むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 朝起きの訓練

    今週は夏休みも終わって学校が始まったという話をききます。わたしたちが学生だった頃は9月1日が始業式だったのですが、夏休みがすこし短くなっていますね。学生の皆さん、ご苦労さまです。休み中に生活リズムが狂って朝起きが辛い、起きられない、という話もよく耳にします。まずは夜ふかしをやめて早く寝ることです。時差ぼけしたみたいに生活時間が遅くなってしまっている場合、この際ですからメラトニンのような時差ボケ解消サプリも有用だろうと思います。病院ではメラトニンは処方できませんが、それに似た働きのロゼレムという薬があります。メラトニンはiHerbで購入可能です。

    時差ボケを治すには朝の光を目に入れてあげることが大切です。起きるべき時間にまずは起きて部屋を明るくして目から朝が来たということを脳に知らせるため光を入れてあげる必要があります。理想は太陽の光(朝日)です。朝散歩をする時間が取れるなら10分でもいいので外を歩いてみてください。時差ボケ解消には非常に有効です。

    漢方の世界では夜ふかしする人をフクロウ体質と呼びます。フクロウは苓桂朮甘湯がよく効くので私もたくさん処方しています。即効性はないのですが、体質改善的に働きます。焦らずじっくり治して学校に行けるからだを作ってもらいたいと思います。朝、低血圧で体が動かないという場合、朝から血圧を上げる薬を使うこともあります。3学期になり出席日数が足りないと慌てないでいいように、2学期のうちになんとかしたいものです。

  • 胸焼け治療にガムを噛む

    朝起きたときに胸焼けがして気持ち悪いという場合、おそらく逆流性食道炎です。夜寝ているときに胃酸が逆流して食道炎を起こすのです。起きていると重力に従って食べたものは胃の下の方へ行きますが、横になると上がってくるのは当然のことです。食べてすぐ横にならなければいいのですが、仕事から帰るのが遅いという場合、たいてい晩御飯を食べてすぐ寝てしまう事が多いようです。また、晩酌にビールなど炭酸を飲むとゲップとともに胃と食道の境目が開きますから胃酸が逆流しやすくなります。若い頃はどうもなかったような生活習慣も、年をとってくると顕著に症状が出ます。

    逆流しやすいのは胃と食道の境目の筋肉が緩んだためです。しっかり閉まっていれば横になっても逆流しません。しかし、ゆるくなった筋肉を手術して治すようなことはしません。逆流性食道炎の治療にはPPIという胃酸を抑える薬を用います。胃酸が薄くなると、逆流しても刺激がするないので胸焼けは収まります。しかし、根本解決になっていないので、いたちごっこです。良くなったかと思って薬をやめると症状が再発するためずっとやめられないことが多いです。

    胃酸というのは口から入った食べ物を消化したりやバイキンを殺菌するために必要なもので、薬で強力におさえて中性に近い状態にするのは生理学的に勧められたものではありません。なんとかそんな薬を使わずに治したいと、漢方で努力することもありますが、先日患者さんが素晴らしい成果を挙げられ、教えてくれました。胸焼けは食後にガムを食べるといい、というもの。確かにガムを噛むときの唾液で消化が進みます。つばを飲むことで胃食道の筋トレになるのかも知れません。ガムを噛む事は副交感神経を優位にはたらかせます。交感神経ばかり使っているストレス社会においてガムを噛む事は自律神経の治療になるのだろうと思います。

  • カルシウムサプリは自己判断で飲まないこと

    日曜の早朝は雷雨で目が冷めました。うちのゴンも珍しくウロウロと落ち着かない様子でした。相当降ったので少しは涼しくなるかと思いましたが、日中は蒸し暑く外を出歩くのは無理でした。私は週末のルーチンでスポーツジムにいきいつものようにランニング、筋トレ、そして温泉にはいってリフレッシュです。先週がお盆休みでジムも閉まっていたので2週間ぶりに運動するのは気持ちよかったです。最近はランニング中は「六本木クラス」を見るようにしているのですが、今週末からアマゾンプライムで2つの韓国ドラマを見始めたので、今日はそちらを見ながら走りました。なんと六本木クラスは本家本元の韓国のTV局で放送されているそうですが、評判はイマイチとの話です。それはそうでしょう。全く同じストーリーで「梨泰院クラス」を見た人がわざわざ2番煎じを見る必要はないと思います。わたしも梨泰院クラスを見ましたが、日本でどんなふうにリメイクされているか興味だけで見ています。

    先日、製薬メーカーのMRさんが私のオススメしたベトナム料理「メコンフーフード」でフォーを食べたとのこと。残念ながらその人が行ったときは空芯菜の炒めものはなかったと言っていました。そろそろ季節も終わりなんだろうと思いますが、もしかして今シーズンの食べ納めができるかもとおもい、メコンフードに行ってみたところ、今日は運良く空芯菜がありました(350円)。やっぱり美味い。メインは焼麺にしました。これも私のお気に入りです。

