むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 走らないこと

    私が以前勤めていたところでは、敷地が広かったせいか、職員は常時走り回っていました。外来でも、受付から診察室、処置室と縦に長かったので、歩いていたら確かに時間はかかります。それでも、走って得するのはわずかに数秒のことと思います。私は、旧職場の外来会議でことあるごとに「走るな」と言い続けましたが、最後まで治りませんでした。これは外来だけの問題でなく、病院全体が常に走っていたので、仕方なかったのかもしれません。

    クリニックを開業してから、うちの従業員さん達に「走るな」といったことは一度もありません。言わなくても走る人はいません。私としては大満足です。

    そもそも医療現場でナースや医者が走るを許されるのは患者さんの急変の時だけです。それ以外で走るのはみっともない。もし飛行機に乗っていて、キャビンアテンダント(スチュアデス)さん達が走り回っていたら、二度とその航空会社のチケットは買わないと思います。信用できないからです。病院もいい病院かどうかは雰囲気ですぐにわかります。受付の挨拶、笑顔、ナースとドクターの態度などなど、ぐるっと見渡せばいいところかどうかは検討がつきます。世の中はデータ重視で、手術の症例数だとか、成功率、自宅復帰率など様々なデータで病院を評価しようとしていますが、そのような数字は評価の一部であって絶対的なものではないと思うのです。少なくとも、職員がバタバタと走り回っているような職場は、よほど人が足りないのか、予期せぬ急変が多いのか、ミスが起こってもおかしくないと勘ぐられても致し方ないと思います。