むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 植物性乳酸菌

    乳酸菌に動物性と植物性があるのをご存知でしょうか?動物性は言わずと知れたヨーグルトを作るときの乳酸菌です。牛乳の中に入れてやると半日くらいでヨーグルトができます。昔、カスピ海ヨーグルトがはやったときに、ヨーグルトをスプーン一杯あたらしい牛乳の中に入れてかき混ぜ、40度くらいで保温すると、また新しいカスピ海ヨーグルトができたので、毎日継ぎ足しながら作っては食べていました。これは、カスピ海ヨーグルトだけでなく、市販されているほとんどのヨーグルトで可能です。

    一方、植物性乳酸菌はぬか床にいる乳酸菌です。ぬか漬けをつけすぎると、酸っぱくなりますが、あれが乳酸です。ぬか床につけた野菜を発酵して乳酸を作ります。私は2年くらい前にぬか漬けにチャレンジして、毎日毎日ぬか床をかき混ぜてはきゅうり、人参、ナスなどをつけていました。今の季節はそういった野菜が豊富で、気温が高いので乳酸菌も元気に発酵して美味しいぬか漬けができます。冬になると発酵のスピードが落ちるので、つける時間は長くかかります。

    ぬか漬けをしていると、野菜の汁でぬか床が水浸しになってしまうことがありますが、この水をすくって牛乳や豆乳に入れて一晩保温すると、植物性乳酸菌で作ったヨーグルトができます。とても美味しいです。しかも、動物性より植物性の方が胃酸に強く、生きて腸まで届くらしいです。

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    2年前につけ始めたぬか床は雑菌が入って残念ながら廃棄しましたが、この夏、再びぬか漬けにチャレンジしています。今週から始めたぬか床は次第に元気に発酵してきて、美味しいぬか漬けができるようになってきました。塩分の取りすぎには注意が必要ですが、発酵食品は健康の元です。

  • 介護保険主治医意見書

    介護保険を使ったサービス(デイケアや通所リハビリ、訪問看護、訪問診療、老人ホームの入居など)を受けるにはまず介護保険の申請が必要です。介護保険の申請には主治医意見書という書類を医療機関で書いてもらわなくてはいけません。そのためには、自分の生活のことをよく理解してくれている主治医が必要です。主治医意見書に現状の困っている点、不自由している点などをきちんと書き込んでもらうことで適切な要介護度の判定を受けられます。一見元気そうにしていても、時間によってひどい認知症症状がある場合や、パーキンソン病のように手足が震える症状が実は認知症だった、など、きちんとした情報提供なしには正しく評価を受けられません。要介護認定が低くなると、受けられるサービスも少なくなります。日頃から信頼できる主治医とコミニュケーションを密にとっておくことをお勧めします。

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    大病院や救急病院にしかかかっていない場合、主治医意見書をなかなか書いてもらえなくて困るケースが見受けられます。当院にかかりつけの患者さんには、日常生活でお困りのことを丁寧にヒアリングし、それをもとに主治医意見書を作成します。介護の必要な高齢者を家族だけで抱え込まず、社会全体で支えられるように、介護保険のサービスを利用しましょう。私たちはそのお手伝いをいたします。

  • 梅雨時の体調不良には五苓散

    今年は梅雨入りしてしばらくはいい天気が続いていたので、昼間は30度を超える暑さだった。日曜日は雨が一日降り続き、湿度も高く蒸し暑かった。体はまだこの暑さに慣れていないので、体調を壊す人も多い。

    梅雨時に体調を壊して病院を受診する人にはパターンがある。訴えとして多いのはめまい、ふらつき、片頭痛、下痢などだ。これらにはあまり関連性がないように見えるが、漢方的には共通点がある。すべて、痰飲、あるいは水毒というグループに入るのだ。これは、もともと水分過剰気味の体調の人に、外的な環境の湿気が悪影響を及ぼして体調を壊すのだ。天気が悪くなると頭が痛くなる、というのは関連性がわかりやすいので患者さん自身もそれに気づいていることが多い。しかし、めまい、ふらつきなどはまさか天気のせいだとは気付かない人が多い。

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    この時期は外の湿気が多いので、体の内側に湿気をためない工夫が必要だ。むやみに水分を摂りすぎない。特にビールのように冷えた水分をたくさん飲まないこと。漢方薬では五苓散(ごれいさん)という処方が体の余分な水分を取り除いてくれる。頭痛にも、めまいにも、下痢にも効く便利な処方だ。漢方外来ではもちろん、市販されているので、漢方を扱う薬局でも手に入る。梅雨時の体調管理に便利な薬だ。

