むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コレステロールの話

    コレステロールが高いという話はよく聞きますが、本人にとっては痛くも痒くもないので、あまり実感がわきません。採血をして初めて分かるので、健康診断などで高いので注意しましょうと言われることが多いと思います。

    コレステロールは動脈硬化を起こす原因と言われており、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などに関係しています。きちんと下げておけば将来の重大な病気を防ぐことができるわけです。まだ本当の病気になる前に診断して治療するという意味では、漢方の言うところの「未病」に相当すると思います。せっかく見つかった高コレステロール血症はきちんと管理した方がいいでしょう。

    一方、80歳も超えた頃にはコレステロールの管理はあまり厳しくする必要はありません。薬も徐々に切っていいと思います。女性の場合、若い頃はコレステロールが高いことは少なく、50歳を超えた頃からだんだん上がってきますが、タバコを吸わないなら男性ほど厳しく下げる必要はないようです。

    コレステロールの薬はコレステロールの数値を治すために飲んでいると思ったら大間違いです。数値が下がるのは結果であって、目的は将来心筋梗塞などにならないようにすることです。それには血圧管理、禁煙など複合的にアプローチする必要があります。したがって、コレステロールをいくつくらいの数値まで下げたらいいかは個々で異なってきます。一概に正常範囲に入ればいいという話ではありませんので、何か疑問な点があれば、ご相談ください。学会のガイドラインをリンクしますので、興味ある方はご覧ください。

    http://dl.med.or.jp/dl-med/jma/region/dyslipi/ess_dyslipi2014.pdf

  • みんなの家庭の医学

    「みんなの家庭の医学」というテレビ番組があります。いつもは見ないのですが、たまたま夕食後にTVをつけていたらこの番組が始まり、漢方の特集をやっていました。ご覧になった方はいますか?2時間もある長時間番組でした。CMをカットすれば1時間でも十分な内容なのに、引っ張って2時間にした感じでした。しかし、内容はなかなかよくできていて感心しました。漢方の診断から治療、鍼灸の話まで網羅していました。中でも重症の冷え症の患者さんが2例紹介されて、漢方を1週間飲んだらあっという間に良くなったというエピソードがあり、ビートたけしが、「なんだかテレビショッピングを見ているようだ」とコメントしましたが、まさにそんな印象でした。実際にあんなにうまく行く症例は何例かに一例です。

    それにしても、西洋医学では治らない症状が漢方の力で治ることがあるというのは最近随分知られてきました。そもそも日本人にとって漢方や鍼灸が効くというのは江戸時代までは当たり前で、それが日本の医療のスタンダードだったのです。しかし、オランダから蘭学が入ってきて特に外科の分野が飛躍的に発展しました。そして明治になり西洋医学がスタンダートとなった挙句、漢方のことが忘れ去られたのです。医師国家試験も西洋医学だけで、東洋医学に関しては全く教育されていませんでした。

    しかしこの10年くらい漢方の教育が医学部のカリキュラムに採用され、次第に若い医師の方から漢方が効くのは当たり前、という認識に変わってきたのです。私もこの10年ほど大学の漢方教育の一翼を担ってきました。系統講義、臨床実習など学生さんたちに漢方がいかに素晴らしいかを啓蒙してきました。

    今日の外来では、多彩な訴えのある患者さんが数名来院されました。診察中、自分の頭の中では西洋薬で行こう、と思っていたのですが、患者さんからは漢方でお願いします、と言われました。それも一人や二人ではありません。そうなると、こちらも気合が入ります。やっぱり時代は漢方を求めているんだ、と思います。逆に、この症状は西洋薬では治せないから漢方で行くしかない、と思って処方したのに、漢方は苦手なので、他の薬に変えてください、と言われる方もおられます。できることならそうしますが、漢方以外で治す自信がない場合があります。洋の東西にこだわらず、ベストな治療方法を考えることは当院の経営理念です。

     

  • お薬手帳

    たいてい病院を受診すると、保険証とお薬手帳を見せるように言われると思います。薬手帳とはとても大切な情報源なのです。その患者さんがいつどこのクリニックを受診し、どんな薬をもらったか、これがわかればこれからの治療に非常に役立つのです。

