むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 逃げ恥

    「逃げるは恥だが役に立つ」というTBSの火曜ドラマが始まりました。今週が第2話。これまで10年くらいまともにドラマなど見ていなかったのに、今度はたまたま見入ってしまいました。脚本が面白い、新垣結衣さんもいい。原作は漫画なので、ドタバタもありますが、興味を持ったのはもちろんドラマのタイトルです。

    心療内科をしていると、1日の大半は悩みの相談です。職場のこと、友人関係のこと、学校のこと、受験のこと、介護のこと、嫁姑のこと。みんな本当に悩みながら生きています。そして、病院に来る人たちに多いのが、悩みながらも何くそーと頑張っちゃう人たちです。柳のように風に吹かれてしなやかに揺れていれば木は折れないのですが、全くしならない大木は大風に吹かれて根こそぎ倒れることもあるのです。患者さんたちの悩みを聞きながら、「そんなに頑張らなくてもいいんですよ、逃げてもいいんですよ」といつも思っています。ドラマのタイトルはことわざのようですが言葉遣いがなんか変です。ドラマの中で、ハンガリーのことわざだと言っていましたが、それが本当なら、日本語でもう少しこなれた言い方を考えたいものですが(普通に「逃げるが勝ち」でもいいのでは?)、直訳調で、ちょっと味気ないですね。

    熊本地震の時も、本当なら「逃げるが勝ち」です。動物的な勘と本能に従えば、あの状況なら逃げます。ところが、みんなが「がんばろう、熊本」という掛け声のもと逃げてはいけない雰囲気を作ってしまいます。子ども達は学校が休みで、家にいても余震に怯えながら過ごしていました。ボランティア活動に精を出した子どもさんもいるのですが、県外の親戚のところに子どもを避難させたご家族も大勢いました。そういう中、怪我もしてないし、住む家もあるのにボランティアをさせずに県外に避難させるなんて、と他人のことを陰口を言う人もおられたようで、そのために鬱状態になってしまった方もいます。やはり、日本人にとっては、逃げるは恥なんでしょうか?

    私の今の仕事は、逃げることを正当化し、ちょっとの間でもストレスから逃れて体調を立て直すことをお手伝いしています。頑張れないから体が悲鳴を上げているのです。誰かが、そんなに頑張らなくていいんですよと避難誘導してあげなければ、日本では避難そのものが後ろめたく困難なようです。ドラマのタイトルを思い出し、「逃げるは恥だが役に立つ」と逃げる自分を正当化しましょう。困った時はご相談ください。そんなに頑張りすぎないでいいんですよ。

    thumb_img_0697_1024

  • 人の仕事ぶりが気になる

    勤務医から開業医(経営者)になると、同じ医者の仕事をしていても視点が変わります。例えば、郵便局に行って82円切手を一枚買うと、えらく時間がかかった上で独特のレジの機械にお金を入れ、やたら長いレシートを受け取ります。切手一枚買うのにこのレシートの長さはなんだ、とか、コンビニのレジと比べると効率悪すぎると、とか、いろいろ思うわけです。しかし、それくらいはまだ許容範囲です。

    今日は、子供の携帯の機種変更のためにドコモに行ったのですが、まず整理券を取り、自分の番が来るまでに1時間半。それから、親の名前、親の携帯番号、子供の携帯番号、月々のパケット使用料、自宅にWifiがあるか、などいろいろ聞かれます。そんなのいちいち聞かなくても、子供の携帯番号を入力すればドコモと契約しているのだからそっちで調べれば一瞬でわかることだと思うのです。機種を変更に来ましたと言っているのに、プランの見直しだとか、いらないサービスとつけようとしてきたりとか、とにかくうるさいし、非効率。そんなことしているから整理券を引いてから1時間半も待つことになるんでしょう。顧客のニーズ(何をしてほしいか)をコンシェルジュが聞いたら、それに集中して仕事をしてほしいものです。

    クリニックでも、患者さんが来られたら看護師に簡単な問診をしてもらうことにしています。今日はどうあってきたのか、詳しい検査をしたいのか、前回と同じ薬がほしいだけか、患者さんの来院の目的をきちんと聞いておくことで効率的に無駄なく対応できるように心がけています。もちろん「いつもの薬を」と言われても、定期的な検査が必要な場合もあるし、薬局ではないので希望だけで言われた通りに薬を出すことはできないのですが、少なくとも急いでいるからいつもの薬を1ヶ月分欲しいとか、そういう希望にはできるだけ添えるようにしています。

    それにしても、ドコモのやり方は非効率で呆れてしまう。AUには行ったことないので知らないけれど、ソフトバンクはもう少しスマートな対応だったと思います。なんだか、ドコモと郵便局は通じるところがあります。もともとお役所ですから・・・。

    thumb_img_0694_1024

  • デジャブ

    今日で内覧会から1ヶ月となりました。クリニックの表に大きな看板で内覧会のお知らせと開院予定の案内を出していたのですが、今日を区切りに撤去しました。

    話は変わって、介護保険を使った訪問診療で居宅療養管理という項目があり、これは国保連合会に申請しないといけないらしい。実はこの件に関してはだいぶ前にネットを見ていて気がついて、とっくに申請していたと思っていました。ところが、まだ出ていませんよという話がきてびっくり。何か他に、自分が知らない書類があったのかと思って国保連に電話しました。すいません、今月開業したばかりでよくわからないので教えてください・・・。

