むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ほてり症

    冷え症の反対で、ほてり症というのがあります。更年期では首から上がカーと熱くなります。ホットフラッシュとも言います。また、別の病態では、寝ていて足の裏が熱くて冷たい壁に足の裏を当てていないと眠れないという場合もあります。

    どちらも切実な悩みですが、なかなか難しく、どこで相談していいかわからないと思います。更年期だと、産婦人科で見てもらえますが、更年期ではなくても例えば30歳代でも70歳過ぎていてもなんらかの原因でほてって仕方ないということがあります。そういう場合、婦人科も、採血検査をされると思いますが、更年期障害ではないと言われたらその先の治療はあまり積極的にはないのではないかと思います。

    そういう時こそ漢方です。漢方は、冷え症を治す処方があるようにほてりを治す処方もあるのです。そう簡単ではないのですが、色々やっていると、結構よくなります。手術を受けた創部だけが焼けるように熱くて一日中アイスノンで冷やしているという方もおられましたが、その方も漢方で良くなりました。これからは冷えで悩む患者さんが多い季節ですが、ほてり症も治るということをぜひ知っていただけたらと思います。

  • ストレス性の下痢

    仕事などのストレスが原因で下痢になることがあります。朝、仕事に行こうとすると急に腹痛が出現し、下痢になる。その結果、仕事に遅刻したりして日常生活に支障が出てきます。このような人は、結構たくさんいるのですが、内科にかかると感染性胃腸炎と症状が区別しにくいために通常の整腸剤などを処方されて終わり、ということが多々あります。

    このような人が病院にかかる時は、通常の胃腸炎ではないと思うこと、慢性的でストレスと因果関係があることなどを医師に伝えないと、誤診の元となります。さらに、胃カメラなどの消化器の検査を受けてもあまり所見がみられません。

    心の不調が体に出てくるこのような疾患を心身症と分類します。このように、心の問題と体の問題がオーバーラップしている分野が心療内科の領域です。下痢はお腹だから消化器内科、と思っても、実は心療内科が正解かもしれません。

  • 治せない病気の方が多い

    私の病気は治りますか、と聞かれることがあります。正直、私にもわかりません。そもそも、世の中の大半の病気は治せるものではありません。例えば高血圧。薬の進歩で200の血圧も130まで下げることができます。それ自体はなんら難しくないのですが、患者さんが治ったかと言われれば、治っていません。うまくコントロールできたというだけです。コレステロールもそうです。高い数値を低くすることはできますが、治ったわけではありません。結局、薬を続けないといけないのです。

    花粉症もそうです。薬を飲んでいれば症状は軽くなりますが、治ったわけではないので毎年毎年同じことの繰り返しです。加齢現象で膝や腰が痛い、眠れない、物忘れする、なども簡単には治りません。たまに薬がいらないレベルまで回復することがありますが、それは本人の努力もあります。要は、食事療法、運動療法です。言い換えれば、生活習慣の改善です。それなしに、薬で治ることを期待するのは難しいと思います。タバコを吸っていながら、咳が止まりませんと言われても、それはある程度仕方ないというしかありません。

    しかし、完璧に治すことだけがいいとは限りません。なぜなら、病院での治療は人生の目的ではなく、人生を楽しく豊かにする脇役だからです。全ての楽しみを投げ打って治療に専念するというのはどうかと思うことがあります。まあ、その人の価値観ですから一概には言えませんが、「一生薬を飲むのが心配」という前に、薬を飲んで多少なりとも一日が快適に過ごせるならそれでよし、治らなくても仕方ない、医学はそこまで進んではいない、と思うことが重要なパラダイムシフト(視点を変えることで新たな展望が開ける)だと思います。

    雨上がりの水滴が真珠のように輝く朝

  • 甲状腺疾患

    私のクリニックでは甲状腺ホルモンをかなりの割合でチェックします。漢方を希望してくる患者さんで、全身倦怠とか、足のむくみ、冷え性などあれば、漢方より何より甲状腺のチェックです。甲状腺ホルモンが低下するとだるさ、むくみ、冷えなどの症状が出てくるのです。もしホルモンが低い時は甲状腺の超音波検査をしたりして、腫瘍などの疑いがあれば専門病院を紹介しますが、そこまでない場合はホルモン補充を行います。

    健康診断でも甲状腺のチェックがあります。採血もありますが、健診医による診察で首の甲状腺(のどぼとけの少し下にある)がはれていると指摘されることがあります。このような場合、最初からエコー検査と血液検査を行います。また、風邪のような症状に引き続き、喉の甲状腺付近に痛みが出て、体調が悪くなることがあります。ドキドキしたり、イライラしたり、痩せてきたりする場合、甲状腺炎に引き続く甲状腺機能亢進症という場合もあります。

    また、熊本では少ないですが、関東から福島にかけては原発事故の影響で甲状腺癌が多発していますから、こまめに注意して超音波検査などを受けたほうがいいと思います。

  • 血圧が上がったら

    秋になり、血圧が上がってきた患者さんが結構おられます。夏の間は脱水傾向もあり、さらには血管が拡張し血管抵抗が下がるため血圧は低めとなります。しかし、涼しくなってくると血管は引き締まってくるし、塩味の効いた食事が美味しい季節でもあり、血圧が上がってきます。もう一つは、4月から9月までの上半期決算で絞られてストレスで血圧が上がった、という場合もあります。

    ストレスなどで一時的に上がった血圧は、しばらく様子を見て下がってくるのを待ってもいいのですが、通常は秋に上がった血圧は来年の春まで下がりにくいと思われます。私の場合、患者さんに1−2週間家庭血圧を測ってもらって自宅で安静にしている時の血圧も高いようなら治療を開始します。薬を始めたらずっと飲まないといけないでしょう、と言って嫌がる患者さんが多いですが、血圧の薬を飲むことによるデメリットと、きちんと血圧管理をした際のメリットを考えると、当然血圧は管理したほうがいいと思います。

    ただ、漫然と薬を飲むのではなく、塩分制限、運動など日常生活の見直しもしながら、薬をやめることができないかはチャレンジすべきだと思います。運動をすると血圧が下がりますが、高いまま運動をすると危険を伴いますから、まずはちゃんと治療を開始してから運動に取り組んだほうがいいのではないかと思います。