むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • カルテにたくさん書く

    当クリニックは電子カルテですが、患者さんからの情報をとにかく詳しく打ち込みます。いつからどうなったかとか、どうすれば調子が良くなるか、何がきっかけで調子が悪くなったかなどなど。また、他のクリニックにかかっている情報や過去の病歴のことなどもできるだけ聞いた情報は書き込みます。

    電子カルテには定型文を簡単に打ち込むツールがあるので、それを使えば紋切り型のワンパタンの文章が短時間にどんどんかけます。しかし、インフルエンザの予防注射ならそんなワンパタンのカルテ記載でいいのですが、難病の方や心療内科系の患者さんだと、それぞれのエピソードで聞き出す情報が多いため、それを書きとめておく必要があります。版を押したようにパタンで書ける文章ではないのです。

    詳しく書くのには時間がかかりますが、後で読み返したときに状況を思い出します。また、その場にいなかったナースや事務員さん達も記載を読むことで患者さんの背景や来院の理由がわかりますし、私がどう判断してどのような処置をしたのかまで一瞬で把握できます。これは紙カルテではなかなかできません。紙カルテにたくさん書こうとすると、どうしても字が雑になり、他人が見ても判読しづらいものになります。カルテは後で清書するようなことはしませんので、永遠にその雑な字で書いたページが残ります。書いたドクター以外にはよく分からない、場合によっては書いた本人さえ判読できないというのはよくあることです。それを考えると、電子カルテは本当に便利です。

     

  • 漢方入浴剤が完成しました

    先日書きましたが、漢方入浴剤が完成しました。生薬を配合して乾燥肌でかゆみの強い方向けの入浴剤を作りました。去年は桜十字病院門前のホスピタ薬局と共同開発した入浴剤のレシピがあったのですが、今年はそれを元に若干のアレンジを加えてみました。そして、その完成品が手に入りました。

    今日は早速そのパックを鍋に入れて1リットル弱の水で煎じました。約20分で火を止めました。薬局の実験では、2番煎じまでは使えそうだったので、1番煎じも少し早めに切り上げて、2番煎じに成分を残そうという魂胆です。パックは鍋に残して、煎じた液体だけを浴槽に入れてお風呂に入りました。

    「まいうー」でお馴染みの石塚さんはラーメンが好きで「この豚骨スープの中で泳ぎたい」とか、そういう食レポコメントをしますが、私の場合、漢方が好きすぎて、漢方薬のお風呂に浸かりたい、といった感じです。でも、入ってみてびっくりです。まるで化粧水のお風呂です。風呂に入るやいなや、肌はすべすべしてきて、自分の肌でないような肌触り。もうお風呂から上がりたくない、そんな感じです。もったいないのでシャワーなどで流したりせず、タオルで拭き取って上がります。

    風呂上りに化粧水などお肌の手入れをされる女性の皆さんは、いつも通りやってください。男性の場合、特に何も必要ありません。風呂上りにいつまでもすべすべの肌を感じられます。自信作の完成です。おそらく去年作ったレシピより進化しています。内容はわずかしか変えていませんが、いい出来です。当クリニック横の凌雲堂薬局にて買うことができます。大量生産していませんので、売り切れていたらすいません。その際はしばらくお待ちください。

    こんなことばかり考えていたら、ちょうどホスピタ薬局の石井さんがあちらで作った漢方入浴剤を持って遊びに来てくれました。石井さん、ありがとう。漢方は材料(仕入先)が違うだけで内容が変わってきます。同じいきなり団子を作っても店によって出来が違うのと同じです。それぞれの味わいというものがあるのです。

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  • インフルエンザが出ています

    今日はインフルエンザのA型が出ました。いよいよ熊本でもシーズン入りといった感じです。みなさん気をつけましょう。体を暖かく保つこと。昼間に暖かくても日がくれるとかなり冷えてきますから十分な寒さ対策をしましょう。

    落ち葉を掃き掃除していると、いろいろ考えます。落ち葉はなぜ落ちるんだろう。体に溜まった老廃物を葉から排除するデトックスなのか、自分の根っこ近くに栄養分として葉を落とすのか、それとも冬の間エネルギー消費を最小限にするため葉を落として冬眠状態になるのか、あるいは葉を落とすことで雪が降っても枝が折れないようにか・・・。考え出すときりがありませんが、これが答えだ、というアイディアが浮かびません。広葉樹は冬に葉が落ちるのに、針葉樹はなぜ葉が落ちないのか?不思議です。きっと植物学を専門にしている学者さんにとっては、明確な答えがあるのでしょうが、私はその答えを知らないので落ち葉の掃除をしながら毎朝空想を膨らますのです。

    一方、トイプードルの毛は全然抜けません。季節の変わり目にも毛が抜けないので、掃除が不要で飼いやすいし、アレルギーがあっても飼えるというメリットがあります。今はトリミングに出すと綺麗にカットして帰ってきますが、もし自然(天然)のトイプードルがいたとしたらとても困ると思います。毛をカットせずに何年も放置するなんて考えられません。毛むくじゃらになるだけでなく、目も見えづらいと思います。家庭では飼いやすくてとてもいいのですが、自然界では困難極まりない気がします。

    そう考えると、葉が落ちたり毛が抜けたりするのは自然の摂理なのだろうと思います。

    毎朝落ち葉を掃き掃除するのは結構重労働ですが、気持ちいいので私にとっては好きな時間です。始業を気にしなければゆっくり綺麗にするのですが、どうしても朝の始業に間にあわせるために限られた時間内でザザーと掃きます。それでも、たくさんの落ち葉を袋につめて、歩道が綺麗になるのは快感です。しかも、朝の清々しい空気の中、登校する小学生たちに「おはよー」と挨拶するのは私の贅沢な時間です。

