むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 11月3日は祝日のため休診です

    11月3日は文化の日で祝日です。当院の診療もお休みとなります。急な発熱などありましたら、休日当番医か地域医療センターの方へお願いします。ちなみに4日(土)は通常通りの診療です。世の中は金土日の3連休のところも多いみたいですね。訪問診療は通常どおりのため、私は休み無しです。いつもだと、訪問担当看護師さんが同行してくれるのですが、休日は私が一人で回ることになっているため、朝から電子カルテで訪問予定者の受付をして、その日の訪問記録を作成します。20人近い訪問なので、これだけで1時間程かかります。

    さて、今日は100名をこす診療でクタクタでしたが、仕事が終わったらすぐその足で日赤の勉強会に参加しました。テーマは睡眠です。よしむらクリニックの吉村院長が睡眠時無呼吸の患者さんのスクリーニングについて話され、次にくわみず病院の池上院長が睡眠障害について講演されました。どちらも有意義でした。当院でも不眠の患者さんは非常に多く、毎日のように眠れない相談があります。子供の夜更かしから高齢者の全然眠れません的な不眠まで様々です。そして、よく聞かれるのが睡眠薬を飲むと認知症になりやすいというから薬は飲みたくない、だけど眠れないのはつらい、と、診察時に堂々巡りを繰り返していつまでたってもどうしてほしいか決まらない方も数多くおられます。今日の勉強会ではそのような人に朗報がありました。

    レム睡眠というと夢を見る時間で寝ているけど頭が働いている時間があります。実はこの時間は記憶の断捨離に必要だとのことで、レム睡眠で頭のメモリーが整理されて新たな記憶が入るスペースができるそうです。そして、最近よく使われる新しい睡眠薬はレム睡眠が多くなり、夢が多いのが睡眠薬としては玉に傷みたいな印象だったのが、実は認知症予防の働きを持っているかもしれないとのことでした。まだ証明された話ではありませんが、少なくとも認知症になりやすいということはなさそうなので、高齢でも安心して使えそうです。また、この新しい眠剤は夜間の転倒リスクも明らかに少ないことがわかっており、これからますます広く使われることと思います。

  • 冷えたら温めるのは漢方の基本

    朝晩は涼しいですが、昼はまだまだ暑いですね。私は午前中長袖白衣で、昼からは半袖にして診察室は冷房を入れています。暑いと仕事の効率が落ちるのでもし寒かったらお許しください。もともと私は冷え性で、カイロをポケットにいれて診察するほどでした。ところが、3年前に韓ドラを見始め、街の韓国料理店にも足しげく通いどんどん激辛料理好きになり、最近ではどんな料理にも唐辛子を入れて食べるようになりました。そのせいかわかりませんが、冷え性は治り、暑がりになりました。

    漢方薬を処方する際にとても気をつけるのが寒熱虚実という概念です。寒証の人に体を冷ます薬を出すと調子が悪くなるのは当たり前。しかし、案外西洋医学はそんな当たり前を無視しています。例えばロキソニン。鎮痛剤として腰痛、頭痛などに幅広く使われますが、風邪を引いたときの熱冷ましとしても使われるように、解熱鎮痛剤は体を冷やす性質があります。漢方を勉強したわたしたちにすれば、寒証の人にはロキソニンは使ってもごく短期。間違っても1ヶ月単位で処方することはありません。風邪のときもさむけがする時は温めるのが基本。しかし、西洋医学では解熱剤で冷やしたり、氷枕などで冷やす(クーリング)が基本ですから、まる反対です。

    最近はインフルエンザが流行ってきました。インフルエンザなど、寒気がする場合が多いので、温めたほうがいいのですが、どうやって温めるか。まず、温かい布団に入る。熱々のおかゆやうどんなどを食べる。葛根湯や麻黄湯という温める風邪薬をお湯に溶いてフーフーしながら飲む。ドライヤーで温風を背中、特に肩甲骨の間から首の付根付近を温める、などがおすすめです。そしてもう一つ大事なのは温めるときに汗をどっとかくほど温めないこと。大量に発汗すると体が冷えるし、疲労感が出ます。わずかに汗ばんだらそれ以上温めすぎないように注意です。

    久木野

  • リブレは生活改善に大きく役立つ

    夕方、仕事が終わって東洋医学会の役員会がWEB開催されたので、大急ぎで帰宅して参加しました。コロナ前は九大の講堂に九州各地から集まっていたのですが、WEB会議の発達のおかげで仕事の後に自宅から参加できるのは素晴らしいです。旅費もかからないし、貴重な週末が潰れないですみます。会議が終わると、直ちに漢方のWEB講演に参加しました。佐賀の栗山先生が毎月開催されている勉強会です。こちらも県外のわたしたちが気軽に参加できるのは嬉しいことです。その講義を聞きながらふとメモに目をやったら、今もう一つ心臓関係のWEB講演会があっているのを思い出しました。私はいつも複数の講演をパソコンを並べて同時視聴するので、今日もなにげにそちらの会にも入ってみました。

    すると見始めてすぐに講演に引き込まれてしまいました。熊大循環器時代の先輩で今は慈恵会医科大教授になられた吉村道博先生の講演でした。心臓の生理から実験、そして臨床と話は幅広く、科学の面白さ、不思議、ロマンあふれる素晴らしいお話でした。内容は高度に専門的な話なのでこちらには書きませんが、目からウロコとはこのことかと思うほど感動的な講演でした。おかげで、もう一方で途中まで参加していた漢方の講演は全く頭に入りませんでした。

