むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 痛みが取れました!

    先日来院された女性のお話です。70過ぎの方で、首が痛くて上を向けないということでした。かなり痛みは辛そうでした。みると微熱もあります。首を丹念に触っているとどうも上の方(頭に近い方)に痛みがある様でした。実はこの方は当院に来る前に2つの整形外科を受診し、投薬をうけたけど治らなかったという触れ込みでした。整形の専門で治らないのに内科の私にどうして欲しいのか、と思いますが、ちょうどこの症例はピンと来るものがありました。

    クラウンデンス症候群です。首の関節に起こる痛風みたいなものです。痛み方、微熱、首を触った感触などからおそらくこの疾患に違いないと思いました。正確に診断するには首のCTがあればいいのですが、クリニックにCTはありません。丹念に所見を取ることが全てです。今まで何人もこの疾患の治療をした経験から間違いないと思い、処方を1週間分出してみました。

    そして、今日、満面の笑顔でその患者さんが来院されました。先生、上が向ける様になりました!全然痛くなくなりました。近所の人たちもそんな姿を見てびっくりしてました。ということです。嬉しいことこの上なかったです。やはり絶え間ない日々の勉強が患者さんの利益なのです。

    燃える夕日@尾ノ上

  • 基礎医学が基本

    医学部は6年あります。通常の大学より2年長くなっています。何を勉強するかご存知ですか?最初は通常の大学生と同じで教養というのがあり、英語や数学を習います。いま思い返しても、大学の数学などなんの役にも立っていません。難しすぎて、ほとんど哲学でした。その後、医学の勉強が始まるのですが、基礎医学、臨床医学、臨床実習という段階に分かれています。基礎医学では、解剖学に始まり、生理学、生化学、薬理学といった基本を習います。その後、内科、外科、小児科など各科の疾患と治療について勉強し、最後に大学病院での実習があるのです。

    いま私の臨床を支えているのは基礎医学です。なかでも生理、生化、薬理がもっとも役に立っています。例えば、血圧の治療薬はすごい数ありますが、どの薬がどんな風に良い、悪いというのは製薬会社のパンフレットではわかりません。いいことしか書いてないからです。しかし、基礎医学の知識があれば当然薬の優劣が見えて来ます。製薬会社の宣伝でとても優れた薬剤の様に見えても、使ってみると旧薬の方がよほど優れていたということはざらにあります。しかし、製薬メーカーは繰り返しいいところを強調するため、次第に洗脳されて来ます。私たちがこの洗脳から逃れ、自分で優劣を判断できるためには、基礎医学の知識しかないと思います。

    当院は、循環器内科を専門としているため、高血圧患者さんなど多数来院されますが、結構な割合で前医の処方を私の判断で変えさせていただくことがあります。しばらくすると、患者さんからは薬が減ったのに今までにないほど血圧が安定して来ました、と喜ばれます。この様な臨床のコツというのは、基礎医学あってこそのものだと思います。

  • 三石巌(みついしいわお)の本

    私が患者さんに炭水化物を減らして肉を食べる様にとしつこく指導しているのは「藤川理論」によるものです。藤川先生は広島で心療内科を開業されており、食事療法で非常に成果を上げておられます。著書も多数あり、フェイスブックのグループもあり私はそれに参加しています。実はこの藤川理論が現在あるのは先駆的な学者のおかげなのです。それが三石巌先生です。三石先生は東大出身の物理学者で発明家であり哲学者でもあります。その先生が60歳すぎてから分子生物学を自分のものとし、発明家であったために独自の発想で分子生物学を理論立てて健康論を完成させました。私たち医学や生物学をベースとしている人間とは違い、物理と哲学の世界から合理的な理論をつめて打ち立てた世界は、いわばパラダイムシフトです。

    三石先生は1997年に96歳で亡くなっておられますが、没後20年も経った現在たくさん本が出版されています。この週末に読んだのは「賢脳食:脳を活性化させる食事と栄養」です。