    以前は、かかりつけの病院をコロコロ変えることをドクターショッピングと言っていましたが、最近ではそのようなことは日常茶飯事です。例えば、風邪であるクリニックを受診し、3日分の処方をもらって帰ったけどまだ良くならないというとき、以前なら最初の病院で続きの薬をもらうことが多かったのですが、最近は治らんから病院を変えてみる、という発想が普通になっています。患者さんがそのようにして来院されることがあるということは、逆にうちから他へも回っていることだろうと思います。したがって、相手が風邪でも癌でも最初から真剣勝負です。患者さんの困っていることを少しでも早く確実に治す方法を考えます。納得のいく説明ができなかったら負けだと思っています。

    そのような中で、以前処方された薬の情報が非常に重要になります。どんな薬を出されて、どの症状が治って、どの症状がまだ治っていないのかをつぶさに検討すれば、この後どう言った治療がいいのが絞られてきます。例えば、ある咳止めが出ていてあまり効いていないようだったら、それと違う系統に変えてみるとか、そういうことができるわけです。去年からマイナンバー制度が始まりましたが、今後マイナンバーカードの中に医療情報が入る可能性があり、今後はお薬手帳などはマイナンバーカードを受診の際に提出してもらうと、パソコン上で情報が読み取れるような仕組みになるかもしれません。何れにしても、薬歴というのは非常に大事な情報ですから、新しいクリニックを受診する際には必ず持参していただきたいと思います。

  • インフルエンザの治療あれこれ

    インフルエンザが随分増えてきました。週末から月曜にかけて寒くなりそうなので、注意が必要です。

    さて、インフルエンザにかかったら、どんな治療があるかご存知でしょうか?有名なのはタミフルです。この薬が出た時は画期的でした。もともとウイルス性の感染症ではヘルペス以外にこれといった治療薬が存在しなかったのが、突然治療できるようになったからです。タミフルは、中華料理に使う八角というスパイスから作った薬ですが、八角の入った料理(例えば豚の角煮など)を食べても効果はないそうです。タミフルは治療だけでなく、予防投与も認められているので、家族がかかった時などに自分はどうしてもかかったら困る、という場合にはタミフルを最大10日間服用することができます。10代の子供がタミフルを飲んだあとで突然道に飛び出したり建物から飛び降りようとしたりという異常行動が出たため、10代の子供には使わないことになっています。

    それに続いて出てきたのが、吸入タイプの治療薬です。リレンザとかイナビルとかがあります。吸入ですから肺に直接作用し、全身の副作用も少ないと思われるため、私は吸入タイプを中心に処方しています。きちんと肺の奥まで吸い込むことが大事ですので、子供やお年寄りで肺活量がなく十分吸い込めないような場合はお勧めできません。

    さらに、最近では点滴で治すインフルエンザ治療薬があります。一回の点滴で治療は終了します。高齢者で基礎疾患があってインフルエンザが重症化しやすい場合などに用います。

    私は漢方で治療することが好きなので、漢方を多用しますが、インフルエンザには麻黄湯という処方が奏功します。タミフルと同等の効果が証明されています。副作用が少なく、安全です。さらに、抗ウイルス薬でないので、免疫力がつき、後々インフルエンザに対して体が強くなります。抗インフルエンザ薬で治療すると免疫がしっかりつきませんので、なんどもかかったりします。私としては漢方だけで治せるようならそうしたいと思っています。どうせ学校は5日間は休む規則になっているので、漢方で直しても間に合うわけです。そのような治療もあることを知っておくと、いろんなオプションがあっていいと思います。治療法は医療サイドが提案しますが、選択権は患者さんにもあると思います。希望があれば、遠慮なく言ってもらうといいかと思います。

     

  • 漢方の講演会

    金曜の夜に大学で漢方の講演会でした。私が演者で、精神科領域の漢方治療について話しました。

    精神科領域とはいえ、私が日頃見ているのは心療内科です。精神科ほどヘビーな患者さんでなくて、ストレスで体調を壊したとか、そのレベルの心の病です。それでも、西洋薬の抗うつ剤などを使った方が早く元気になります。そこで、大抵は精神科系の薬剤と漢方を併用します。併用することで、西洋薬がが効いてくるまでの繋ぎとして漢方の方が即効性があるとか、漢方薬は習慣性がないのでいつでもやめられるとか、いろんなメリットがあるのす。

    そこで、今回の講演では漢方を併用することで抗不安薬などを極力使わず、使っても少量でうまくいくという話をしました、やはり、抗不安薬などを処方される側になって考えると、少しでも少ない方が望ましいです。通常ですと、抗うつ剤などは徐々に増量することで効き目が出てくるのですが、漢方を併用することで西洋薬は少なめで効き目を発揮するという場合があります。