低下させますが、βアミロイドは脳のゴミです。かんたんに掃除できないため、一旦認知症を発症したら改善しません。この、脳に蓄積されたβアミロイドを掃除する治療薬を世界中で開発していたのですが、いまのところどのメーカーも治験はうまく行っていません。したがって、脳がβアミロイドを蓄積しないよう予防第一です。

  • 認知症は軽いうちに対策することが大切

    時々認知症の相談を受けます。認知症かどうかは、物忘れのテスト(長谷川式など)をして評価しますが、早期の場合はこの点数はほとんど正常に出るため、認知症の程度がわかりません。頭のCTやMRIも、認知症以外の問題(脳梗塞や水頭症など)がないかをチェックするために必要です。また、MRIではアルツハイマーと関連する海馬の部分が萎縮していないかなど細かい分析ができるため、物忘れが出てきたかなと思う場合、専門の機関でMRIを撮ってもらうのは役に立つと思います。

    診断は、アルツハイマー型認知症の他にレビー小体型とか前頭側頭葉型とか、脳血管性(脳梗塞などの後遺症)とか、アルコール性など色々あります。どれに該当するかによって、経過が異なります。一旦認知症の診断がつくと、どのタイプにせよ治療に難渋します。あまり効く薬がないからです。一方、認知症の一歩手前を軽度認知障害(MCI)と呼びます。本人も家族もたまに「あれっ」と思うことがある程度で、気にしなければ見過ごすレベルです。しかし、対策を取るならこの時期を逃さず、治療を始めたほうがいいと思います。

    治療とはいえ、病院の薬ではありません。認知症は生活習慣の結果ですから、改められるところを一つでも改善することです。まず、糖尿があれば、きちんとコントロールすること。運動をする習慣を持つこと。ビタミンB,C,D,Eをしっかり取ること。魚を食べること(サプリならEPA)。カレー(スパイスのクミン)を食べること。テレビではなく新聞や本を読むこと。難聴があれば、補聴器などできちんと情報が入るようにすること。いろいろありすぎて大変ですが、できるところを一つでも多く取り組むのが大切です。

  • 酢の効用

    夕方、たまたま見たNHKの番組で酢の効用について話していました。毎日酢の物をたべたら、中性脂肪の数値が劇的に改善し、体重も痩せたという話をしていました。確かに、酢キャベツなどの話題は健康番組でよくみかけます。こんなにかんたんに良い効果があるのなら実践しないわけにはいけません。折しも、私は春キャベツやサラダ玉ねぎが好きで、ザクザク刻んで酢漬けにして毎日食べています。みちょ(美酢)という飲む酢にもハマっています。最近、私のダイエットが順調なのはこのおかげだったのかもしれません。

    金曜日に診療が終わってからすぐ、医師会で心臓検診班会議でした。たくさんの心電図を班員みんなで手分けしてチェックします。意外と早く終わったので、近くでご飯でも食べようかと思ったのですが、もう夕方8時までわずかでした。非常事態宣言中で飲食店は8時に閉まるので、無理かと思いましたが、試しに白山通りのマックの横の天和(てんほう)ラーメンに寄ってみたら、ギリギリ間に合いました。日頃、健康に気をつけて食事をしていると、たまにラーメンなんかもたべたくなります。天和は昔から好きな店です。

    ラーメン屋さんで食べるときに健康に気をつけるなら、トッピングの全部のせがおすすめです。ラーメンだけでは炭水化物ばかりなので、チャーシュー、卵、ねぎなどたっぷり乗せてもらいましょう。サイドはチャーハンではなく餃子にしましょう。要は、炭水化物に偏らず蛋白やビタミンを多く含むメニューを選ぶことです。

    よくできています。ペーパークラフトです。
  • 漢方でコロナワクチンの副作用対策を考えた

    当院でも、一般枠のコロナワクチンが始まりました。通常の外来患者さん、ワクチン接種、校医をしている学校の内科検診が全部集中した今日はまたもや200名をこす診察となり、全く休む暇もありませんでした。さいわい、ワクチン接種はスムーズに進み、アレルギーなどの副作用もなく順調な滑り出しです。高齢者が多いので、予約した日時をちゃんと覚えていてくれるかが気がかりです。注射の際によく聞かれたのが、血圧や糖尿の薬を飲んでいるが受けてもいいか、ということ。もちろん問題ありません。あとは、昔、カニやサバを食べてアレルギーを起こしたことがあるが、大丈夫か、という質問。これも、全く問題ないと思います。ファイザーのワクチンでアレルギーを起こす物質として疑われているのがポリエチレングリコール(PEG)という添加物です。PEGは化粧品によく使われているそうなので、化粧かぶれの既往があれば注意です。また、一部の医薬品にも安定化剤として添加してあるそうなので、薬物でアレルギーを起こしたことがあれば、可能性があります。

    ワクチン1回目は注射した腕の筋肉痛などがメインですが、2回目は高熱、倦怠感、頭痛、全身あちこちの痛みなど結構な副作用が出ます。5−7割で見られるようなので、解熱鎮痛剤(カロナールなど)を準備されたほうがいいかもしれません。当院スタッフの2回目接種の際には漢方を飲んで副作用対策をしましたが、予想に反して約半数の人たちは高熱と倦怠感に襲われたそうで、期待したほど効きませんでした。そこで、この週末、ワクチンの副作用対策を漢方でする方法をあれこれ考えました。

    以前、武漢から新コロの漢方治療についての報告があり、有効とされる処方が論文化されています。ワクチンは軽くその病気にかかったようにして免疫を誘導するので、この武漢の中医師たちが推奨する処方がいいのではないかという結論に至りました。私がスタッフに配ったのは「葛根湯」+「五苓散」だったのですが、これに「小柴胡湯加桔梗石膏」を加えたら武漢からの報告に近い処方となります。予防投与は保険が効きませんが、もしご希望でしたらご相談ください。