    自分はといえば、この蒸し暑い日曜日、雨が上がったのを見計らって昼間に12kmほどランニング。汗は蒸発しないので滝のように流れる。月に数回面談にくる製薬メーカーの人からは、会うたびに日焼けして黒くなってますね、と言われた。

  • 鹿角霊芝(ろっかくれいし)

    鹿角霊芝(ろっかくれいし)という漢方薬がある。霊芝というのは「さるのこしかけ」ともいうので、そちらの方が馴染みがあるかもしれない。よく、がん患者さんがワラをもすがる思いで高いお金を出して買うイメージがある。

    この霊芝は最近は普通のキノコのようにおかクズで栽培できるらしい。先日の統合医療学会の後の懇親会でお会いした社長さんが、霊芝を栽培していると聞いた。鹿角(ろっかく)というのは読んで字のごとく鹿のツノという意味だが、鹿角霊芝は鹿の角に似た形の霊芝という意味だ。要は、椎茸にドンコがあるように霊芝には鹿角霊芝があるのだ。つまり、傘が開く前の若い霊芝のことで、有効成分も多く含まれているそうだ。

    その社長さんによると霊芝はがんだけでなく、肝疾患や腎疾患、糖尿病、水虫などの感染症などあらゆる疾患に効くと力説されていた。僕は漢方の専門家だが、霊芝のように高くて保険収載されていない生薬は扱ったことがないので全く知識がなかった。これを機に少し勉強してみよう。きっと患者さんの役に立つと思う。がん治療でなければ霊芝も少し使って薄く煎じて飲めばいいらしい。懇親会の場にいた別の病院関係者が、自分はその霊芝でB型肝炎が治りました、と言っていた。西洋薬にそんな薬はない。すごいことだ。

    そして、熊本の画図で栽培した鹿角霊芝で患者さんを救えるのなら、他の漢方が中国や北朝鮮からの輸入に頼っている現状の中で、地産地消の漢方として非常に今後期待されると思った。
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  • 統合医療

    統合医療という分野がある。名前の通り、いろんなジャンルの医学を統合したものだ。西洋医学で足りない部分を補う。漢方、ハリ、整体、ヨガ、アロマ、リラクゼーション、その他いろいろな健康関連の専門家が集まった学会だ。土曜日には熊本で統合医療学会が開催された。僕はこの学会の世話人で、学会では特別公演の座長を頼まれた。

    その学会で聞いた面白い話をひとつ披露したい。

    ご存知の通り、北海道の夕張市は財政破綻して厳しい環境にある。夕張の医療体制も崩壊したと言っても過言ではない。住民は超高齢化しており、普通だったらみんな病院通いが仕事のような人たちばかりだけど、病院そのものがほとんど消滅してしまい、よほどのことがないと病院に行くことはない。救急車を呼んでもなかなか来ないし、救急患者は60キロくらい離れた札幌まで搬送されるらしい。そんな中、夕張市民の健康状態を調査した結果が発表された。なんと、驚いたことにガンや肺炎で亡くなる患者さんの数は人口当たり、日本全体の統計とほとんど変わっていないとのこと。つまり、医療体制が崩壊しても、夕張市民の寿命は短くなっていないそうだ。驚きとともに、感動すら覚えた。(詳しくは森田洋之先生の著書:破綻からの軌跡〜いま夕張市民から学ぶこと〜を見てください)

    日本の(医療)財政は近い将来必ず破綻する。夕張で起こったことが、日本全体で起こる。その時、日本はどうなるんだろうと思っていたが、心配ないようだ。では、夕張ではなぜなんとかなったのだろうか?

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    それは、お年寄りを地域全体で支え合う。認知症が進んだ高齢者で、普通なら入院して寝たきりになるような人でも、地域のみんながそれを見て、声をかけ、助け合うことで一人暮らしが可能。点滴をしないで口から食べることで、認知症も改善し、歩けるようになる。そして、年取って病気になった時に入院、検査、点滴、ベッド上安静という本人は望んでいない治療を甘んじて受けることなく、自宅に帰る。そこには在宅診療、訪問看護という病院を使わず生活の中での医療サービスを受ける仕組みを充実させる。また、肺炎球菌ワクチンなど予防できる病気の予防はきっちり行う。

    厚労省は日本全体の病床数を削減し、在宅医療に舵を切るよう仕向けている。これは、無駄にお金をかけない医療体制作りというだけでなく、最後まで住み慣れた地域や自宅で幸せに過ごす時間を大切にする、という意味で、決して悪いことではない。ただ、これまで病院任せにしていたところを他人任せにしないという覚悟が必要となる。