むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方講演の準備

    1月下旬に熊本大学で漢方の講演を頼まれました。去年も同じセミナーで何度か講演をしたのですが、この半年くらいは自分のクリニックの開業に伴い、講演どころではありませんでした。なんとかひと段落ついたところで、今月のセミナーを引き受けることにしたのです。

    今回のテーマは「精神科領域の漢方治療」です。実際には私が見てるのは心療内科ですから、そう書くべきものだったかもしれません。「心と漢方」というテーマでもよかったかと思います。

    果たして漢方がいかに心に効くのか、これはなかなか面白いところです。私の得意とするのは精神科の病そのものではなく、ストレスなどが原因で起こった体の不調(食欲不振、全身倦怠、ふらつき、不眠、目のピクつきなど)の治療です。通常ですと、抗うつ剤や睡眠薬を使って治療するところですが、患者さんの中にはそう言った薬の使用を嫌がられる場合が結構あります。なんとか漢方で・・・と頼まれます。私もいろいろ努力するのですが、漢方だけではなかなか簡単には治りません。やはり、眠れないなら睡眠薬を使った方がどんなに簡単に治療できることでしょうか。しかし、漢方と西洋薬を併用することで、自然と西洋薬はいらなくなったり、ごく少量でよかったりということはしばしば見受けられます。漢方だけで症状がコントロールできるようになったら、あとは減薬から治療終了まではハードルが低いです。

    どうしても漢方だけで治したいというなら時間がかかります、早く治して楽になりたいなら西洋薬も少しだけ使いましょう、と言います。圧倒的にその方が経過が良いです。したがって、今度の漢方セミナーでも、漢方にこだわらずに西洋薬も併用する実際の姿を紹介しようと思っています。