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    この写真は往診の帰りに車窓から撮った建軍自衛隊のイチョウです。青空とのコントラストが美しいです。

  • 伝統と新しいものと

    私はワインをよく飲みます。いつも安いものばかりで高級ワインなどは買ったことがありません。安いワインでは、最近スクリューキャップになっていて、コルクの使用が随分減っています。コルクを減らすのは、コストの問題や材料の入手が困難なことなどいろいろあると思います。

    ワインはやっぱりコルクでないと・・・という人は、古いと思います。調べてみると、スクリュートップにはいろいろとメリットがあります。

    第一に、開けやすい。ワインオープナーが不要です。いつでもどこでも開けられます。

    第二に、保存がよく、酸化しません。コルクの場合、カビが生えたりして品質の劣化が一定の割合で見られます。昔はよくコルクが乾燥しないようにワインのボトルは寝かせて保存、などと言っていましたが、スクリューボトルではそんな必要はありません。普通に立てたまま保存がききます。そして、スクリュートップのボトルに詰められたものは劣化しませんから、品質管理が簡単です。コルクのワインの場合、ソムリエがうやうやしく開けてくれたものを、代表して一人がテイスティングをし、カビ臭くないか、発酵が進みすぎて酸っぱくなっていないかなどをチェックします。しかし、スクリュートップの場合、そんなテイスティングをしなくても品質は一定ですから、すぐにつぎ分けても問題ないはずです。簡単です。

    世の中このような事例がたくさんあると思います。伝統的な良さもありますが、技術が進むにつれ簡素であっさりした仕組みにはなっているものの、品質的には圧倒的に新しい方が良い、ということです。漢方好きの私のことですから、ワインはやっぱりコルクでないと・・・・とは思っていません。私はスクリュートップが好きです。

    さて、医療の話を少し。いよいよインフルエンザの季節となりましたが、インフルエンザの検査キットをご存知と思います。先日は高感度検査器のことを書きましたが、もう一つ検査について書いておきたいと思います。インフルエンザの検査では、綿棒を鼻の奥まで突っ込んでサンプリングするのですが、これが結構痛くて不快です。いろんなメーカーの検査キットがありますが、大塚製薬のインフルエンザの検査キットに付いている綿棒は細くてしなやかでどの検査キットよりも鼻に対する刺激が少ないのです。そこで、値段は少し高いのですが、当クリニックでは今シーズンはこの大塚のキットを採用することにしました。患者さんは自分の家族と思って接する、という当クリニックの理念に従ったまでです。患者さんが自分の家族だと思えば、やはり少しコスト高でも痛くない検査キットを使いたいと思うのは親の心情だからです。

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  • 望聞問切

    「ぼう・ぶん・もん・せつ」と読みます。漢方の診察の基本を4文字の漢字で示したものです。

    望診とは、患者さんの様子を見て観察することです。表情、姿勢、体の歪み、目の動き、喉の様子、口の乾き具合、舌の様子、足のむくみ、皮膚の状態などなど目で見て観察します。

    聞診は昨日も書いたように耳で患者さんの情報を集めます。声のトーン、呼吸音、心音、足音などです。

    問診は、質問して答えてもらいます。いつからどこがどうあるのか、どんな時に調子悪くなるのか、どうしたらその症状は和らぐのか、などいろいろ聞きます。

    そして切診。切るのではなく、実際には触って調べます。体の冷えや熱感、リンパのはれ、脈の力強さ、お腹の圧痛、腹力などです。

    漢方は2000年以上前の医学体系ですから、昔は採血やレントゲンのデータなどは見ずに病態を診断していました。望聞問切の情報をフルに活用して理論立てて、診断から治療までを考えるのです。そこで、私たち漢方専門医は患者さんが診察室に入ってくる前から診察が始まります。待合ロビーで座っている姿、診察室に入ってくるときの歩き方、座り方、話し方、そのときの目の輝き、全部情報として役立てます。話もいろいろ聞きます。多分、通常の内科のドクターなら、採血してレントゲンを撮って、データから判断することが多いと思いますが、私たち漢方専門にしていると、検査所見は一つの参考としてみますが、それが全てではありません。最近は電子カルテが導入されているため、たいていのドクターはデータ入力に忙しくて患者さんの些細な情報を見ていないことが多いです。私はそれを極力避けるため、診察中はあまりパソコン入力はせずに会話に集中するようにしています。(その分診察後に入力していますので、診察後に少々時間がかかってしまいます。ご了承ください)

    心療内科をやっていると、「胸が苦しいです。動悸がします」といってきた患者さんが、心臓の病気か、ストレスからきたものかを見極めるが非常に重要になります。もちろん心電図など検査はしますが、それ以前にいろんな背景を聞いたり、その時の話し方などを観察して原因を探ります。その結果、よそでは「検査で異常ないから心配ないです」と言われて終わりだった患者さんにも、何らかの治療法を探ることができます。それは、循環器内科的には問題なくても、心療内科で考えると心身症や自律神経失調症かもしれないし、漢方的に考えて気虚(気の不足)や気鬱(気の巡りが悪い状態)かもしれないからです。

    つまり、西洋医学的な検査で分かるのは病気のほんの一部であって、それが全てではないのです。検査で異常なくても症状がある限り何らかの問題があるはずです。その診断をうまく説明できなくても、漢方的な説明ができれば、何らかの治療法もあります。

    東洋医学、西洋医学を問わずあらゆる手段を検討する、これは当クリニックの経営理念(その2)なのです。

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