    さて、先日、子供の背が伸びるようにカルシウムのサプリを飲ませているという方がいました。すぐにやめるようにお話しました。牛乳で背が伸びた話は聞きますが、カルシウムサプリは危険です。飲んだカルシウムは尿に排泄されるため、腎結石をおこします。また、血管に付けば石灰化します。心臓にカルシウムは必須ですが、多すぎると高血圧や不整脈を起こします。高齢者がカルシウムサプリを飲むと心臓発作の確率が上がります。骨に良いからと思い込んで飲まないようにしましょう。カルシウムとマグネシウムは一定比率で調整されないと毒になります。カルシウムを取るときは同量か少なくともその半分のマグネシウムが必須です。

  • 頭とからだをしっかり使いましょう

    報道を見るとやっぱりお盆休み明けでコロナの患者数は相当増えています。当院は発熱外来がないので、全く通常通りですが、発熱外来をやっている病院は渋滞ができるほどの混雑だろうと思います。私が契約しているいくつかの老人ホームでも患者さんは発生しましたが、比較的落ち着いています。介護士さんたちの必死の対策が功を奏しているのでしょう。しかし、問題は濃厚接触者扱いとなった人たちを何日も部屋に拘束することです。たいていはたまたま感染者とデイケアで一緒に過ごしただけで発熱もなく、結果的には取り越し苦労だったりするのですが、老人ホームにとっては一人の発生を許すと一気に広がってしまうので、徹底して隔離しています。

    その結果、この前まで歩けていた方が全く歩けなくなったり、認知症が進んで別人みたいになったり、運動不足で足がパンパンにむくんだりと、いくつもの弊害というべき症状を眼にしています。施設全体の感染対策をしないわけにもいかず、結果的に個人個人の健康は著しく損なわれています。同じことは、老人ホームだけでなく各家庭でもあると思います。今まで散歩やラジオ体操などに参加していたのをやめたとか、外出するのが怖いから一日へやでTVを見て過ごすという人はザラにいます。運動機能も認知機能も一気に低下して、今までの何倍もの速度で老化しているのが見受けられます。

    ある患者さん(70歳ぐらいの男性)がおっしゃっていたのですが、自分たちの年令になると1年1年はとても貴重で、元気なうちに旅行などしておきたいことがいろいろあるのにこの3年まるまる無駄に過ごしてしまった。悔しくて仕方ない、と。本当にそうだと思います。せめて、筋力と認知機能を落とさないようしっかり体と頭を働かせて、老化防止するしかありません。そして、チャンスと思ったらあれこれ躊躇せず動けるうちにしたいことをしてほしいと思います。

  • コロナ後遺症の漢方理論と実際

    患者さんに教えてもらったのですが、にがりはメーカーによってマグネシウム含有量が相当違っているとのことです。私はイオンで買っているのですが、イオンには1種類しか売ってないので比較したことがありませんでした。ネットで見るといろんなにがりがありますね。すごく薄いものから相当高濃度のものまであります。もちろん濃度によって適量が異なってきます。私はお茶などに数滴ずつ入れて一日で小さじ一杯程度をとっていますが、商品によってはそれが適量とは限りません。とり過ぎたらお腹がゆるくなるので、それを目安に程々の量をとってみてください。夏バテ対策にも塩分だけでなくマグネシウムその他のミネラル補給が必要です。また、足がつりやすいひとはにがりを毎日とっているとつらなくなってきます。多少塩分が入りますが血圧の上がる心配はありません。血圧を上げるナトリウムやカルシウムと反対に血管や心臓をリラックスさせるのがマグネシウムやカリウムです。にがりはそちらの成分が多いので大丈夫なのです。

    さて、当院はコロナ後遺症を積極的に見ています。毎日相当数来院されます。このブログを読んでいるドクターや薬剤師さんも多いそうなので、参考までに私の弁証(漢方的な見立て)理論を書いておきたいと思います。

    まず、ブレインフォグは頭の炎症と水毒(痰飲)と考えます。柴苓湯を基本としますが、体質により当帰芍薬散や四物湯+五苓散などを考慮します。微熱が続く場合、小柴胡湯をベースにします。柴胡桂枝湯や柴胡桂枝乾姜湯も候補となります。味覚障害は亜鉛の補給が必須です。漢方ではなくポラプレジンクを入れます。倦怠感は気虚ですが血虚を伴っているかどうかで補中益気湯や十全大補湯、人参養栄湯などを検討します。紅参末も非常に有効です。めまいふらつきの場合、気虚があれば半夏白朮天麻湯、気逆の傾向があれば苓桂朮甘湯となります。咳の亜急性期は竹筎温胆湯、慢性期は麦門冬湯あるいは滋陰降火湯を考えます。咳がひどいときは喘息用のステロイド吸入剤やモンテルカストを併用します。

    下江津湖