むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コロナ後遺症外来および骨粗鬆症について

    熊本のマンボウは解除されましたが、新規感染者数を見ると、ほとんど横ばいで毎日500名前後が罹っているようです。当院では、コロナ感染後の後遺症外来に取り組んでおり、いまだに毎日のように咳が続くとか、動悸がするとかいろいろな訴えで来院されます。後遺症といっても非常にバラエティーに飛んでおり、その人のもともと持っている弱点が悪化して症状が出ているようです。例えば、心臓が弱ければ動悸や不整脈、気管支が弱ければ、咳、体力がない人は倦怠感が続くと行った感じです。どの症状も一筋縄では行きませんが、漢方的な考え方で陰陽寒熱虚実の弁証と気血水弁証を組み合わせてあれこれ病態仮説を立てて治療法を模索しています。わりと皆さん元気になっているので、今の所漢方でなんとかなりそうだという印象を持っています。

    ところで、免疫アップと花粉症対策にビタミンDを勧めていますが、実はビタミンDは骨を丈夫にすると言われているわりにたいした効果はありません。たしかにカルシウムの吸収を高めるのですが、吸収したカルシウムはたいてい尿中に排泄されます。そこで、下手をするとビタミンDを飲みすぎて尿管結石を起こすことがあります。ビタミンDで吸収したカルシウムを骨につけるにはビタミンKが必要です。また、骨には骨を作る細胞と骨を破壊する細胞があり両者のバランスで骨形成あるいは骨破壊が進みます。ビタミンDだけで骨が丈夫になるほど単純ではありません。

    カルシウムのサプリも注意が必要です。心血管障害(心筋梗塞など)が増加することが知られています。カルシウムはサプリではなくいりこなどの食品で摂ることをおすすめします。運動をしたほうが骨が丈夫になるのは周知のとおりですが、逆にフルマラソンのような過酷な運動をしすぎると、疲労骨折を起こすことがありますので、やりすぎも注意が必要です。