    すると、ホームページのどこどこを見てダウンロードして、郵送してください、と言われました。デジャブです。まさに何週間か前に同じ件で連絡し、同じ対応でした。その書類を記入し、添付書類を準備し、まさに同じことをやったような気がしてならない。そこで、このブログをずっとさかのぼって読み返しました。実は、この件で「なんとまだ書類を出さないといけないところがありました!」という感じで書いた気がしたからです。しかし、見つかりません。あまりに忙しく、毎日書類を書くのに追われていたので、実際書いたのと、頭で準備しなくちゃと思ったことと、区別がつかなくなっています。しかし、控えをファイルしているところを見ても、提出した形跡がないので、きっと書類の書き方まで詳細に読んですっかり書いた気になっていたのでしょう。まだ月末まで間に合うので、明日大至急で提出するつもりです。それにしても、書類を書いた記憶だけでなく、それを書いたことをネタに、このブログを書いた記憶まであるので、今ここでブログを書きながらもデジャブです。

     

    今日は桜十字病院へ在宅医療の事務的な詰めの話し合いに行ってきました。すれ違った元同僚たちが声をかけてくれます。みんな元気そうで何より。私が趣味で花の写真をたくさんとって桜十字の外来でテレビモニターにスライドビューを映してあったのは今も健在でした。外来でお待ちの皆さんには花の綺麗な写真で和んでいただきたかったのですが、私が辞めた後もその写真を使ってもらっているのが嬉しかったです。

    thumb_img_0677_1024

    立田山の山ノ神です。こういう風に岩を祀ってある山ノ神様が立田山に私の知る限りで5ヶ所ほどあります。

     

  • 訪問診療いよいよ

    開院してすぐから準備を始めた訪問診療の契約書をはじめとするいろいろな書類が完成し、いよいよ患者さんの元へ契約に出かけました。往診と訪問診療が異なるのは、往診が患者さんやその家族からの求めに応じて臨時に訪問するのに対して、訪問診療は在宅療養計画書という計画に基づき、月に何回いきますという契約を交わしてから定期的に訪問するものです。

    今週全部で12人の契約を交わし、10月に入ったら早々に定期的な訪問診療を開始します。少し前に、居宅のみなし事業所の申請を市役所にしたという話を書きました。その後、市役所からは一向に音沙汰ないので、何か送ってこないのでしょうかと電話で問い合わせたら、みなし事業所というのは「みなし」であって、申請に対して許可を出すものではなく、事業を始めますという報告に基づきその施設を介護事業所としてみなします、と言われました。何か言葉のあやみたいですが、結局うちのクリニックも介護事業をしますよ、と宣言するだけでいいらしいのです。そこで、10月から始めるつもりですが、問題ないですか?というと、問題あれば電話しますが、連絡がなければ問題ないということです、と言われました。ということで、何も特に連絡がないようなので、始めてもいいと受け取りました。もちろん、厚生局からは在宅療養支援診療所の許可をいただいています。

    話は変わって、当院のナースがムチ打ちみたいになって首が痛い、手が痺れる、といってきました。鍼をしても良かったのですが、整体のちょっとした技で、首の痛いところから腕にかけて5分くらい骨格や筋緊張を調整したらあっという間に良くなって、びっくりしていました。いつもこんなにうまくいく訳であありませんが、こんな手技(わざ)で治療できるなんて、素敵じゃないですか。私は漢方やハリや整体のわざに憧れて日々研究しています。昨日書いたように業界紙で「医道の日本」というものがあります。柔道や剣道のように医学、医術も「道」につながるのです。それが日本の医学の面白いところであり、私が惹かれるところなのです。

    thumb_img_0668_1024

    写真は嘉島にある浮島神社です。震災の影響も大きいですが、その美しい佇まいは健在でした。

     

  • 秋雨

    猛暑が続いた今年の夏から季節はぐっと進んで今週は秋雨の1週間になりそうです。朝から雨が降り続き、こんな日は外来も少ないかなーと思っていました。そんな中、前の病院で診ていた患者さんたちがはるばる来院していただき、懐かしい話(といっても1ヶ月ほど前の出来事)や、近況などを話して賑わいました。

    私は以前、国立病院機構熊本医療センター(前は国立熊本病院と呼んでいました)で働いていたのですが、その当時からお世話になっていた副院長の高橋先生と地域連携室からわざわざご来院いただきました。国立熊本病院は急患を断らないという経営方針を打ち立ててからは日本でも屈指の救急病院に生まれ変わりました。当時は、救急部だけでなく、脳卒中などを見る神経内科、外傷を見る整形外科、それから心不全や心筋梗塞を見る私たち循環器内科などは急患のオンコールで年中忙しくしていました。帰宅途中に病院から呼ばれてとんぼ返りということもしばしばでした。そんな過酷な日々で一緒に汗を流した救急の高橋先生には、救急のいろんな実際を教えていただきました。私は国立熊本病院に就職する前にアメリカの留学先でテキサス大学麻酔科の集中治療部と救急部で臨床に近い基礎研究をしていました。救急部では朝の回診も行っていました。そういう流れで、日本に帰ってからも救急部に入ろうかと考えたこともあったのですが、結局は循環器内科を選択したのです。

    私がアメリカにいた当時、ニューヨークの同時多発テロがありました。先日9月11日はそのテロから15年が経過したというニュースを見て、年月の流れる早さに今更ながら驚いたところです。

    thumb_img_0657_1024

    処置室の黒い床もピカピカです。