むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コレステロールの話

    コレステロールが高いという話はよく聞きますが、本人にとっては痛くも痒くもないので、あまり実感がわきません。採血をして初めて分かるので、健康診断などで高いので注意しましょうと言われることが多いと思います。

    コレステロールは動脈硬化を起こす原因と言われており、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などに関係しています。きちんと下げておけば将来の重大な病気を防ぐことができるわけです。まだ本当の病気になる前に診断して治療するという意味では、漢方の言うところの「未病」に相当すると思います。せっかく見つかった高コレステロール血症はきちんと管理した方がいいでしょう。

    一方、80歳も超えた頃にはコレステロールの管理はあまり厳しくする必要はありません。薬も徐々に切っていいと思います。女性の場合、若い頃はコレステロールが高いことは少なく、50歳を超えた頃からだんだん上がってきますが、タバコを吸わないなら男性ほど厳しく下げる必要はないようです。

    コレステロールの薬はコレステロールの数値を治すために飲んでいると思ったら大間違いです。数値が下がるのは結果であって、目的は将来心筋梗塞などにならないようにすることです。それには血圧管理、禁煙など複合的にアプローチする必要があります。したがって、コレステロールをいくつくらいの数値まで下げたらいいかは個々で異なってきます。一概に正常範囲に入ればいいという話ではありませんので、何か疑問な点があれば、ご相談ください。学会のガイドラインをリンクしますので、興味ある方はご覧ください。

    http://dl.med.or.jp/dl-med/jma/region/dyslipi/ess_dyslipi2014.pdf