むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 処方箋は医師の作品だ(という気持ち)

    昨日テレビを見ていたら毎年正月恒例の「はじめてのおつかい」が放送されていました。ご覧になった方も多いと思います。今回は、「しょげないでよbaby」というBBクイーンズの歌が高樹沙耶の作詞だったことから放送されないのではないかという噂でした。私が見た場面では、そのBGMは使われていなかったので、全編を通して使われなかったのだろう思ったら、ちゃんと使われたそうです。よかったです。やはりあの番組にはこの歌がセットで感動を呼びますよね。

    あまりに規則だからとか、放送した後に抗議の電話があるのが怖いとか、そういうことばかりで動くと番組はどんどんくだらなくなります。多少の批判、批評は受けるつもりで自分の価値観を信じて良いと思うものを作品として作り上げてもらいたいものです。最近のテレビ番組は作品というほどのものが少ないです。

    ネット社会の現代では、電波垂れ流しのテレビというのは時代遅れでやはりネット配信のオンディマンド型のもの(YouTubeのような)こそニーズがあるわけですが、これら動画配信番組だと、見た人の評価が出ますから価値なしのものは誰にも相手にしてもらえません。視聴できる番組は星の数ほどあり、くだらない番組はあっという間に葬り去られるわけです。例えば、何かとても面白いことや重大な発表がもうすぐある、みたいな番組予告をしておきながら、番組の最後まで何もなく、ついに最後の最後で超くだらない終わり方をするバラエティー番組など、最近結構目にしますが、内容を伴わないうわべだけの作品というものは価値なしです。

    自分の仕事も一つ一つ価値あるものになるよう考えます、惰性でいくのが一番いけないと思っています。惰性というのは、例えていえば先月処方した薬が今月も同じで良いかどうかはかなりよーく考えないとわからないということです。私は結構頻繁に処方をアレンジします。なぜなら、今日のAさんは先月のAさんと同じではないからです。

  • 漢方講演の準備

    1月下旬に熊本大学で漢方の講演を頼まれました。去年も同じセミナーで何度か講演をしたのですが、この半年くらいは自分のクリニックの開業に伴い、講演どころではありませんでした。なんとかひと段落ついたところで、今月のセミナーを引き受けることにしたのです。

    今回のテーマは「精神科領域の漢方治療」です。実際には私が見てるのは心療内科ですから、そう書くべきものだったかもしれません。「心と漢方」というテーマでもよかったかと思います。

    果たして漢方がいかに心に効くのか、これはなかなか面白いところです。私の得意とするのは精神科の病そのものではなく、ストレスなどが原因で起こった体の不調(食欲不振、全身倦怠、ふらつき、不眠、目のピクつきなど)の治療です。通常ですと、抗うつ剤や睡眠薬を使って治療するところですが、患者さんの中にはそう言った薬の使用を嫌がられる場合が結構あります。なんとか漢方で・・・と頼まれます。私もいろいろ努力するのですが、漢方だけではなかなか簡単には治りません。やはり、眠れないなら睡眠薬を使った方がどんなに簡単に治療できることでしょうか。しかし、漢方と西洋薬を併用することで、自然と西洋薬はいらなくなったり、ごく少量でよかったりということはしばしば見受けられます。漢方だけで症状がコントロールできるようになったら、あとは減薬から治療終了まではハードルが低いです。

    どうしても漢方だけで治したいというなら時間がかかります、早く治して楽になりたいなら西洋薬も少しだけ使いましょう、と言います。圧倒的にその方が経過が良いです。したがって、今度の漢方セミナーでも、漢方にこだわらずに西洋薬も併用する実際の姿を紹介しようと思っています。

     

  • 小休止

    クリニックの建設が始まった頃から1日も欠かさず書き続けたこのブログですが、初めてお休みしました。小休止です。ブログを始めた頃はどんな建物にしようか、というところから始まり、建設が終わり引き渡されると夢が現実になりました。それから先は自分で決めた通りに物事は進んでいくので、全てがリアルです。しかし、その現実の中で数年後の夢を思い描きながら日々の選択をしないとどんどん理想からは外れてしまうことでしょう。

    私の場合は、今のところ思い描いた夢がそのまま現実となり、嬉しい限りです。最近忙しくなってきたのでスタッフの増員を考えていますが、いい人に来てもらいたいと願っています。看護師さん、医療事務さん、ご応募お待ちしています。

    さて、この連休中にうちのゴンは7歳の誕生日でした。これからシニアの年代入りするわけですが、まだまだ元気です。

  • 年賀状について

    今更という感じもしますが、雑感を書きます。

    昨年末にうちのクリニックに来ている郵便局の人が、年賀ハガキの注文を取りに来て一枚の案内の紙をくれました。それには、震災に見舞われた熊本は全体が喪中のようなものだから、謹賀新年とは書かずに謹迎新年と書きましょうと書いてありました。つまり「賀」の字を書かないようにとの配慮です。

    当クリニックから出した年賀状は、一応そのアドバイスに従い、「賀」の字を使わずに書きました。しかし、正月があけてみると、届いた年賀状は一つ残らず通常通りの挨拶です。何ら変わったところはありません。結局、郵便局の人が気をまわしすぎたわけです。

    そもそも、年賀状に「喪中」の制度があるのがとても煩わしいですね。せっかくもらっても返事を書かないで気まずいし、あらかじめ喪中ハガキを書いていたとしても、みんながそれを気に留めてくれるかさえ分かりません。これから日本の人口はジェットコースターのように急降下します。つまり、これからの多死社会の中、日本中多くの家庭が喪中となり、年賀状を書けなくなると予想されるのです。

    そんなややこしい制度はさっさと撤廃して、喪中でもみんなに「おめでとう」の言葉を掛け合って、新年を明るく迎えましょう、といった方がいいのではないかと思うのです。

  • 風邪の治療

    風邪は内科医にとって簡単なようで難しい疾患です。インフルエンザこそ検査で診断がつく時代ですが、たいていのウイルスは検査の方法はあっても通常の外来で検査することはなく、経験と勘で治療することの方が多いのです。しかも、大学では肺がんの治療法は習っても、風邪の治療法は習いません。そもそも治療学としての体系ができていないのです。

    一方、漢方ではインフルエンザのような流感のことを「傷寒」と呼び、「傷寒論」という本が出版されたのが今から2000年ほど前の漢の時代です。それが数百年経って日本に入ってきたので「漢方」と呼ぶのです。(ちなみに西洋医学を蘭方と呼びました。オランダから入ってきたからです)

    傷寒論は風邪のような流行病をいかに治療するかを体系だって書いてあります。漢方を勉強する人は必ず読む古典です。私もなんども読みました。

    この正月から救急当番などで相当数の風邪の患者さんと接触しました。我ながらよくうつらないものだと思いますが、もちろん全くどうもない訳ではりません。日々いろんなウイルスを体に浴びながら免疫を獲得しているのです。その過程では、喉がイガイガしたり、鼻水が出たり、寒気がしたり、何らかの反応があります。ひどくならないだけです。もちろん薬を飲むこともあります。私の場合は漢方です。今日も仕事が終わり、何となく喉の違和感と寒気がありました。早速うちに帰ってから桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗、(この5味で桂枝湯と呼ぶ)に菊花、板藍根、を加えて煎じました。やっぱり風邪には漢方です。歴史が違います。人類の経験と英知の結晶です。