    ところで、リブレという血糖測定器をご存知ですか。パッチ型のセンサーを二の腕にペタっと貼るだけで2週間連続した血糖が測れます。結果は数値と折れ線グラフでスマホで見ることができます。今日来た患者さんが結果を見せてくれました。最初は食事のたびに血糖が200くらいまで急上昇していました。何をどのくらい食べると血糖がどこまで上がるという結果をリアルタイムにフィードバックしてくれるので、自然と食事を気をつけるようになります。また食後に運動することで血糖が上がらないのも一目瞭然でした。その患者さんは2週間測定している間に食事と運動を工夫し、後半では食後血糖があまり上がらない様になっていました。素晴らしい。今、スマートウォッチで血糖が測れるセンサーが開発されており、市販される日も近いと聞いています。こういうデバイスの発達は生活改善の大きな助けになると期待できます。

  • 認知症予防に魚のアラ汁はいかが

    この週末、久しぶりに牧田善二先生の本を読みました。「認知症にならない100まで生きる食事術」(文春新書)です。これまで牧田先生の本は何冊か読んでクリニックの待合に並べていました。今回の本はまだ発売されて1週間ぐらいしかたっていません。できたてほやほやの本です。認知症にならない方法がわかるならなんて嬉しいことでしょう。牧田先生も本の中で言っていますが、認知症になってしまったら治せる薬なんてありません。保険で収載されているアルツハイマーの治療薬はいくつかありますが、まず効きません。私はほとんど処方しません。訪問診療などで高齢者の診察を頼まれると、前医の処方で認知症の薬が入っていることがあります。最初はしばらくその処方を引き継いで様子を見ますが、だんだん、この患者さんが怒りっぽいとか気分にムラがあるのは薬のせいだろうとはっきりしてきたら、薬を止めます。するとみるみる穏やかになり、介護士さんを悩ませるような介護への抵抗や徘徊がおさまることがあります。

    本題に戻りますが、認知症になってしまったら後戻りは難しい。ではどうすればいいかというと、50過ぎたら認知症予防を意識して食事に気をつけるということ。50頃から20年ぐらいかかってだんだん後戻りできない変化が脳に起こってくるわけです。最近人の名前を思い出さないとか、頼まれた仕事をうっかり忘れていたとか、物忘れの兆しがあれば、一刻も早く進行を止める対策が必要です。牧田先生は、認知症は頭の糖尿病と言われています。糖質(炭水化物)をとりすぎないこと、肉、魚、野菜をしっかり取ること、高温で調理したものは糖化タンパク(AGE)が多いので揚げ物>グリル>煮物>生の順で注意。もっと具体的なことがたくさん書いてあるので、ぜひ目を通してください。当院待合の本棚に並べておきます。

    当院では、コロナ後遺症の人をたくさん見ましたが、ブレインフォグという頭がボーとして人の指示も入らず、考えがまとまらないという人をたくさん治療しました。これは認知症ではないのですが、似たようなもの。当院の経験で著効したのはオメガ3(EPA/DHA)という魚油カプセルです。これを食事に置き換えるならとにかく魚を食べることです。上記した通り、焼くより煮たほうが糖化タンパクが少なくて健康的ですが、刺し身がベストです。お寿司にすると無駄に炭水化物を取ってしまうので、要注意。私が考えた最も魚油を美味しくヘルシーに取る方法はスーパーで魚のあらを買ってきて味噌汁にすること。あらは安いし、味噌とネギと昆布があれば簡単にできます。

    県庁の銀杏並木 紅葉が少し進みました

  • 高齢者の引っ越しは大変

    老人ホームを中心に訪問診療をしています。10施設以上訪問しているので、それぞれのホームのいいところ悪いところがだんだん見えてきます。良し悪しというのは一般的な話の場合と、入居者さんと施設の相性の場合があります。例えば、寝たきりに近いお年寄りの場合、看護や介護の体制が充実している方がいいし、元気で活動的な場合は買い物などにでかけたり室内でお酒を嗜んだりできる自由度の高い方がいいと思われます。したがって、同じ高齢者でもその時々で適した施設が異なってくると考えられます。

    また、老人ホームを決めるのはお年寄り本人である場合より、家族が決める場合の方が多いような気がします。すると、お年寄りが住み慣れた町をはなれて子供の住むところの近くや子供の職場の近くなどが候補となります。また、施設は良かったけど毎月の支払いが高すぎて断念するという場合や、評判のいい施設は常に満室で空いていないという場合もあります。とにかくいろんな事情で入居先が決まってきます。

    事情はともあれ、90歳位になって住処を引っ越すのはとても大変です。体力的な問題よりも精神的なものが大きいのです。介護してくれる人がガラッと変わり、食事やデイサービスなどの内容もかわり、お風呂の設備も変わる。ものがどこにいったかわからない、誰に何を頼んだらいいかわからない、お風呂やトイレの勝手が違うと転んだりするリスクになる、などなど。そして、施設を移ったお年寄りが1ヶ月もしないうちに亡くなったなんて話をよく聞きます。高齢者の転居は十分下調べをして慎重にしていただきたいものです。