    藤川理論の基礎となっているだけあって今私が実践している内容とおなじなのですが、こんな発想から生まれたんだと読みながら感動しきりです。

    私たちの体の設計図はDNAです。このDNAに書かれているのはアミノ酸配列だけです。どんな時にどんなタンパク質をつくったらいいかが書いてあるのです。しかし、忙しくてろくにごはんをたべていないとか、パンやおにぎりだけで済ませているという場合、遺伝子がストレスに対応するためあるタンパク質を作れと指令を出してもその材料(アミノ酸;タンパク質の元)が入ってこないわけです。その結果、体は限界に達して、寝込んでしまったり鬱になったりするのです。活動性がストップしてしまうのです。したがって、辛い時こそ炭水化物ではなく肉や卵をきちんと食べることが大切なのです。疲れているサラリーマンのお父さん、実践するのは簡単です。ラーメン屋さんでは、卵とチャーシューを忘れずにトッピングしましょう。それが体を救ってくれます。

    健軍商店街にて

  • 七夕は旧暦にすべきですよね

    七夕ですね。日本各地では大雨の被害が出ています。毎年のことですが、水害は怖いです。天気予報から目が離せません。去年もブログに書きましたが、七夕をこんな梅雨の真っ盛りにするのは大間違いです。夏の夜空を見上げて星を見るイベントですから、梅雨にするはずありません。旧暦の七夕はお盆の頃のねぶた祭の時期です。

    こう雨が降って蒸し暑かったり台風が来て気圧の変化が大きかったりすると体調が悪くなる人も増加します。頭痛、めまいが多いです。漢方的には湿が悪さをすると考えられます。五苓散や苓桂朮甘湯が有効です。日頃天気が悪い時に頭痛がするという人は片頭痛のことが多いですが、ロキソニンなどの鎮痛剤を使いすぎない様にしないと副作用の心配があります。そういう時に漢方を使っておくと、鎮痛剤を使う回数が減ります。

    湿の邪にやられやすい人は胃腸が弱い傾向にあります。食が細い、もたれる、下痢しやすいなどの体質があります。日頃からお腹の調子に気をつけた方がいいと思います。冷やさないこと、過食しないこと、ヨーグルトなど発酵食品を食べることなどあります。漢方では朝鮮人参を含んだ処方が有効です。長期に使用することで体質改善を期待できます。

  • 面白い治療法

    往診の車でたまたまTVを見たら、たけしの家庭の医学があっていました。なんで昼間にやっているのかと思ったら、高校野球が雨で中止になったためでした。おかげでいい番組を見ることができました。しかし、こういう番組は肝心のところは最後まで明らかにせず引っ張るので、往診からクリニックに帰り着いてから、慌ててケータイのワンセグで録画しました。便利な世の中です。仕事が終わって再生して見たら、結構面白かったです。

    最初の症例はレビー小体型認知症。なんと、社交ダンスで認知症が治ったという話。結局、心から楽しめるもの、元気な頃に慣れ親しんでいた楽しいことが脳の刺激になったようです。2番目の症例はひどい腰痛で寝たきりに近い人の話。犬をペットに買ったら痛みを忘れて散歩できるようになったとのこと。最近は腰痛の半分以上は脳の問題と言われています。脳に染み付いた痛みを楽しいことで置き換えるといいというわけです。

    3番目の話はうつ病です。食事療法で治ったという話。これは私も毎日患者さんに食事指導をしますから、当たり前で、なんら驚くことではありません。鬱には食事療法が大事です。番組では、納豆などの発酵食品、豆腐などの豆製品などを推奨していました。腸内細菌を整える食事が大切ということです。また、菓子パンなどやめること、過食しないことが大事です。私の外来では、さらに鉄分をしっかり取ること、タンパク質(肉)をしっかり取ること、炭水化物(コメ、パン、麺)を極力減らすことをおすすめしています。それから、うつの人は朝起きが辛いのですが、できるだけきちんと朝起きて日中は散歩など体を動かし、昼夜逆転しないよう生活リズムを維持することが大切です。

    江津湖の遊歩道にて