むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方や針にこだわらない

    私のブログでは、漢方や針など東洋医学がいかにいいかをたくさん書いています。事実、西洋医学では治せないいろんな疾患に対応できるし、副作用の面でも安全性に優れているので、私個人としてはとても好きなのです。みんなにその良さをわかっていただきたいと思っています。

    一方で、漢方でないといけないとか、針でないといけないとは思っていません。血圧を下げるには小さい一粒の西洋薬はとても効果的です。コレステロールを下げるのも、一粒の西洋薬にはかないません。睡眠薬もそうです。漢方でどんなに頑張っても西洋薬にはかないません。

    結局、効果と安全性と患者さんの忍容性などいろんな条件を総合して考えたあげく、もっとも効率的で安全で効果的な治療法が何かを考えて処方しています。ですから、患者さんから漢方で眠れるようにしてくださいとか、漢方で血圧を下げてくださいとか頼まれることはしばしばですが、そこはなぜ漢方でないといけないかという問題があります。薬アレルギーで飲める薬がないとか、妊娠中で漢方にして欲しいとか、理由があればそれは納得します。まずは、他に治療法もなく困っている人に漢方療法は絶対必要とおもっていますが、西洋薬の方が優れているとわかっているのあえて漢方で行くにはそれなりの理由が必要だと思います。これは、最近よく耳にするEBMすなわちエビデンスに基づいた標準治療が求められる時代だからです。

  • 整形領域以外の針の効能

    鍼治療というとどのようなイメージでしょうか?腰痛や肩こりに効く感じでしょうか。実際に、ぎっくり腰や慢性の腰痛、肩こり、五十肩、足のしびれなどによく効きます。即効性がありますから、治療したすぐ後から少しいいみたい、と言って帰っていただくことが多く、針を抜いた後も体を動かしているうちに次第に調子が良くなってくることがあります。

    そのような整形疾患以外にも、脳梗塞や脳出血などの後遺症で半身不随になったり、リハビリの最中にいい側の筋肉が痛くなったりにも針をします。婦人科では、生理痛や月経前症候群などはいい適応です。乳腺炎にも有効です。眼精疲労や耳鳴りめまいなど眼科や耳鼻科の疾患にも行います。うつ、不眠などの心療内科的な分野にも行います。要するに、昔の東洋医学は針と漢方であらゆる疾患に対応していたので、その経験と歴史からいろんな疾患に対応できるのです。針は腰痛や肩こりにいいとばかり思い込まず、ご相談いただけると大抵は対応できると思います。薬を飲むと副作用で調子が悪かったとか、飲み薬が多すぎてこれ以上増やしたくないという場合も針で対応できるかもしれません。

    当院の針は、セイリン社のディスポ(使い捨て)針を使っています。ほとんどは1番というサイズで最も細いものを使います。痛みもわずかで心地よく感じられると言われます。

  • レイノー現象

    冬の寒い朝に顔を洗おうとした時、冷たい水に触れた手指が1本または2−3本真っ白に血の気が引いたようになって痛む病気があります。レイノーと言います。ほとんどの場合、さすったり温めたりしているうちに20−30分以内には指の色は正常に戻りますから心配いりません。びっくりして救急車を呼んだら、救急隊がついた時には治っていた、ということがあります。

    レイノーが起こる原因は色々あります。一番気をつけないといけないのは膠原病です。喫煙者ならバージャー病というのがあります。また、動脈硬化がかなり悪化した場合にも見られます。これらの基礎疾患が隠れていないかがポイントとなります。

    私はこの冬にレイノーの患者さんを3人診察しました。まれな病気なのですが、結構いるもんだなと驚いています。漢方薬で、このレイノーを予防することができます。これまでの私の経験では、漢方薬をきちんと飲んでいれば、レイノーがほとんど起こらないのですが、飲み忘れた日に限って起こるのです。つまり漢方は症状を抑制するのですが根本治療にはなっていないかもしれないということです。それにしても、基礎疾患がわかればその治療に専念しなければいけませんが、基礎疾患がはっきりしない場合はあまり治療の方法がありませんから、漢方で抑えられるのであれば、それを利用しない手はないと思います。

  • 冷え症

    冷え症はなかなかなおす治療法がありません。ソックスを5枚くらい重ねばきする人やカイロをいくつも使う人など色々ありますが、なかなか治すのが難しいものです。漢方の中には冷え症に効果的な処方がいくつかあります。十全大補湯、当帰四逆加ゴシュユ生姜湯などがあります。こういった処方に人参や附子を加えて効果を増強します。

    毎年しもやけになるという訴えで来院された患者さんに、このような処方を組み合わせながら処方するのですが、幸いこの冬はしもやけにならずにすみました、といっていただいています。それでも、私が診察しながら手を触ると、本当に気の毒なくらいひやっと冷たいことがあります。しもやけにならなくても、まだ温めたりないなーと力不足を感じるところです。

    そのような患者さんから、いつまで薬を飲んだらいいでしょうか、と聞かれることがあります。これは人それぞれです。冬さえ越してしてしまえば問題ない人は、3月いっぱいくらいで一旦やめて、次の10月か11月くらいに再開すればいいと思います。しかし、冷房で冷える場合は、夏の間も継続して治療したほうがいいと思います。ただ、附子の量などは夏と冬では変えて処方します。

    末梢循環が悪いせいで手足の先が冷える場合は寒い時期だけの治療でいいでしょうし、胃腸が悪くて食べ物からの熱エネルギー産生能力が弱い人の場合は年間を通して治療したほうがいいと思います。

  • デパスやソラナックスを使わない

    これまで安定剤のデパスやソラナックスは軽いから安全と思われていました。しかし、最近ではできるだけ使わないようにしようという風潮です。不安や不眠に用いられる薬ですが、根本的な改善にならないのと習慣性の問題などがあるからです。

    当院に来た患者さんでも、これまで睡眠薬や安定剤を何も使ったことがない場合は最初からこういった安定剤を極力使わないようにしますが、結構昔から安定剤を使っている患者さんの場合、すでに飲んでいる可能性があります。デパスはジェネリックの名前(一般名)でエチゾラム、ソラナックスはアルプラゾラムと言います。調剤薬局からもらう薬の説明の紙を見てみてください。

    もしかなり長いことこういった薬を飲んでいる場合、なかなか中断できません。それはすでに習慣性がついていているからです。試しにスパッとやめてみると、おそらくまったく眠れなくなるか、禁断症状で体調不良になることが予想されます。やめる場合も、一旦他の薬剤に置き換えながらゆっくり減量したほうがうまくいきます。かなり面倒で1年がかりの仕事になりますから、こんなことを請け負ってくれる病院も少ないのが現状です。当院ではこれらの安定剤を本気でやめたいという方がおられたら精一杯お手伝いいたします。どうしてもやめられない場合もありますが、体調維持の方が優先される場合もありますから、やめるメリットと飲み続けるメリットを天秤にかけて判断することが必要になると思います。

    EOS kiss X3+Sigma 30mm f1.4 DC HSM

    薄暗い室内で動く犬をここまで写せるとはシグマの明るいレンズはすごいですね。